僕、ポケモンになったよ!   作:滝温泉

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サーナイト:ほうようポケモン1.6m/48.4kg
タイプ:エスパー/フェアリー
命懸けで信頼するトレーナーを守ろうとする心優しいポケモン。未来を予知する力を持っており強い超能力を持っている。
特性トレース:相手の特性と同じ特性になる。ただし「てんきや」や「トレース」の特性には意味がない。相手の存在能力の一部を近づいているときだけ発動できる。


僕、成長するよ!

あれから何ヵ月か立った、僕は幽香さんとおしゃべりしたり花のお世話をしたりご飯食べたり妖怪たちとかを追っ払ったりしながら幽香さんのお家で暮らしていた。

 

でもそれももう終わり、もう夏は過ぎて秋がやってくる。そうすれば幽香さんは他の場所に行っちゃって僕も別のところに旅をすることになる。

 

でもそれは幽香さんと別れるってこと、かぐや姫のときみたいにいつかはお別れしなくちゃいけないってわかってても、心のどこかで一緒にいたいって思う僕がいる。

 

でもそんなのわがままだ。最初に決めたじゃんか、僕はいろんなところを旅するんだって、幽香さんのお家に泊まるのは夏が終わるまでってさ。

 

決めたじゃんか、約束したじゃんか、言ったじゃんか、わかってるじゃんか。なのに、やっぱり悲しいよ……。

 

『…………はぁ』

 

僕は今縁側に座って空を見上げてる。最近元気がでない、チェリムだからとかじゃなくてやっぱり幽香さんと別れることばっかり考えるから元気がないんだと思う。かぐや姫がおじいさんたちと別れる時もこんな感じだったのかなぁ?

 

『……………』

 

な~んにも考えないでボーっと空を見上げてるだけ、花たちは花びらが閉じちゃっててつぼみになってる。夏が終わるから花ももうすぐ枯れるのかな。

 

外の空気も前より冷たくなってきた。ここ最近はチェリムの姿が変わることもなくなっちゃった。日本晴れを使って晴れにしてもすぐに戻っちゃう、植物に変な影響を与えるから日本晴れはあんまり使わないことにしたよ。

 

「どうしたのこんなところで?」

 

幽香さんが僕のとなりに座る。僕はちょこんと少し幽香さんの方に近づいて話した。

 

『最近思うんだ……。もうすぐ夏が終わるんだなぁって』

 

「そうね」

 

『夏が終わったら幽香さんは別のところに行くんでしょ?秋の花が咲くところに』

 

「ええ、私は今まで季節が変わるたびに花の咲く場所に移動して暮らしていたもの。あなたも別のところに旅するんでしょ?」

 

『うん。…でもさ、やっぱり悲しいんだ。心のどこかでまだ一緒にいたいって思っちゃってるんだもん』

 

『ダメだよね僕。最初に言ったのにね、夏が終わるまでって。別れるたんびに悲しんでたらいつまで立っても変わらないのにね……』

 

「…………」

 

『でもやっぱり悲しいんだ。もう夏は終わって秋が来て、幽香さんも僕も別のところに行く。なのに、それが受け止められない僕は……弱いね』

 

「………そんなことないわよ」

 

ギュって、幽香さんに横から抱き締められる。僕はそんなことよりも、幽香さんの言ったことが気になってた。

 

「私だって寂しいもの、あなたと別れるのがとってもつらい。私たちにはそれぞれ目的がある、そうでしょ?」

 

『…………うん。』

 

「だから私たちは明日になったら別々の道を行く。あなたも男の子なんだから、シャンとしなさいな」

 

『幽香さんは、悲しくないの?』

 

「あなたほどじゃないわ、だって永遠に会えなくなるわけじゃないでしょ?割りきっていくのが大人ってものなのよ」

 

『うん。そうだよね、僕元気がでたよ幽香さん』

 

「そう、じゃあもう寝ましょうか。外は暗くなってきたしね」

 

『はーい、幽香さんは?』

 

「私は少し散歩してくるわ、あなたは先に寝てなさいね」

 

『うん、おやすみー』

 

「おやすみなさい、チェリム」

 

僕は布団に向かった。いつまでも悲しんでちゃダメだもんね。前に進まなきゃ。僕は男の子だから、だから泣かないよ。

 

俊介side end

 

 

幽香side

 

夜の花畑、向日葵たちはつぼみを閉じてぐっすり寝ていて誰の声も聞こえない。静かな風の音だけが私の耳に聞こえている。

 

「………っ」

 

