僕、ポケモンになったよ!   作:滝温泉

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ゲンガー:シャドーポケモン1.5m/40.5kg
タイプ:ゴースト/どく
物影等に姿を隠す。ゲンガーが近くにいると温度が5度下がると言われる。壁をすり抜けたり他の影の中に潜んだりすることができる。
特性ふゆう:じめんタイプの技を受けない。大地が揺れたり地割れが起きたとしてもなんの影響もなく、飛んでくるどろや砂の塊等も体に影響を及ぼさない。


僕、かぐや姫に飼われることになったよ!

 

「(あ~楽だなぁ)」

 

僕は今森の中を歩いていた人の影でのんびりしてる。影の中に入れるって便利だね、潜むっていうのが正しいと思うけど。

 

「いやに寒いなあ。なんでだ?」

 

それは僕が近くにいるからだと思うよ。そういえばゴーストタイプってほとんどがたましいを取ったり命を奪ったり冥界に連れていったりするポケモンばっかだよね。もちろん僕はそんなことしないけど。

 

「(あ、着いたみたいだ。ありがと知らない人)」

 

「あ、寒気が消えた」

 

ばれないうちにささっとその人の影から脱出。町の人を驚かせるのもあれだから馴染みやすい姿で見学することにした。僕が変えた姿はピンクと肌色の毛の子猫、エネコだ。

 

「ニャー」

 

あ、エネコもちゃんと発音できる。……ただの猫だね、うん。だってこねこポケモンだもんね当たり前だよね。

 

気をとりなおして、町を見学するぞー!

 

 

 

 

 

 

……大変なことがわかっちゃった。あれから三十分くらいテクテクと歩き回って町をうろついたけど、この町は僕の知ってるような町じゃなかった。

 

ちょっと前に見たお兄ちゃんの教科書に載っていた町並みそっくりだった。あれは確かなんとか時代って書いてあって今よりも何年も前の…………。

 

……わかった。ここがどこなのか。ここはたぶん僕の住んでいた時代よりも何百年も前の世界なんだと思う。町の人たちみんな着物だし、子供たちに追いかけられるし、みんなじろじろ見てくる。昔にだって猫くらいいるでしょ!?

 

「……ニャー(……これからどうしよう)」

 

人里に来たのはいいんだけど、これから何をすればいいのかさっぱりわからないよ。人間の姿になれないんじゃ前みたいに生活は出来ないし、僕だってできれば野宿なんてしたくないし………あ!

 

そうだ、動物として生きてみよう。

 

何を言ってるのかわからない?つまり、人として生きられないなら逆にこの姿を利用してペットとして暮らしてみようってわけさ!犬とか飼っている人もいたし、構わないよね。

 

でも飼われるんならできるだけいい家がいいなあ。貧乏な家じゃご飯も食べれないし。

 

そしてそこでまた僕は思いついた。この町に流れている「絶世の美女」という噂があったことを思い出した。

 

あそこに住ませてもらおう!とね、我ながら恐ろしいほどの頭脳だよふふふふ。……物珍しい生物だけど大丈夫だよね?まあきっと何とかなるさ、というわけでそのお屋敷にレッツゴー!

 

 

 

 

 

 

 

「ニャン♪」

 

というわけでやってきたよ!この町一番のお屋敷にね!噂によればここがそのお屋敷の筈。とりあえず中を探検するぞー。

 

俊介side end

 

町のとあるお屋敷、昔の構図で造られながらもそれはしっかりとしておりある意味現代よりも素晴らしいものだと言えるだろう。そんなお屋敷の廊下に潜む一匹の子猫いや、エネコ。佐藤俊介。

 

「ニャンニャニャーニャー♪」

 

彼はテクテクと愉快なステップを踏みつつ廊下を歩き回り、人が通り掛かるとこそこそと壁に隠れるという行為を繰り返しながらお屋敷をうろついていた。尻尾がよく揺れている。

 

彼の考えいわく、この家の家主さんに会わなくちゃ許可もらえないからその人に会うまでは見つかっちゃだめ。とのこと。

 

「ニャッ」

 

三人の女中がエネコの方へ近づいてきていた。エネコは咄嗟に襖部屋の中に入り込み、女中が通りすぎるとニャー♪と可愛いらしい鳴き声を出し再び廊下へ出ようとする。ミッション成功だ。

 

がしっ

 

「ニャッ!?」

 

だがそうは問屋がおろさなかった。エネコは後ろから腰を両手で掴まれ抱き抱えられた。エネコを掴んだ犯人は抱き抱えたまま部屋の襖を閉じ、部屋の奥に連れ込んだ。

 

「……ニャー、ニャ!」

 

腰を掴んでいた手が離れたと思うと今度は前向きに掴まれる。エネコを掴んだ犯人はエネコの顔を前から見る。同時に犯人の姿はエネコからも見えることになった。

 

エネコが見たのは艶のある黒髪と大きく透き通った瞳、白く綺麗な肌をし着物を重ね着した美女だった。

 

エネコは思う。「あ、この人が絶世の美女なんだ」と、自身の回りにはこのような美女がいなかったために緊張してしまったエネコは行動不能になり笑顔のまま首をカクンと横に倒してしまった。それを見た美女は……。

 

「………カワイー!」

 

「ニャン!?」

 

エネコを思いきり抱き締めた。多少膨らんだ胸にエネコの体が埋め込まれる。これがマンガなら美女の上にはハートがいくつか浮かんでいるだろう。

 

文字通り、愛撫でられエネコを抱えた美女は家主であるおじいさんとおばあさんのもとに行きエネコを飼いたい!とせがんだ。ニャーと鳴き微笑むエネコを見て二人は許可を出したという。お屋敷の近くには腕の立つ陰陽師がいたらしいがエネコから妖力が感じられなかったため問題が起こることもなかった。

 

こうして佐藤俊介(エネコ)はかぐや姫のペットとなった。ただ、息ができず気絶していたのでそれが判明したのは後日だったが。

 

 




エネコ:こねこポケモン0.6m/11.0kg
タイプ:ノーマル
動くものをつい追っかけてしまう。自分の尻尾を追いかけて同じ場所をグルグル回る。
特性メロメロボディ:直接攻撃の技を受けると3割の確率で相手をメロメロ状態にする。同性、もしくは不明の相手には意味がない。異性に会いやすくなる。
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