あれから一度も学校でわたしを出せず、オレ達は中3になった。今日が始業式で体育館の集まりはサボったけど、教室ぐらいはと思って出席中。自己紹介とかやってるけど、聞いてないけどね。というか、必要なの?オレの……っつても、片割れの方ね。オレの友達はみんな同じクラスだよ。まぁリボーンとヒバリさんが手を回したんだろうけど。
そういや、ヒバリさんとの追いかけっこはどうなるんだろうね?相変わらずあの人は年齢不詳だけど、オレの記憶では学校に来る回数は減ってたはず。や、よく居たけど。以前と比べたらって意味ね。気付けば、風紀財団が出来てたから忙しいと思うんだけどなぁ。まぁいいや、なんかあったら電話かかってくるでしょ。
そう、オレの方は少し変化があって、ケイタイを持つことしたんだ。いきなり人と接触を増やすのは無理だなと思ってさ。というか、連絡先交換しただけでリボーンからストップかかったんだよ……。
だからそんな返事かえさないことにしてる。みんなもわかってたみたいで、写真とか送ってくるぐらい。ハルが一番マメだね。オレが必ず写ってるから、わたしは嬉しそうだよ。流石ハル、わかってると思ったね。
電話はヒバリさんが一番多い。何度も用もなくかけてきたら着信拒否したけど、良い食材が手に入ったみたいだから食べに行かないと誘われるんだよ。あとはケーキくれるって言うからさぁ。……や、違うからね。わたしが食べたがるんだよ。あの子、貰えるものは貰う主義だから。最初はわたしが食べて途中で交代するか最後までずっとわたし。オレは拘りはないからね、ファーストフードとかも好きだし。ケーキはわたしが母さんと一緒に食べたいみたいでね。釣れてるのはわたしの方だから、追いかけっこは終わらない……。
次にかかってくるのは白蘭。ちょっと鬱陶しいから途中でよく切るけどね。それでも着信拒否しないのはこのケイタイを用意したのは白蘭だから。お前もオレらに貢ぐのかよと引いたけど。まぁあいつ曰く、こうでもしないと連絡先交換してくれないからだって。聞いた瞬間に、だろうねと思ったもん。だって交換する予定の人物に入ってなかったし。もちろん正一君が改造してくれたものだから安心安全。
骸とXANXUSからは未だ何一つない。ちゃんと教えたのにね。リボーンがストップするわけだ。わたしが悲しいだけだもんね。まぁちょっとは楽しみが増えたみたいだから良かったけど。……というか、オレより楽しんでるかも知れない。オレ、白蘭の相手してるだけじゃん。え、おかしくない?
「ソラ」
「ん?」
「ソラの番だよ」
「え?オレもすんの?この学年でオレのこと知らない人は居ないでしょ」
「そうだろうけど……。せっかくだからやろうよ」
主席番号順だから後ろに居るオレに言われ、渋々立ち上がる。
「……なに、言ったらいいんだっけ?」
聞いてなかったの!?というオレにツッコミをされつつ、名前と趣味と特技でいいんじゃない?とアドバイスをもらった。
「えーと、沢田ソラ。趣味はヒバリさんとの追いかけっこ?特技は……ヒバリさんから逃げ切れること?」
「ヒバリさんばっかりじゃん!?」
「や、だってさ。オレ、学校だとほとんどあの人から逃げ回ってるぐらいじゃん。授業もちゃんと聞いてないし」
君のためでもあるんだよ?と見れば、オレが真剣にやったら自分のハードルがあがるから何も言えなくなったね。
「あーうん。後、二重人格だから。彼にべったりしてる時は今以上にほっといてね」
オレにキラキラした目で見られたよ。オレがまだ諦めてないって宣言したからね。軽く頭を撫でて座ろうとしたら、わたしもすると言われて驚いた。
「ちょ、ちょっと待って、入れ替わるよ」
「ええ!?」
「出てくる気になったみたい」
オレが腕を広げて待ってくれてたから、わたしはそこに飛び込む。
「ソラ!」
「ふふっ。自己紹介するんでしょ?だったら、わたしもした方がいいかなって」
「うん!うん!」
「わたしも沢田ソラね。趣味はお手入れかな。もう一人のわたしは適当なんだもん。ちゃんと磨いてくれないから、いつもわたしがするの。まぁ楽しいからいいんだけどね!それで特技はね、それを使っての暗さ、っ」
慌てて入れ替わって、口を押さえたけど遅かったよ……。オレにガクガク揺さぶらてるし。特技が暗殺って何!?って視線を向けられてるし。というか、手入れってメスのことだったのね!オレ、美容関係だと思ったんだけど!
