ハッピーエンドのために頑張ります   作:黒色エンピツ

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一話:目が覚めたら実験ってマジですか?

 

「……ねみぃ。」

 

真っ白な部屋の中に数人の子供がいて、そのうち一人の少年が隅で欠伸をしていた。まあ、俺なんだけどさ。

どーもどこかの友人諸君、ザックス・フェアだ。名前の通り、FF7のキャラクターであるザックスと同じ見た目になってしまった。

異世界転生?憑依?って言うのか、目が覚めたら孤児院……みたいな研究施設にいた。

 

「二号、出ろ。」

 

「はいはい。」

 

詳しい事は知らないけど、どうにもこの施設じゃ人工的な英雄の作成を目指しているらしい。

一号のセフィロスは強過ぎたせいでここより一つ前の研究所をぶっ壊して逃亡したらしい。

実験室に着くと、拘束用のベルトの付いたベッドに寝かされ、ベルトを締められる。

 

「さて、今日も僕のための英雄になる実験を始めようか。」

 

「よっ、ウェル。」

 

白い髪にパッと見て爽やかイケメンな男、ウェル……本名は長くて忘れたが、軽くあいさつをすると頭を掴まれる。

 

「ウェル、博士ですよ。」

 

「へーへー、ウェルはーかーせー。」

 

「相変わらずの態度ですね。

今日はいつもより強めの薬を投与しますから、耐えてくださいよ。」

 

首に注射を打たれると全身に痛みが走る。

 

「ぐっ……ぎぎぎっ……!!」

 

「いつもながら悲鳴も上げずによく耐えますね。

まあ、私としてはうるさくないので助かりますが。」

 

「ほんっ……と、悪趣味……!」

 

「喋る余裕があるのでしたら、もう一本いきますか。」

 

「…………っ!!」

 

全身をナイフで刺されるような痛みがする。なんだかんだ耐えてるが、ただの意地だ。なんか負けた気がする。

 

「では、二号は部屋に戻しておいてください。

僕は他にもやる事があるのでね。」

 

ベルトを外されて、警備の男に担がれ元の部屋に戻される。

 

「づあっ……!」

 

「ざ、ザックス……!」

 

部屋に投げられると真っ先に金髪の女の子、暁切歌が駆け寄って来る。

それに遅れてマリア・カデンツァヴナ・イヴと妹のセレナ・カデンツァヴナ・イヴ、そして一番ちびっ子の月読調が来た。

この四人もこの施設で実験をしていて、俺だけ別の実験をしている。ほとんどウェルの趣味のようなもんだろ。

 

「死なないデス!?大丈夫デスか!?」

 

この中で俺が一番年上だったから世話を焼いたり、色んな事を教えたりしていた。

その中でも一番元気っ子な切歌と良く遊んでいてたからか、特に懐いてくれた。

 

「だい……じょうぶだっ。」

 

そう言いながら咳をすると血の塊を吐き出した。

マジで今までよりキッツイ薬入れやがったな。

俺はそのまま気絶してしまった。

 

 

 

 

「やあ、おはよう二号。寝起きの機嫌はどうかな?」

 

「お前絶対まともな死に方しないだろ。」

 

目が覚めると大きな実験室で起きた。すぐ横には前から用意されていた俺の身の丈よりも大きな大剣。つまりバスターソードが置いてあった。

 

「さあ、今日は最後の実験の日ですよ。これを乗り切れば自由にしてあげます。

残念ながら私は隣で別の実験があるので、後は他の方に任せます。頑張ってくださいね。」

 

笑いながらウェルがどこかに行く。絶対思ってないだろ。

 

『実験開始』

 

アナウンスが聞こえるとゲートが開いてライオンなどの猛獣が出てきた。

どーせ腹空かせたのを出したんだろ。

 

「……やるかぁ。」

 

立ち上がって剣を構えると襲いかかってきた。

 

 

 

 

「ラァ!」

 

これで何頭目だ?数えるのも面倒になるくらいには斬った。

猛獣共が警戒しているのを見ていると一瞬電気が消える。

 

「ん……?」

 

研究員達を横目で見ると慌てた風にしていた。

すると、壁が壊れて隣の実験室が見えた。

 

「なんだ、あれ……?」

 

白く巨大な化け物がいた。

 

「一体どんな研究をしていたってんだよ。」

 

「Gatrandis babel ziggurat edenal──────」

 

「歌……?この声はセレナ?」

 

こんな状況で歌ってる、あっちの実験に関係する事か?

歌い終わったかと思えば衝撃がこっちまで届いてきて目を瞑る。また目を開くと化け物がいなくなっていたが実験室は崩れ続け、その中心でセレナが顔から血を流して歌っていた。

 

「っあぶねぇ!」

 

意識が逸れた瞬間に襲って来た猛獣を一瞬で片付け全力でセレナの所に向かう。

 

「チッ、邪魔だっての!」

 

足元や押してくる瓦礫を避けつつ走るが遂にセレナの頭上に瓦礫が降ってきた。

 

「間に合えってのォ……!!リミットォ!!」

 

地面を踏み締めて前に飛びながら剣を上段に構える。

 

「ブゥレイバァーーーー!!!」

 

振り下ろした剣が瓦礫を粉々に砕く。着地するとすぐにセレナに駆け寄り、抱き上げる。

 

「セレナ!セレナ!!おい!」

 

「素晴らしい!最高の成果じゃないか!」

 

拍手しながらウェルが歩いてくる。

 

「ウェル!早くセレナを!」

 

「安心してください。もう既に手配しました。

先程の力、とても良いデータが取れました。

約束通り自由にしてあげましょう。」

 

そのまま笑いながら去って行く。

 

「では、二号の処分は任せましたよ。他の四人には実験中の事故と伝えておいてください。」

 

最後の言葉は俺の耳には入らなかった。

 

 

 

 

「セレナの一命は取り留めました。」

 

マムの一言に安堵する。良かった。

 

「良かった……そういえば、ザックスは?別の部屋で実験をしていたと聞いてたけれど。」

 

「……彼は、死にました。

実験の最中の事故だそうです。」

 

「嘘ッ、そんなっ……!?」

 

ずっと、あの白い部屋で外の事をあまり知らないわたしたちに色々な事を教えてくれて、本当の兄のように思っていた。それなのに、どうして……!

いえ、それよりも、こんな事他の方のみんな、特に、切歌には……。

後ろで音が聞こえて、振り返ると切歌が座り込んでいた。

 

「ザックス、死んだデス……?」

 

「っあ……。」

 

「あ……ぁぁぁ……ひっぐぞんなぁ、ザックスゥ……!!」

 

ぽろぽろと涙を流し始める切歌を抱き締める。

 

「切歌……。」

 

「ああぁぁぁぁぁ!!ザックス、ザックスー!」

 

悲痛な声は、ただ部屋に響くだけだった。

 

 






口調と合ってるかが一番心配です。
設定やらなんやらは一応ちゃんと色んなサイトで調べたりはしましたが違ったら教えてくれるとありがたいです。
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