くくく、チート転生者のこの俺に勝てるわけが……ぐふっ!? 作:とある達人の筋肉無双
20.
12歳と、もう小学生から中学生へと上がる頃合いだが、俺の武術階級が特A級へと上がったかと聞かれると正直言って微妙な所だ。
その間に数多くの小技を編み出し、まるで人間ビックリ箱のような存在にはなれたものの俺の実力はまだまだこれからと言った所で、
そんなある日、
「で、これってどこに向かってるんですか?」
飛行機に乗り込んだのは良いものの行先も特に伝えられておらず、今度は誰と死合いをすればいいのかさっぱり分からない。
向かっている方向は北アメリカの方なので北アメリカで有名な武術を使う人物が俺の相手なのだとは思うが……北アメリカって一体なんの武術が有名なんだろうか?
ボクシングとMMAくらいしか思いつかないのだが、そう言う事で良いのだろうか?
「カカ、お前さんが欲しくて止まないある物を持っている男の元じゃわいのう」
「俺が欲しくて止まないものですか?」
んん? 俺が欲しいものか……。
俺が現在進行形で今すぐにでも欲しいものといえば、史上最強の生物の称号と
うん、無いな。
ということはそのうち手に入れるつもりのものか?
まずは可愛い嫁。
俺は童貞を捨てるぞジョジョ〜ッ!
次に、莫大な資産。
俺は仕事を捨てるぞジョジョ〜ッ!
そして、最後に
貴様は今までに殺した人間の数を覚えているのか?
え? 最後だけやたら物騒だって?
いや、だって……ねぇ?
武術のチートとサイヤ人の力と、そしてどんな怪我を負っても回復できる圧倒的な再生能力があれば誰だって戦いたくなるだろう?
ついでに、世界最強とかも目指したくなっても仕方がないだろう?
そして戦えば相手は死ぬ。
つまりはそういうことだ。
一々、一つ一つ警察沙汰とかにされたら面倒とかそう言うレベルじゃ済まない。
最悪他の殺人拳の達人や闇に所属する達人とかに追われる羽目になる。
それが単なる達人ならまだ良いんだが、
最近闇の十拳から一影九拳へと名前を変えたらしい上位十人とかに奇襲でも受ければ今の俺なら最悪即死しかねない。
特にその上位三名、
数十年と闇のトップに君臨してきた
ってあ!
もしかしてだがアレか?
これならば俺が欲しいものの一つだと言えるし、結構前からこれを目標にして頑張ってきたのだ。
「もしかして流のエンブレムですか?」
「カカ、そういう事じゃわいのう」
これならば良い試験になる。
なんせ、相手は闇の上位10位に入る猛者。
闇の十拳からその名前を一影九拳へと変えようとも、その強さには何ら変わりはない。
間違いなく相手は特A級の最上級とも言える達人なはずだ。
これならば試験という言葉もピッタリだ。
「も、もしかしてこれって卒業試験的なアレですか?」
「カッカッカ、これで仮にお前さんが負ける様な事があればどうなるかは分かっておるのう?」
お、おう……。
つまりは負けるようならぶっ殺すって事ね。
好意的に解釈すると今の俺の実力ならば確実に良い勝負ができると邪神直々にお墨付きを貰ったようなものだ。
なんか自信が出てきたな。
これで勝てれば堂々と特A級を名乗れるというものだ。
それに現在の流のエンブレムを持つ一影九拳は打撃を主とするボクシングの使い手であり、俺の流水岩砕拳と相性がいいとも言える。
相手が柔術系だったらわざわざ流水岩砕拳に拘らずに普通にプンチャック・シラットとか空手の技を使った方が強いので俺のオリジナルの見せ所が完全に無くなるのだ。
相性と言ってもそれくらいで、別に俺が苦手としているタイプが居るとかそう言う話ではない。
最悪そう言う相手が居たとしても俺の固有奥義、
所詮は見様見真似にしか過ぎないので相手の技量次第では簡単に崩されたりするのだが、そんな事が出来る存在は今のところ
……せめて同格であって欲しいものだ。
「もちろん命を懸けて、死ぬ気で戦いますので
負ける時はそれ即ち死だけですからね」
「カッカッカッ! さすがはわれの弟子じゃわいのう!
武術に対する心意気まで完璧じゃわいのう」
負ければ死ぬ。
そんな事はいつもの事だ。
俺は自分が何もせずにのほほんと明日を生きれるとは思ってはいないし、明日とは自分の力で強引に掴み取るものだと思っている。
本気を出して、ひたすらに死ぬ気で明日なんてものを気にせずに今を生きる。
今の俺にとっては、もはや当たり前の事なのだがこれがなかなかに難しい事なのだ。
何せ、人間は当たり前な物事に対して意識を向けるのが下手だからだ。
自分が今も生きていれば、何となく明日も大丈夫だろうなんて甘い考えで生きてしまうのが人間という生き物なのだ。
それが相手に対しての精一杯の誠意であり、それ以上は不要。
相手がどんなものを背負っていようとも、相手がどれだけ高潔な思想を持っていようとも、相手が何を成そうとしていても、そんなものは丸っきり関係ない。
ただ殺し、殺される。
そんな武の中に情や心といった甘えは不要なのだ。
そういったものを持ち込みたいのであれば、武術の外側で自由にしていればいい。
俺と
合理、最強、最短!
この3つを突き詰める上で不必要な要素はとりあえず置いておけば良く、武術にはそれさえあれば問題ないのだ。
「カカ、そろそろ着くわいのう」
「……そう言えば聞いてませんでしたがどこで降りるつもりで?」
唐突に荷物を纏めようとした
「カカッ、この後ろのドアから上空で降りるに決まっておるわいのう」
「……」
え?
ちょ、パラシュートないんですけども!?
もしかしてこれってゴム無しバンジーとかそういうやつか!?
「さて、そろそろ行くわいのう」
「と、飛べ……と?」
「パラシュートが無いのであればそのままジャンプするしかないわいのう」
俺がその
いや、え?
ここ上空1万メートルなんだがガチで飛べと?
「え、えと……本当にパラシュートとかなんにもないんですか?」
「カカカ、さっさと飛ぶわいのう」
……仕方ない飛ぶか。
結局どう足掻こうと変わらないのであれば、やっぱり飛ぶしかないというものだ。
「I can't fly!!!」
とりあえず全力の受け身体勢を整えると、俺はそのままダッシュして飛行機のドアから飛び降りたのだった。
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