雪音クリスがやってきた   作:白黒犬カッキー

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55話 黒い雪音クリス

『…い…ろ!…起きろ!』

 

「…うぅん」

 

 

何処からか聞こえるキャロルの声に少年はようやく目覚め起きあがると横でずっと少年を呼んでいたキャロルが起き上がる少年を見て頷く。

 

「良かった…目が覚めて」

 

「あれ…なんで俺、此処にいるんだ?」

 

安堵するキャロルに目が覚めた後軽く頭を押さえる。

突然起きた事に理解が追い付かず、辺りを見渡していると少年は砂浜にいることに気付く。

 

「確か、あの時…」

 

『おい、目が覚めて思い出そうとするのは大事な事だが』

 

少年が先程起きた事を思い出そうとするとそれを止めるかのようにキャロルに言われキャロルのほうを見ると何処か別の所を見ているのかある一点を見つめていた。

 

「…どうした?」

 

『…あれは、お前は知っているか?』

 

「あれ?…!?」

 

キャロルが指を示した場所を見ると海面の上に黒く細長い何かが立っていた。

 

「見るからにあれやばそうなんですが!?」

 

ゆらゆらと揺れている黒い何かを見た瞬間、ゾワリと身体中に悪寒を巡らせ直ぐに危険な奴だと思えば直ぐに逃げようとキャロルを見るが...

 

『な…に!?』

 

「キャロル?…!?」

 

驚くキャロルに少年は声を掛けるが、その瞬間少年は固まったように動きが止まった。

感覚で気付いてしまった。それがもう近くまで来ていたことに。

 

「…っ!(動けない…)」

 

離れないといけないということはわかってはいるのだが、金縛りにかかっているのか身体を動かすことができずにいる。

 

「…」

 

黒い何かは動かない少年を見ると黒い身体から触手のような物が伸びてきて少年の額に触れる。

 

バチィ!

 

「アッァァ!!」

 

『和雪!…グゥ!?』

 

額に触れた痺れるような感覚に襲われ共に感覚を共有しているキャロルも同様の痺れを受ける。

 

「アッアァァ!」

 

[…これ何?]

 

[コレはね・・・様の物だよ君にあげるから食べていいよ]

 

『クッ…これは…?』

 

叫びをあげる少年の中に何かが入ってくるのを感じたキャロルが見たのは暑そうな場所で二人の子供の姿が見え、何処となく見た事のあるような少年に何かを食べさせようとする女の子の姿が見えそこで映像が途切れると先ほどまで叫びをあげていた少年が静かになっていた。

 

「アッ…ウ」

 

膝を付いては少年が虚ろな目をしては口を開いて黒いそれを見ていた。

 

『おい!しっかりしろ!』

 

キャロルが少年に声を掛けるが気が抜けた表情で黒いソレを見ている少年は何かを呟いている。

 

「…俺の記憶から何か持って行った…」

 

『!?』

 

少年の動いた口から読み取た瞬間にキャロルが黒いソレを見ると少年の額から触手を離して後ろに下がると黒いソレの身体が突如としてうねりだす。

 

『何が起きて…!』

 

「…!?」

 

うねりだしたそれはやがて人の形になり少年の前に現れると二人はソレを見て、目を見開く。

 

目の前にいるのは少年より背が低いが低い割に目立つそのでかい胸、そして伸びた黒髪にダブルウルフの髪型。

その姿を見て少年はゆっくりと口を動かす。

 

「クリ…ス?」

 

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