くくく、チート転生者のこの俺に勝てるわけが……ぐふっ!? 作:とある達人の筋肉無双
6.
骨がボッキボキに折れてまじで死にそうだったが、次の日には何とかなったぜ(`・ω・´)キリッ
いやー人体の神秘って不思議よな。
チートのお陰でこれでまた一つ強くなれた訳だがムキムキになったりする訳ではなく、筋肉の量も質も殆ど変化していないというのに何故かパワーが格段に上昇し、防御力や体力といった面でもそれなりに強くなれた。
お陰で両親からも怪しまれることは無く、普通に暮らせている。
マジで便利だなこの力。
「あ、どうも藤村さん、今日も手加減なしでよろしくお願いします」
「き、君……ほ、本当に大丈夫?」
「もちろんこの通りピンピンしてますよ? 今日も出来れば半殺しでお願いします」
うん、藤村さんの顔が引きつってるが気にしたら負けだ。
俺はアメリカを取る男なのだから。
「え、えと……本当に大丈夫なのかい?」
「大丈夫ですよ? 昨日も言いましたが死ななければ次の日には完全に元の状態で戻ってきますから」
「そ、そうかい? なら好きに打ち込んできても大丈夫だよ」
「では……」
今日も好きに打ち込んできて良いと言ってくれたので今回も全力でツッコミに行く。
今回はパワーが上がったので打撃系と流水岩砕拳を試してみようと思う。
手が届かない為に中段がせいぜいなので、今日は全力で中段を撃たせてもらうぜ。
「うらっ!」
「お、体重の乗った体全体で打ち込む良い突きだね」
だがその中段突きはあっさりと流されてカウンターの拳が飛んできた。
読み通りと言ったところだ。
「滑水拳!」
その拳に手を這わせるようにして滑らし、斜めへと攻撃の軌道をずらす。
そしてそのまま前に出るようにして腕を滑らしていき、カウンターの一撃を叩き込む。
技名を叫ぶのはロマンだ。
「あっぶな!」
その俺が放った拳は後ろに体を開くようにして避けられるが、避けられたならばそれに合わせて間合いを詰めてひたすらに殴り続ければそのうち勝てる。
今は右半身が前に出ており、左手は体で隠れていてほぼ見えない。
これを使わない手はないだろう。
「影拳!」
そのまま打撃のインパクトまで左腕を隠し、一気に左半身を前に出す事によって拳を突き出す。
体重を拳の先端に乗せて、殺す気で殴る。
「うぉっ!?」
が、その俺の一撃はそれよりも速い蹴りを出すことで防がれる。
まずいと思って身をよじって避けようとするものの綺麗に俺の脇腹にクリーンヒット。
『メリィィィッッッ!』
「ぐべらっ!」
体の中で響くめっちゃ嫌な音と共に俺は回転しながら吹っ飛んだ。
うん、やばい。
痛い、死ぬ。
「ごほっ……ぐっふぉ……おご……」
何とか血は吐き出さないように堪えて立ち上がろうとするがフラフラとよろけてしまいなかなか上手く立ち上がることができない。
まさに半死半生という理想的な形、さすが藤村さんといったところだ。
「あ、だ、大丈夫!?」
「だ、大丈夫……です。
ま、また……あ、明日も、お、お願い、しま……す」
それだけ言い残して気合いを振り絞って立ち上がると、俺はお布団へとダッシュした。
7.
東坂とかいう不死身の少年がいるらしい。
そんな噂が広まるのはある意味当然と言えるだろう。
何度も半殺しされても毎日毎日立ち上がり、そしてその度に強くなりたった13日でその道場で一番強い先生を倒した。
有名にならない方がおかしいだろう。
「カカッ、面白そうな者がおるわいのう」
初めは空手教室に来ている子供達とその両親が語っていただけなのだが、噂は噂を呼び。
そしてあっという間に広がって行った。
そして、その噂はもちろん闇の達人達の耳にも入っていく事になる。
そう、それはこの拳魔邪神シルクァッド・ジュナザードも例外ではない。
誰かが言った「本当に武術をやりたい人の前には、必ずそれに適した師が現れる」という名言。
では本気でアメリカに勝ちたい等という意味不明な目標を掲げて、それに向かって全力で突き進む少年の前にはどんな師が相応しいのだろうか?