悲しい。彼にはああ言ったけれど私も割りきれてなんかいない。それほど彼と過ごした夏が楽しかったのだから、割りきることなんてできない。

 

情けなかった。彼には前に進んでもらうためにああ言った、悲しそうな彼が見ていられなくて励ました。……自分の悲しみを隠して。

 

大人だからってそう簡単に割りきれるものじゃない、悲しいものは悲しいのだもの。でも彼の前で悲しむのはできなかった。私が彼の前で悲しんでしまったら、彼は私と別れるのが辛くなってしまうだろうから。

 

『花のお世話って楽しいね幽香さん!』

 

『ひゃわっ!?せ、セミが背中についたあ!とってとって!?』

 

『幽香さんのご飯っておいしいね、幽香ってなんでもできるんだ』

 

『僕から見たら幽香さんはただのきれいな女性にしか見えないよ』

 

ふと彼との思い出が頭に浮かんだ。私の作った料理を喜んで食べてくれた、初めて料理を振る舞った。一緒に花の水やりをした、会話しながらする世話は普段よりも楽しかった。途中で飛んできた虫に驚いた彼は面白かった。大妖怪と言われて恐れられていた私を純粋な気持ちで女性として見てくれた。

 

「…………っ」

 

地面にしずくが落ちる。私の眼からは気づけば涙が出ていた。悲しさを堪えられなくなって声も漏れていた。

 

今まで花としか会話せずに人間や妖怪とも親しまなかった私が初めて触れ合ったのが彼。孤独だった私を癒してくれたのも彼だった。

 

その彼が、私よりも幼い子が前に進んでいるのだから私も進まなきゃいけない。

 

「……あなたとの思い出は忘れないからね、チェリム」

 

 

幽香side end

 

俊介side

 

『じゃあ幽香さん、今までありがと』

 

「ええ、こちらこそ」

 

次の日、僕は幽香さんと別れて次のとこに向かう。幽香さんも秋の花が咲くとこに飛びたつ。

 

幽香さんには僕が姿を変えれることを話した。一度姿を他のポケモンにすると幽香さんは驚いてたけど、受け入れてくれた。最初に言ってくれてもよかったのにって言われちゃったけどね。

 

『またいつか会おうね幽香さん!』

 

「ええ、また会いましょう、俊介」

 

僕は後ろを向いて姿を変えた。長い首に大きな葉っぱの羽、首にできた果物。トロピウスになって少しだけ飛んだ。

 

「俊介」

 

『なぁに幽香さん?』

 

後ろを向かずに幽香さんの声を聞く。だって、きっと今後ろを向いたら泣いちゃうから。

 

「元気でね」

 

僕は羽ばたいた。見なくても声でわかった、幽香さんはきっと笑顔で僕を見送ってくれた。

 

今までありがとう!幽香さん!!

 

僕は今日、一つ大人になった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「(ふぅ~、疲れたあ。休憩しよっと!)」

 

あれから一時間か二時間くらい飛び続けて来ちゃった。花畑がもう見えないくらいに遠くに来ちゃったみたいだね。

 

「(一度姿を変えよう。ん~人型にしよっ!)」

 

トロピウスの首の果物をちぎった後、姿を変える。緑色のくるまった髪の毛に白と緑色の肌、胸には赤っぽいつのがあって白いスカートが風にゆられている。

 

………なんでサーナイトになったの僕?男の子だよ?あ、でもそういえばサーナイトって♂もいたっけ?

 

あ、妖怪だ。ってうわっ!また僕を食べる気!?久しぶりの女だ……!とか言ってるけど僕女じゃないよ!男の子だからね!?こ、こっちこないで!

 

サ、サイコキネシスぅぅぅ!!

 

 

あーびっくりした……。さて、早く移動しよ、充分に休んだしね!

 

「(……ん?)」

 

歩き出すと急に僕の前が突然割れて中から人が出てきた、何が起きたのかまったくわからなくって僕はただたちつくしてた。

 

「さっきの妖力は貴女のものかしら?」

 

その女性はそう言った。金色の髪にぼうしをかぶっていて、体の半分だけでてきた状態で。

 

とりあえず、僕は男の子ですからね?




トロピウス:フルーツポケモン2.0m/100.0kg
タイプ:くさ/ひこう
大好物の果物ばかり食べていたら自分の首に果物ができるようになったという。自分の意思でちぎったりして食べ与えることができる。
特性ようりょくそ:天気が「日射しが強い」状態のときに素早さが2倍になる。
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