……オレ以外にも気付いた人がいたみたいで、磨いてるのは凶器なの!?という視線もきたよ。だってわたしの自己紹介でしょ?じゃないよ!絶対わざとでしょ!オレが力なく項垂れたら、オレも不憫に思ったのか揺さぶるのはやめたよ。そのかわり、すげー縋ったような目で見てくるけど。え?オレ一人でなんとかするの?無理だよね。
……助けてください、すみません。
「えーっと、うん。一般人には手は出さないから、安心して」
「開き直っちゃダメだから!!」
「だってもう手遅れじゃん。それに最近はやってないし。変なの来ても、ヒバリさんが咬み殺しちゃうんだもん」
「なんで残念そうなの!?というか、ヒバリさんも何してんの!?」
「あの人、並盛の風紀に命かけてるから」
それでみんな納得してくれた。でも本当にそうだよね……。だから今までオレが処理してたことを知った時、すげー怖かったもん。大量にある監視カメラが有効活用されて、今では超一流ぐらいしかオレんとこまで辿り着かない。……やっぱ、あの人どこ目指してるんだろうね?おかげで助かったけど。
有耶無耶にしたオレは席に座る。あー疲れた。ヒバリさんの力を借りてなんとかなったよ。今日は途中で見つかってあげよーっと。
わたしが出てきた時に立っていたから、そのままオレの自己紹介に。
「えっと、沢田綱吉です。趣味はゲームかな。音楽ゲーとか落ちゲーが好き。特技はないかなぁ。っと、そうだ。ソラに手を出したら……わかってる、よね?」
「君も物騒だな!?」
ちょっとマフィアのボスっぽかったよ!?普段と違いすぎて、シーンとなってるじゃん。
「言っとくけど、オレは誰も認めてないんだからね!ヒバリさんも、XANXUSも!!食事とか行き過ぎだよ!」
「今更!?」
「ソラは自分が強いって過信しすぎなの!男は狼、ううん、ケダモノなんだからね!」
「……その理屈なら君もだけど」
「オレはそんな勇気ないもん。けど、あの2人はどう考えても肉食系じゃん!」
まぁそれは否定出来ないね。
「あーもう、すげー心配なの!わかる!?ヒバリさんはまぁまだわかりやすいからいいけど。や、良くはないけど。あいつ……XANXUSはほんと何考えてんの!?」
「それはオレもサッパリ」
「ダメじゃん!」
そう言われてもね。わかんないものはわかんないし。というか、あの2人は熟年夫婦の域だよ。めんどくさいから教えないけど。
「つーか、君はちょっと前にホテルで会ったんじゃないの?ディーノさんにオレも一緒にってご飯誘われたけど断った時にさぁ。あの時どうしたの?」
「……あいつ、ほんと何考えてるんだろうね。オレ、ソラと双子なんだよ!?すげー殺気送ってくんだけど!!」
「そりゃXANXUSだもん。双子だからって、仲良くしようとかありえないでしょ。それぐらいオレにもわかる」
「そうなんだけど!気遣いとか、いろいろ欲しいわけ!」
「無理でしょ、XANXUSだよ。というか、ただ仲の良いだけの骸でもそうじゃん。この中だとヒバリさんが一番マシって時点で、そういうのは諦めなよ」
ああああ……とオレは崩れ落ちるように席についた。とりあえずオレ達の心配をしてるのはわかったから、頭を撫でてあげる。その、元気出して。クラスのみんな、オレに同情してくれてるよ。だってね、あのヒバリさんが一番マシなんだから。
「……やっぱオレはディーノさんが良いと思うんだ!」
復活はやいね。もう起き上がってオススメしてきたよ。というか、まだ諦めてなかったんだ。
「君の中でカッコいい大人ってことで、ディーノさんをススメるのはわかるけど、あの人ヒバリさんの味方だからね?」
「なんでーー!?」
「や、考えなくてもわかんじゃん。ヒバリさんは頑なに認めないけど、あそこまで鍛え上げたのは間違いなくあの人だからね。ディーノさんにとってヒバリさんは一番弟子だし、愛弟子でしょ」
そうだったーー!という表情をオレはしてたよ。このクラスにとっても衝撃だったみたいだけど。ディーノさん、一時期先生やってたもんね。あの感じじゃ強そうに見えないし。
「そんな……ディーノさんがヒバリさんの味方なんて……」
「まぁ味方って言ったけど、本当のところは心配なだけかもね。会うたびに申し訳なさそうに聞いてくるだけだよ。ヒバリさんがやらかしてないかって。前科あるし、フォローするぐらいじゃない?あの人、君にも肩入れしてるしねぇ」
「よかったぁ。というか、前科って……なに?」
怖っ。雰囲気変わりすぎ!クラスのみんな引いてるからね!?オレなんで余計なこと言っちゃったのー!?
