くくく、チート転生者のこの俺に勝てるわけが……ぐふっ!? 作:とある達人の筋肉無双
11.
「カカカカカッ! やはりこの程度じゃあ相手にもならんわいのう。
お前さんを正式な弟子として認めてやるわいのう、これからわれの事は
「はい、
俺がそう言うとシルクァッドさん……いや、
打ち込めばいいという事だろうか?
「お前さんはその年齢でもう既に妙手の域に達し掛けておる。
ならわれとの組手が一番効率が良かろう。
好きに掛かってくると良いわいのう」
「はい
圧倒的なまでに研ぎ澄まされており、もはや何がなんだか分からないほどだが
この組手ではその技術を盗み、自分のものとする良い機会だ。
それに人間の編み出して作った技ならば破れない道理はない。
その技の弱点や特徴を知ることも大切だ。
「フゥ……行きますッ!」
身体を前に倒す事で自然に一歩を踏み出し、そのままの勢いで流れを崩さないようにスっと間合いを詰める。
即座に迎撃の拳が飛んでくるがこれを気合いで見切る。
「重っも!?」
滑水で流すのにはまだ難しいと判断したので普通の化勁を使って、腕を回転させるようにしながら受け流す。
まともに防いだりなんかしたら即死が確定しているようなものだ。
あくまでも流す。
「カカッ、それで終わりなのかのう?」
「いいえ、まだまだァッ!」
そのまま身を強引に前へとねじ込む。
体格差的に安全圏は相手の懐。
間合いの外側はむしろ危険。
ならば強引にでも有利な状況に持ち込めば良い。
「ラァッ!」
そのまま全力で拳を叩き込む。
ここで気が付いた。
おかしい。
手応えがない。
そもそも、こんな簡単に間合いに入れる事がおかしい。
「残像か!?」
よく格闘漫画とかで出てくるこの残像。
恐らく元はドラゴンボールか何かだとは思うが実際にあれをやってのけるなんて達人とか名人とかそう言うレベルでは無い。
「カカカッ、上出来じゃわいのう!」
咄嗟に後ろから来る攻撃に備えようとする。
残像が使える程速い奴には1つの共通点が存在する。
それは相手の背後をやたらと取りたがろうとする事だ。
だが俺のその勘はあっさりと外れる事になった。
「カカッ、ハズレじゃわいのう!」
「が、ぐふぉっ!?」
右横から唐突に降ってきた蹴りが吸い込まれるように首に叩き込まれた。
そしてそのままの勢いで吹っ飛ばされ、勢いよく壁にぶつかって止まった。
「あ、かはっ……」
ちょ、やばいやばい。
これ首の骨折れたんじゃね!?
本来ならこんな攻撃を喰らえば意識が落ちる筈なのにそれすら無い。
俺じゃなかったら即死もいい所だ。
「カカッ、今のが当分のお前さんが目指すべき所じゃ。
しばらくはその傷を治療してやるわい。
……治ってからが楽しみじゃわいのう」
そう言って
12.
「カカカカッ、全く……面白いやつじゃわいのう」
拳魔邪神は自分が拾ってきた小さな少年を担ぎながら嗤う。
まるで神に祝福されたような完璧とも言える武術の才能。
自ら自分を地獄へと追い込み続けるその精神。
まさに武術をやり、強くなる為だけに生まれてきたようなそんな存在だ。
5歳児で既に妙手?
そんな話はこの拳魔邪神をもってしても今までに聞いた事すらもない。
「カカッ、こやつならば本当に到れるかもしれんわいのう」
そう、それは自分が望んで止まないもの。
神の領域。
この子供ならば人間の限界である超人を越えられるかもしれない。
そして、自分をその領域まで引っ張り上げてくれるかもしれない。
いや……かもしれないではなく、できる。
この他ならぬ自分、拳魔邪神シルクァッド・ジュナザードなら。
そこにはいずれ訪れるだろう神との戦いに胸を踊らせる拳魔邪神があった。
13.
「さて、今日はお前さんにプンチャック・シラットの技を教えてやるわいのう」
あれから一週間程の時間が過ぎ去り、その間に何度となく半殺し、いや9割殺しにされたが、俺は元気だ。
その間で分かった事がある。
拳魔邪神なんて呼ばれてこの国の人々から崇拝、いやもう信仰されているような存在だ。
そりゃあ、勝てるわけがねぇわな。
というか本気でこられたら一撃で死ぬ。
手加減は無用とか言ったが、前言撤回だ。
まさか小指の先だけでワンパンできるようなそんな相手だとは思わなかった。
強い?
いや、もうそんなレベルの話じゃない。
アメリカどころか全世界に対して喧嘩売っても勝てるレベルだ。
さすが邪神である。
今日はそんな邪神様が技を教えてくれるらしい。
いや、ようやくかよって話なんだが、半殺しにすればする程に俺が強くなるという事を知った
まさに邪神の所業だが、それを喜んで自分から受ける俺もちょっとどうかしてるんじゃないかと最近良く思う。
元々俺の治癒能力はかなりのチートレベルなのだが、それが
さすがに修行キチのサイヤ人だってこんな事しねぇよ!?
さて、そんな事より技だ。
俺の中でプンチャック・シラットの技と言えば
つまりは残像とか分身とか、消える奴とか、音を置き去りにする拳とかだ。
……だめだ、まともな技が一つもねぇ。
「え、えと……どんな技を教えてくださるので?」
「安心せい、普通の技じゃわいのう」
そうして教えられたのはジュルスという18つの型のようなもの。
普通にできるまともな型だったが、明らかに人を殺す事を想定した暗殺拳みたいな感じの技だ。
とりあえず習った技を1~17のジュルス、そして必殺のジュルスと一通り通してみる。
「えーと、こうか?」
「一回でそれだけできれば上出来じゃわいのう。
カカッ、今からジュルスだけに絞って組手をしようかのう。
覚えるには実践で使うのが一番早いからのう」
「はい、
言われた通りにジュルスを使って攻めてみるが、手も足も出ずにボッコボコに完封された。
……こ、こういう技の練習の時には、ちょ、ちょっと手加減してくれてもいいんじゃないかな?
感想ありがとうございます。
これからも気まぐれに更新していきますのでよろしくお願いします。
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