「それでお兄さんは日本から此処に…」
「まあ…うん。そうなるね」
あれからセレナと行動を共にする事になった少年は歩きながらここまでの経緯を説明していた。
「でも姉さんも無事で良かった」
此処に来たのにもかかわらず姉であるマリアの事を心配していてその様子を見て少年は少し安心したのか微笑む。
「まあきっとみんな無事だろうし、大丈夫だろう。...たぶん」
「たぶんなんですか…」
少年の一言でセレナはエェ…っと呟いて少年をジト目で見つめている。
「だって皆向こうで世界を救ってるんだぜ?きっと大丈夫、やっていけるよ」
ギアを纏えるかは別として。
「あっ一度飲み物買おっか。ちょうど近くにデパートが…」
そろそろ歩い疲れてきたので休憩しようと提案してそのデパートのある方向を見るがそこを見て目を見開きずっとその場を見つめる。
「?…どうしたんですか?」
その場から動かなくなった少年を視線の先を同じように見るとそこに見えたのは少年が先ほど言っていた立派なデパートは無く、大量の瓦礫によって崩れてしまい廃墟と化した元デパートだったものがそこにはあった。
「…あぁ、そういえば此処だったな」
「…お兄さん?」
小さい声でなにかを呟いてそれに気付いたセレナが少年の方を見ると寂しげな顔になってその場所を眺めていた。
「ごめんデパートはこっちじゃないみたい。たぶんあそこにあると思うからそっちに行こう」
「...はい」
しばらく眺め続けた後少年は勘違いだったと謝り違うところに行こうとセレナの手を引いて連れていこうとする。そしてその手を引く少年の顔をセレナはずっと見ていた。
「(あそこにあったのって、もしかして崩れる前はデパートなんじゃ…。でもなんであんな寂しそうな顔したんだろ)」
もし彼女が彼に聞けば素直に答えてはくれるだろうだが、聞いてはいけない、踏み込んではいけない気がして彼女は大人しく手を引かれて行き違うところに連れていってもらうことにする。
所々崩れかけている廃墟デパート。そこには一台のボロボロになった日本製の車イスがあり、そしてその車イスには大木と書かれた名字が刻まれており名前には和雪と書かれていた。そしてその近くに一人の人影が二人を見ていたのだが二人はその視線に気付くことなく進んでいく。l
「わぁ…この飲み物凄く味が濃い!」
「以外にこうゆうシロップ多めの飲み物ってクセになりかけるんだよね。まあ俺はやっぱり普通のコーラが良いと思います」
その後二人は飲み物を買って喉を潤してもう再度出発していた。