「き、君も二重人格みたいになってるからさ、落ち着きなよ」
「ソ・ラ、話して……ね?」
無理だ、怖すぎ。最後のね?がヤバイって。ドンドン怖くなってる気がする……。
「その、ちょっと教え方が悪くって、ディーノさんがオレにペコペコと謝るぐらいのことをヒバリさんがした、というより言っちゃったんだよ。……ちょっと待った。キレなくていいから。ディーノさんにガッツリ説教されたのか、素直に詫びの品を送ってきたからね。ディーノさんからも別で届いたし。そ、それにさ、オレ自らヒバリさんに鉄拳制裁したよ!」
ほんと?とオレに目で問われ、ほんとほんととオレは何度も頷く。一応それで納得したのか、オレは落ち着いてくれたよ。よかったよかった、流石にXANXUSの前で一撃で伸して、しばらく無視ったなんて説明までしたら可哀想だからね。……やったオレが思うのはアレだけど。
オレ達双子のせいでグダグタになったけど、なんとか無事に終わったと思うよ。途中でヒバリさんが来る気配がしたからオレは知らないんだよ。まぁオレ一人なら大丈夫だよ……多分。
あ、ちゃんと途中で見つかってあげたよ。明らかに手を抜いたからヒバリさんはムスッとしたけどね。それでもオレとご飯行くと機嫌よくなるんだよね。まぁ狙われてる感じもすげーするけど。オレはもう油断しないから、いい加減諦めたらいいのにね。……やだ、だってさ。その言い方は可愛いすぎてズルくない?オレが思ってることがバレたのか、機嫌悪くなっちゃったよ。失敗、失敗。今度はこっそり楽しまなきゃ。あれ、ヒバリさんの術中にハマってない?気のせいだよね?
その日、噂をしたからなのかディーノさんが家に居た。いつものことだから聞かれる前に、何もやらかしてないよと手を振るとあからさまにホッとしてたよ。やっぱディーノさんにとってもあれはないって思うことだったんだろうね。そっち方面の信頼度はゼロだよ。
「ソラ、聞いて!」
「ん?」
「ディーノさんが旅行連れてってくれるって!家族旅行だよ!!」
オレがすげー嬉しそうな顔をしていた。あれだな、家族旅行が嬉しいのもあるけど、ディーノさんがオレの味方でもあるのがわかって嬉しいんだね。にしても、旅行ねとチラリとディーノさんに視線を向ける。
「……やっぱダメか?」
「んー……ギリセーフかな」
家族旅行という言葉が、マフィアの嫌悪感を上回ったね。まぁディーノさんが気をつかってくれなきゃ、そんな機会なかなか来ないしね。オレもわたしもクソ親父のお金で行きたくないもん。この家で住めないのはクソ親父のお金で建ってるのもあるし。いやまぁ長時間居るのがキツいってものあるんだけどね。母さんがキレイすぎて……さ。
とにかく家族旅行が実現するにはお金稼がないといけないんだよ、オレがね。裏稼業で稼いだもので母さんを連れて行きたくないし、それこそバイトしかないんだよ。バイトとなるとわたしがキツいし。内職ぐらいじゃない?そんなことしてるのがバレたら、再びポイポイ札束投げてくるね、間違いない。そしてそのお金では行きたくない。あれ?そうなるとヒバリさんもやりそうじゃない?実現不可能?
