雪音クリスがやってきた   作:白黒犬カッキー

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69話 少年の告白…消失

「…あっ」

 

一瞬。

 

自分が何を言ったのか理解するには上等な時間が過ぎ気付くときには顔を真っ赤にして染めていた。

 

「…え?クリス…今のって」

 

「…えと…その」

 

少年の驚いて発したセリフにクリスは後ずさってしまった。

それもそのはず、先程の響の告白の後でしかも少年の思いを聞いた後だ。

正直言ってズルすぎる。

 

「…俺の事、好き…なのか?」

 

少年もあまりの事に思わず質問する。

クリスは、少年の質問に対して逃げる事ができなくなってしまった。

こうなってしまってはヤケだ。

 

「…ホントはもっと後に言うべきだと思ってたんだ。お前がアタシ達の事を元の世界に戻したがってる事だって」

 

「…」

 

「夢で見ちまったんだ、もうひとりのアタシがお前と一緒にいる夢を」

 

「それってもう一人のクリス?」

 

少年の問いにクリスは黙ってうなずいて続ける。

あの時黒クリスに言われた事、夢のはずなのにリアルな感覚そして、彼に対する思い。

 

「俺と黒いクリス…」

 

「あれを言われてからアタシ、気付いちまったんだよ。お前がいないと、隣にいてくれないとどうにかなっちまうかもって、…だから」

 

「…」

 

俯いたクリスの言葉を聞いて少年は自分の胸を静かに当てる。

 

「アタシを…この世界に、お前と一緒にいても良いか?」

 

言った。

 

言ってしまった。もう引き返すことはできない。後は彼の返答を…

 

「好きだ…」

 

「…」

 

だが数分たっても少年の言葉は帰ってくることはなく代わりに何かが倒れる音がその場に聞こえてきた。

クリスは音の聞こえた場所、少年がいた場所を見る。

 

「…ッ…」

 

自身の胸をきつく締めあげて苦しんでいる少年が居た。

 

「…頭が…痛い!」

 

強い痛みが少年の身体に走り出し、思わず目をつむると同時に脳内になにかが映り込んでくる。

 

見覚えのある蝋燭の明かりだけで照らされている薄暗い部屋。

 

周りにあるセンスの悪い置物と足元にある魔法陣のような物。

 

そしてそこに立っていた少し背の低い自分の姿ともう一人…その魔法陣の上に横たわっているもう一人の子供の姿を見て何かを呟いている自分の姿が見えそれを最後に少年の意識は引き戻される。

 

「おい!!しっかりしろ!」

 

「…ぅぁ?…クリス?」

 

「…大丈夫か?」

 

「…あぁ。大丈夫だよ」

 

「……」

 

心配そうに見つめてくるクリスに少年は大丈夫だと笑顔を見せ、ユラリと立ち上がる。

 

「そうか…」

 

「あっクリス…さっきの事なんだけど…」

 

「…!」

 

少し息を整えて、少年は先程見た景色を見て考えるとクリスの方を見るとクリスはビクッと身体を震わす。

少年の雰囲気が変わったのかとても大人しく感じる。

 

「ありがとう。俺もクリスの事好きだよ」

 

「ほっほんとか!?」

 

「うん。…でも……よ」

 

「……え?」

 

少年の言葉にクリスは目を見開く…クリスの目に映る少年の瞳が…

 

「…だから…」

 

そして水族館の照明が突然全て消え、再度点灯する。

 

突然の出来事に周りの客たちもソワソワしており、店員も原因を探っていたがクリスだけは違うところを見ていた。

 

「……和雪?」

 

目の前にいた和雪が忽然と消えたのだ。

?????

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