雪音クリスがやってきた   作:白黒犬カッキー

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53話 聞いてしまった

「残るってお前・・・本気で言ってんのか?」

 

響の発言に驚いたクリスは少し落ち着いてから問うと響は頷く。

 

「正直自分の世界に帰りたくないって言うなら嘘になるけど、和君のいるこの世界も悪くないと思ったんだ」

 

クリスはそれを聞いてその手があったかと思い始める。少年には以前クリス達がいなくなった後の話をしていて少年をこちらの世界に連れていこうと思っていたが拒否されてしまったが・・・逆にこちらに残れば少年と居られるということに・・・少年の横に居る自分の姿を想像するとクリスはハッとなにかに気づく。

 

(なんでアタシも居ようと思ったんだ?アタシは・・・アタシの世界があるのに)

 

少年の隣にいる自分の姿を想像し表情が綻んだ事にクリスは自分で気づき直ぐに首を横に振って響を見る。

 

響は両手で温泉の水を掬い上げて水面に写る自分の顔を見ながら更に答える。

 

「でもよくわからないんだけど最近和君・・・変な時があるんだ」

 

「変な時?」

 

響の表情が曇り、答えると未来が反応する。

 

「うん、今日の海でも見れたんだけど・・・和君の胸元辺りに変な痣が見えるんだ・・・すぐに消えちゃうけど」

 

「胸元?・・・」

 

「そうそう、確か心臓辺りの位置に・・・」

 

そう言って自分の胸元辺りにこれくらいの大きさを見せようと野球ボールぐらいの大きさを作って見せる。

それを見た未来は思い出すように「あっ」と声を上げる。

 

「確か和雪君って変なのが心臓部分にあるってエルフナインが言ってたよね?」

 

「心臓部分・・・」

 

クリスが呟いてから考えた。

これ以上の会話は何かまずいような、後ろにいる少年が居るのにこの会話を続けて良いのだろうかと。

確かにクリス達を呼んだのは少年だったのだがクリスと響がこちらに来たとき少年は特に変わった様子は無かった。強いて言うのであればどちらも一緒に寝ていたくらいである。

だがマリア達が来たときは少年の身体に異常が起きていたのだ。

今思えばあれは容量の問題だったのでは?とクリスはそう推理していた。もし彼が一度の力を行使する時容量があり人一人分呼び出す程度なら問題はないとが大人数を呼ぶ際に身体に影響を及ぼすんじゃないかと。

 

「なっなあ・・・!?」

 

「え?・・・きゃぁ!?」

 

「うわ!?」

 

クリスがそう言って立ち上がるのと同時に後ろのほうで大きな水飛沫があがりその場にいた3人に温かい水が降り注がれる。

 

「なんだ・・・今の・・・」

 

突然起きた出来事に3人は同時に同じ方向に向いて見るがそこにはなにも無く普通の景色が写っているだけ・・・

 

 

 

少年の姿が何処にもいない

 

 

 

 

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