それはスポーツ空手の達人か?
そう聞かれれば答えはもちろんNoだ。
所詮スポーツ空手はスポーツ空手。
対武器、それも対アメリカなんて真似ができるわけが無い。
では活人拳の達人か?
それもNoだ。
誰一人として殺さずにしてアメリカに勝つ?
そんな事は不可能だ。
であるならば残るはたった一つ。
殺人拳の達人しかない。
そして、彼とそのありえない程の才能を余すところ無く引き出せる技術と力の持ち主等たった1人しか居ない。
そう、この拳魔邪神シルクァッド・ジュナザードだけだ。
「さて、今度はどれだけ楽しめるかのう」
邪神は日本に向かって足を運び始めた。
8.
「やる事がない」
つい先月、近所の空手教室の藤村さんを完封する事ができるようになって以来は時々来る道場破りの人と立ち合うくらいしかやることが無くガチで暇である。
アニメと漫画を元にして実際に使えるように新たにリメイクした流水岩砕拳の形を練習するくらいしかやる事が無く、もう半殺しにしてくれそうな人も居ない。
こうなったらもう車に飛び出すとかそういう事をするしかないのだが、さすがにそれは色々と迷惑な上に、両親にも多分バレるし、このチート能力もバレる恐れもある。
どこかに範馬勇次郎みたいな化け物はいないものだろうか?
「お前さんがあやつの言っておった奴かのう?」
そんな事を考えながら、自分で作った型の練習をしているといきなり後ろから声がかけられた。
「っ!?」
咄嗟に振り返って構えを取ると、そこに居たのは仮面をつけた男だった。
ただそこに居るだけなのに、そこに居ないような錯覚を起こさせる程の圧倒的潜伏力。
一体この人は何者なのだろうか?
「い、いつからそこに?」
「カカッ、お前さんが型の稽古を始めた時からだわいのう」
つ、強い……。
見てわかる。
見なくてもわかる。
ただそこに居るだけで圧倒的な格の違いというものをとことん感じさせられる。
「……貴方が私の
間違いなくこの目の前の男はまともな人間じゃない。
というか人間かどうかすら怪しい。
このような存在は神か悪魔か、もしくは邪神か、そう言った言葉がまさに相応しいだろう。
だから俺は
『選択肢』
→相手に向かって構えを取り直した。
・とりあえず質問を投げかけた。
「一手、お相手できませんか?」
「カカ、カカカカッ! 威勢がいいのは嫌いじゃないのう」
そう、まさに願っても叶うかどうかすら怪しい千載一遇のチャンス!
ならばここは全力で相手をしてもらうのが吉。
「では行くぞ?」
「手加減なしで、半殺しでお願いします」
「カカカッ! 了解したわいのう」
俺がそういうと既に顔面を殴られていた。
早く、速く、捷い突き。
容易く音速の壁を超えたような突きが既に突き刺さっていた。
いつ放ったのか不明。
どうやって放ったのかも不明。
初動モーションすらも見抜けない圧倒的な突き。
「お、おぐッ……が、ごほッ……」
情けなく吐血して地面に倒れる。
これまでも一撃で半殺しにされるような場面には何度も出くわした事があるが今回ばかりはダメージが段違いだと言える。
視界がドロドロになってあっという間に崩れる。
「で、弟子に、弟子にして貰えませんか?」
何となく最後にそう言えたのは辛うじて覚えているが、それを言い終わったら気が抜けたのか俺の意識は簡単に闇へと落ちていった。
「カカカッ! こやつはどこまで耐えられるかのう?」
_______闇へと落ちていく意識の中で、邪神が楽しそうに嗤っていたのを耳にしたような気がした。
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