ま、まぁ……オレがオッケーを出したから、オレは超喜んでいたよ。行くタイミングはGWだってさ。それもわたしのために宿を貸し切ってくれたらしい。いつから計画してたんだろうね。それも断る可能性もあったのにね。相変わらずマフィアっぽくない人だよ。や、ガッツリマフィアだけどさ。
いろいろ準備や根回してドタバタしていると、すぐにGWがやってきた。今回のメンバーはオレとオレと母さん、リボーン、ディーノさんとロマーリオさん、以上。チビ達はどうしたかっていうと、ビアンキが気を遣ってくれたのか面倒みてくれるんだって。まぁオレはオレから聞いて知ったんだけどね。獄寺君と山本も昼間に遊んでくれるという話らしい。すげーみんな気を遣ってくれてるよ。
ディーノさんの運転で旅行に出発。もちろん助手席にはロマーリオさんが固定。じゃないと、事故る。オレらは固定せずに休憩のたびにグルグルまわったよ。リボーンとペアになった時は、なんでか知らないけどオレの膝に座ってた。それを見たオレとディーノさんが衝撃を受けてたけど。オレも気になってたから理由を聞いたら、気分だぞだってさ。そう言われると誰も何も言えなくなるのがリボーンだよね。母さんは甘えたいのねって言ってたけど。や、こいつ見た目通りの年齢じゃないからって思わず言いたくなったよ。
休憩の時に、店の前でどれに食べようかなーとうんうん悩んでたら、ディーノさんに声をかけられた。
「欲しいもんあんのか?奢ってやるぜ?」
「や、それはいいです。そこまでは世話になるのは嫌っぽいですし。それに旅行用の小遣いもらったんで」
「……誰にだ?」
「XANXUSですね」
なんとも言えないような顔された。うん、わかるよ。わたしが旅行に行くと嬉しそうに報告してたら、またもや札束がポイっと投げられたんだよ。それもわたしの話では必要な分を抜き取るのはダメで全部持っていけ、だって。おかげでかなりある。お土産買うつもりだけど、そんな高いものは置いてないだろうし、ふつーに余る。
「あ、そういえばヒバリさんすげームカついてましたよ。ディーノさんに対してですけど」
「げっ、まじかよ。オレなんかしたのか?」
「旅行中にヒバリさんの誕生日」
「……やっちまった」
でしょうねとオレは頷く。2泊3日で6日に帰宅だったからね。5日が誕生日のヒバリさんからすれば、日程が最悪だもの。まぁオレもすっかり忘れてたけどさ。おかげで超機嫌悪かった。オレだからそれですんだけど、ディーノさんは対しては知らないよ。オレはオレで機嫌取りのために食事に何度か付き合ったし。
悩むに悩んでソフトクリームに決定したオレは、ずーんってなってるディーノさんの横でぺろぺろ食べてた。それをオレが見つけて、何があったの!?って叫んでたよ。オレは何もやってないよ、ディーノさんがやらかしただけだよ。旅行当日に教えたのはわざとだけど。だってすげー機嫌取るの大変だったんだもん。
いろいろと覚悟を決めたらしいディーノさんの運転で、無事に温泉街にたどり着いた。温泉、温泉とわたしと母さんはウキウキとついてすぐに家族風呂に入りに行った。家族風呂なのは、貸切らしいけど温泉巡りはやってるから。夜になれば時間外になって完全貸切になるから、その時に行くことにしたの。もう1人のわたしは夜でいいんだって。母さんと狭い空間で2人っきりで入るのはちょっと恥ずかしいみたい。
ふふっ、いい湯だったねと母さんとわたしがさっぱりして、家族風呂のところから出たらクロームと会った。お風呂グッズを持ってたから温泉巡りにやってきたのはわかるけどさ。わたしがなんでここに居るの?と首を傾げてると、クロームが説明してくれた。
「フランも行きたいと言って、骸様が連れてきてくれたの」
「……骸も居るの!?」
「骸様は多分お土産屋さんに居る」
「チョコ!」
コクンはクロームが頷いた。骸は温泉よりもそっちだもんねとわたしも何度か頷いた。って、こうしては居られない。多分骸はわたしのためにも来てくれたんだよ、絶対。わたしが眠れるかなって不安そうに言ったから。
「母さん、友達と会ってくる!」
「よかったわね。母さんはゆっくり行くわ」
「うん!」
わたしが走る気だったからね。そりゃ母さんはゆっくり行くよね。ってことで、こっちだ!とわたしの超直感を頼りに走る。ただちょっと嫌な予感がするんだよねともう1人のわたしとも会話する。なんでだろうね?
