「所で和雪さん、ボク気になる事があるんですけど・・・」
「ん?なんだい、エルフナインちゃん」
臨海学校に行く前日、少年はポッキーを食べながら昼食を作っており後ろから質問をくれたエルフナインに返事をする。
「和雪さんは以前、スポーツをされてたと健太さんに聞いたんですけど何をしてたんですか?」
「ん~・・・ソフトテニスだけど・・・」
「へ~、意外ね」
二人の会話を聞いていたマリアがテーブルに食器を置きながら会話に混ざる。
「中学の頃の話だよ、高校に入ってからはやってないけど」
「ふ~ん、それまたどうして?」
フライパンを取り出して何かを焼いて、答えるとその場に一緒いたマリアは首を傾げて問いかける。
「ちょっとね・・・色々あるんですよ」
どうしてかと聞かれ、少年は思いつめた表情になるとその場から逃げるように話を逸らそうと答える。
「でもどうして急に?」
「えと・・・引っ越しの時に健太さんや他のトロフィーはあったのに和雪さんだけなかったじゃないですか。その時和雪さんは合うやつが無かったって言ってましたけど」
「うーん確かに言ってたけど・・・一応合うやつっていうかなんかしっくりくる奴がなかっただけでこれだけは続けようってやってたやつはあるよ」
「へー、それじゃあなにやってたのかしら?あっ良い香りね」
エルフナインの疑問に答えてるとマリアも気になって少年に近寄り、その時に漂う香りに気づく。
「ソフトテニスですよ。あっ今日のご飯はかに玉ご飯です」
「わぁ・・・おいしそうです!」
「今日もすごいわね・・・とても美味しそう」
「お褒めにあずかり光栄でございます」
完成した料理に二人は舌鼓を打つ。
出来上がった料理を運んでくるとその香りにつられてもう一人やってくる。
「何やらいい香りがしてきたと思い、起きてみれば美味しそうな朝食が出来上がってるではないか」
「おはようございます、翼さんちなみに今は真昼間でございますが?」
「・・・え?」
扉を開けて眠気眼でやってきた翼に挨拶をして時計に指を示すと、翼は目をパチクリさせてから時計に目をやるとようやく自分が起きた時間に気付き顔を赤くすればすぐさまに同室のマリアの方に視線を向けて起こしてくれなかったことに対しての講義を開始する。
「どうして起こしてくれなかったのだ!」
「起こしたわよ、でも貴女「もう少し・・・ムニャ」って言いながらそのまま寝ちゃったじゃない」
焦って講義するも直ぐにマリアに返されてしまい、マリアはご飯を食べながら少年の方に質問する。
「どう思う?この剣・・・」
「もう防人のさの字も感じられないただの女の子ですね。本当にアイドルやってまし「ふん!」ぶるぁぁぁ!?」
腕を組んでウンウンと頷いて答えると渾身の腹パンをもろに受けて床に転がる。
ピンポーン・・・
床に転がっていると誰かが来た知らせを受ける。