この世界で生まれた私に血のつながった親はいなかった。
殻を破って外に出たとき周りの生き物たちは私を見て怖がっては私から逃げる物もいれば私を攻撃する者もいた。
そんななか出会った貴方は私の事を怖がらずに頭を撫でてくれた。
私と貴方は姿が違っても怖がらず一緒に遊んでくれた。
猛獣に襲われる時も一緒に逃げたりした。
決まった時間に彼は帰ってしまうが、また決まった時間には会いに来てくれていた。
それだけで私は満足だった。今までの事が忘れてしまうくらいには幸せだった。
いつしかそれは貴方の事が大事に思うようになって私が彼より大きくなった時猛獣から彼を守るようになった。
この大きさなら今までの猛獣も丸呑みすることだって簡単だ。
ずっとこうしていれば彼と一緒にいられる…そう思っていた。
そんなある日、貴方は親がくるから隠れてほしいと言ってきた。
私と彼は容姿が違うからと親にバレてしまったら大変なことになると。
必ず迎えに行くと。そんな貴方の言葉を信じて私は初めて会ったあの場所で隠れ、その扉を閉めて彼の迎えを待った。
大好きな貴方の言葉を信じてこの部屋に入ってから私は待っていた。
いつになったら私は此処から出られるの?
こんな暗くて狭い部屋から早く出たい。
またいつもみたいに貴方と遊びたい。
貴方を愛したい。
だから早く。
……出たい出たい出たい出たい出たい出たい出たい出たい出たい出たい出たい出たい出たい出たい出たい出たい出たい出たい出たい出たい出たい出たい出たい出たい出たい出たい出たい出たい出たい出たい出たい出たい出たい出たい出たい出たい出たい出たい出たい出たい出たい出たい出たい出たい出たい出たい出たい出たい出たい出たい出たい出たい出たい出たい出たい出たい出たい出たい出たい出たい出たい出たい出たい出たい出たい出たい出たい出たい出たい。
嘘つき
こんなにも貴方を愛したのに。
こんなにも貴方を愛おしく思っているのに。
早く私を見つけてほしいのに。
それでも貴方は来てくれなかった。
だから私は外にでたの。
全く来てくれない貴方の為に私はこの部屋から出るわ。
でも安心して。
これぐらいの事で怒ることはないし貴方のことは嫌いにはならないわ。
ちゃんと貴方の好きな子になれるよう頑張るから。
貴方の求める物になるからだから待ってて。
今度は私が見つけるから。
その時は待っていた分しっかり愛し合おうね。
そして部屋にいた彼女は溶けるようにその場から姿を消し、彼のいる場所に出現する。
あれ?此処はどこだろう。
あの人はいないみたいだけど…
…あの二人の男女…とても美味しそう。
ちゃんと気付かれないようにそうっと…えい。
いただきます。
……うん、美味しい。