「んなーーーーっ!?」
さすがオレ、こういうフラグは確実に回収するよね。なんて思いながらもテンションは最高潮。なんか凄い音したし、叫び声も近かったし、慣れ親しんだ殺気も渦巻いでるからね。ほら、後ろ姿が見えた。あの特徴的な髪型は間違いないよ!
「むーくろっ!!」
骸に一直線だったわたしは、掛け声と共に飛びついた。わたしがいつもと違った感じに呼んだからか、骸も気づいてくれたみたいで振り返ったよ。だから結局いつもみたいに正面から抱きつく感じになった。
「……ソラ」
「骸、大好き」
ぎゅーっと抱きつくついでに、スリスリと頬をふっつける。
「僕は振り向きたくないと今ほど思ったことはありません」
「ん?」
なんか変なのっと思いつつ、抱きついたまま後ろを覗き見る。
「…………悪い、骸」
「まったくです」
だよな、いくら骸でもこれは嫌だよな。オレも今まで何度も押し付けられたことあるけど、これほど嫌だと思ったことないよ。……オレが居るのはわかってたよ、声が聞こえてたしさ。問題はさ、なんでXANXUSとヒバリさんが居るのって話なの。や、一応泊まる日と場所は教えたよ。けど、来るとは思わないじゃん。
わたしは骸にしか不安だって言ってないよ。もちろんオレもヒバリさんには言ってない。え?もしかしてXANXUS察してきちゃったの?まじで?あ、わたしがそうかもって肯定しちゃったよ……。じゃ、ヒバリさんは?この人が並盛から離れるなんて思わなかったんけど。えっもしかして誕生日?あんな機嫌取ったのにまだ諦めてなかったの!?
というか、そりゃオレも叫ぶよな。状況的に交差点でバッタリこのメンバーが会ったっぽいし。オレだって叫びたい。ちなみにXANXUSはヴァリアーのみんなが揃って来てて、引き攣った顔してる。そしてオレも怖い。ディーノさんも引き攣った顔をしてた。この2人は大好き発言が一番まずかった。ヒバリさんはオレに変わったことに気づいたからか、機嫌最悪になった。まだ抱きついたままだもんな。
そーっと覗き見るのをやめて、どうする?と骸と目で会話する。お前らだけでも逃がそうか?と。まだ視界に入ってないけど、多分犬と千種もいるはずだし。あいつらも多分引き攣った顔をしてる。けど、骸は結構ですという風に目を伏せたよ。……お前、ほんと良い奴。さっきだって、抱きつこうとするわたしを避けることだって出来ただろうに。
とりあえず、何事もなかったようにオレは骸と離れてみた。これだけでヒバリさんは少しマシになるはず、なってほしい。
「ソラちゃん、この方がお友達?」
「「母さん!?」」
オレと声がそろったよ。そうだった、ゆっくり行くって言ってたじゃん。母さんのおかげでオレがいつもの雰囲気に戻った。そして友達発言もよかった。母さんは救世主かもしれない。
「えっと、そう!友達の六道骸。オレもわたしも仲良いんだ」
「まぁ!2人のソラちゃんと仲良いのね!これからもソラちゃんと仲良くしてくださいね」
「ええ、もちろん」
とっても好青年で爽やかそうな骸がいたよ。オレは思わず驚愕の視線を向ける。これしかありませんでしょう?と目でかえってきたよ。そりゃそうだ。
ピリッと殺気が届いて、オレは思わずヒバリさんを見る。え?目で会話したのもダメだった?や、嫌なのはわかるけど、この場合は仕方ないと思うんだけど……。
「こちらの男の子も友達?」
「えっ、あ、うん。ヒバリさんだよ。オレがすげー世話になってる人。わたしも結構世話になってるかな。ほら、よくわたしに母さんと食べればって、ケーキくれる人だよ」
「あら、男の子だったのねぇ。ふふっ、母さんに話すの恥ずかしかったの?」
母さん、すげー。今一瞬ヒバリさんの機嫌が悪くなったけど、コロッと良くなったよ。いやまぁオレが動揺して頬が赤くなったのもあるんだろうけど。
「おい」
「うぇっ!?……ああっ、そうか!わたしがすげー世話になってるXANXUS。オレも世話になってるよ、うん」
ヒバリさんの時と違って、オレは生活費だけだけどね。他はなんも思いつかない。そう思うと、ヒバリさんはどっちもちゃんと相手してくれてるんだなぁ。他にないのかって視線がヴァリアーのみんなから届くんだけど、ないものはないよ。生活費はありがたいけど。あいつ、オレの機嫌とったことないじゃん。
「ふふっ。もう一人のソラちゃんが急に大人っぽくなったのがやっとわかったわ」
今度はわたしがテレたみたいで、頬が熱くなった。ただ、お前のその当然だみたいな態度はどうなの?わたしと母さんが気にしてないからオレはいいけどさ。
「ちょっと待ったーー!母さん、受け入れちゃダメだって!こいつら、みんなヤバイ人達からね!?」
オレよ、思っててもそれを母さんに言っちゃダメだって。そんなこと言ったら、母さんが何言うか決まってるじゃん。
「こら、ツナ!ソラちゃんの大事な人達なのよ、仲良くしなさい!」
「え゛っ。こいつらと……?」
母さんに言われたオレは1人ずつ順番に見渡して、無理だ……って顔に書いたね。オレもそう思う。そして各々もオレの反応を見て当然というような顔をしたよ。この空気どうすんの……となったところで、リボーンがひょっこり現れた。え、お前このタイミングで出てくんの。
「ママン、心配すんな。こいつらこう見えて仲良しだぞ」
「あら?そうなの?」
「そうだぞ。ツナとソラは双子だからな。ツナは仲良くするのが当たり前だと思ってるし、向こうからも仲良くしようとするのが当然の流れとツナが言ってたからな」
……うわぁ。みんな、視線が集まったね。殺気も集まったね。すごく仲良いと思うよ。
「リ、リボーン……?」
「そんなこと言ってただろ?」
「い、言ってないよ!気遣いが欲しいって言っただけじゃん!!」
あ、これはもうアウトだな。面白いことをいいますね、どうして君に?、ドカスが。って言ってないのに聞こえたもん。
「母さん、オレちょっと湯冷めして気持ち悪くなっちゃった」
「まぁ大変!」
「ソ、ソラ……」
悪いな、オレ。優先は母さんだ。わたしもそう言ってる。
「彼は今からみんなと遊ぶみたいでさ。オレ、1人はさみしいから宿まで付いてきてほしいな」
「もちろんよ。ツナ、楽しんでらっしゃい」
「えっ、ちょっと待って。オレもそっちに……」
無理無理。この3人が逃がすわけないじゃん。ディーノさんは味方してくれると思うよ、頑張ってね。
うん、オレはしーらないっと。
作者の中ではギャク回。前の話がちょっと暗かったしね。
最終巻でツナがお見舞いに行った時ようなイメージで書きました。
白蘭がいないよ、よかったね。その代わりにガス欠状態じゃないけどね。
まぁツナは大変な目にあったけど、この後にソラも大変な目にあうんだけどね。
察してる骸は来なくていいと思ってるんで、2人に挟まれる。
あまりに酷いとリボーンが助けてくれて、好感度をちゃっかりあげる。
そして2人にはおめーら女の扱いがなってねぇぞ、みたいな感じであくまでも女だから助けたというスタンスを崩さない。
誰にも気付かせない。こわい。
書き忘れ。ちゃんとツナと会った時にXANXUSは銃をぶっ放してるよ。慌ててマーモンが幻覚で壊れたところを誤魔化しました。