アルビノ少女は自由に駆け回りたいです。   作:夢現 明

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9/8ヒント部分修正しました


アルビノ少女とダンジョン

 ログイン3日目、ナグサは噴水の石囲いに寄りかかりメイプルがログインするのを待ちながら昨日気付いた空の違和感の確認をする。

 

「…………配置が違よね」

 

 昨日ログアウトした後に家にある天文図を見て確信した。星座の位置が違うのだ。正確に言うと配置がばらばらと言うわけではない。星座の角度と位置がずれている。天体観測が好きなナグサには見逃せない。

 ならばと行動に移す。

 

「……【天体操作】」

 

 最初見たときに何に使うか分からなかった魔法である。このために用意されたであろう魔法によって星座の位置を修正する。

 動かす星座は[うしかい座][おとめ座][しし座][りょうけん座]の4星座。

 これらの星座をあと基準となる[北斗七星]の柄の部分に当たる3つの星と[からす座 クラズ]に曲線になるように[うしかい座 アルクトゥールス][おとめ座 スピカ]の角度を合わせる。それにひし形になるように[しし座 デネボラ][りょうけん座 コル・カロリ]の位置をずらす。

 そうすると見えて来るのが[北斗七星]から始まり[からす座]まで続く『春の大曲線』。スピカ、アルクトゥールス、デネボラを結ぶ『春の大三角』、それらにコル・カロリを加えることで『春のダイヤモンド』である。

 

 時間にして10分、ナグサは操作が終わると満足そうに頷いた。

 

 [スキル【星の観測者】のレベルが上がりました。]

 

「……やっぱり」

 

 ナグサもこのことを予測していたかのようにスキルの確認に移る。

 

【星の観測者Ⅲ】

 

 ・【千里眼】【星の加護】の複合スキル

 

 ・ 特殊ダンジョン【怪物の迷宮】への移動権 New

 

【千里眼】

 

 ・【遠見】【透視】の上位互換

 

 ・モンスターの弱点可視化

 

 ・4㎞まで目視可能10レベル上昇毎に500m増加

 

 ・昼でも観測した星座線を把握できる

 

【星の加護】

 

 ・一番高いステータスを2倍、それ以外を1.5倍にする

 

 ・ステータスポイントを振っていない場合そのステータスに振れなくなる。

 

 ・HPMPポイントを振っていない場合HPを100にMPを150に上昇させる

 

 ・MP回復時余剰分のMPを星に蓄える一つにつきMP最大分

 

 

 

 魔法

 

【天体操作】 1秒につきMP 1

 

 天体の位置を移動させる

 

 

 

 取得条件

 

 ・6時間以上夜空を見ること

 

 ・星座を一日で7種類以上を自力で見つけること

 

 ・春の星座を全て観測した(【千里眼】の解放)

 

 ・春の星座の修正(移動権の入手) New

 

 

「……ダンジョン?」

 

 効果の追加だと思っていたがまさかのダンジョンへの移動権である。ナグサはとりあえずダンジョンの詳細を確認することにした。

 

【怪物の迷宮】

 

【星の観測者Ⅲ】の所有者が出ることで解放される。所有者のいるパーティーが一度でもクリアしないとマップは解放されない。

 

 [移動しますか? はい/いいえ]

 

 ナグサはとりあえずメイプルが来てから相談することにした。画面を閉じて移動しようとした時、

 

「おっと、すまん……え?」

「……いえ。あ」

 

 道行く長物のプレイヤーの武器がぶつかって手元がズレてしまった。気付いたら『はい』が押されてしまっていた。

 するとナグサの足元に魔法陣が浮かび上がり転移してしまった。

 

「……どゆこと?」

 

 ナグサにぶつかってしまったプレイヤーは1人佇むのであった。

 

 ────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────

 

「……来ちゃったからにはやるしかないか」

 

 ダンジョンの外観を確認する、まるでギリシャ神話の神殿のようだ。柱の間から中を覗くと豪華な扉がありそこに入ると攻略の始まりのようだ。

 マップはまだ解放されていないので、町に戻るにはダンジョンを攻略するか死ぬかだ。

 因みにログアウトするという方法もあるがナグサの中にはそれはない。ホントはとても怖いが始めから諦めてしまえば何も得られないと教えてくれた人達がいたから。

 幸いなことにポーション五つほど昨日森に行く前に買っていた。メイプルを説得しておいて正解だったようだ。あとはダンジョン内の宝箱の中身に期待するしかない。そして食料もメイプルが来る前に少し買っておいた。彼女には話していなかったが、一緒にスキルショップを見ようとしていたのでそこで【料理Ⅰ】を買おうと思っていのだ。

 少し前にメイプルがログインしたとメッセージが来たので事情を説明し、ステータスの確認を行う。

 

 

ナグサ Lv11 HP 200/200 MP 300/300

【STR 25<+12(61)】【VIT 0】【AGI 70<+5>(165)】【DEX 20<+5>(41)】【INT 10(16)】

 

装備

 

 頭:【空欄】 体【空欄】 右手【初心者の弓】 左手【木の矢筒】

 足【空欄】 靴【初心者の魔法靴】 装飾品【空欄】【空欄】【空欄】

 

スキル

 

【星の観測者Ⅲ】【天の帝】【臆病者】【弓の心得Ⅱ】【マルチショット】【ピアーズⅠ】【アローレイン】

 

「……MP満タン。嬉しい誤算……っ! これならいける?」

 

 今日のログインで貰ったMPと昨日の蓄積分のMPは先ほど使ってしまったので初日の150だと思っていたのだ。どうやらMPの最大値が上がると一緒に星の最大値と内容量も上がっていた。バグかもしれないが今の状況ではありがたいことだった。

 今一度スキルの確認を行っていると一つの可能性に気付いた。これが上手く嵌まればダンジョンの攻略が楽になる。

 

「……よし」

 

 ナグサは大きな扉の前に行くと、躊躇わずその扉を開きダンジョンの攻略に入るのだった。

 

 ◇

 

 ダンジョン探索から7時間ほど経過した。警戒しながらナグサはいつでも弓を打てるように構えながら歩く。

 

「…………っ! 後ろ」

 

 ナグサは何かに反応したかのように後ろを振り返る。すると後ろから剣、槍、弓装備に身を包んだリザードマンが1体ずつ走ってくる。彼がこのダンジョンのモンスターである。

 ナグサは引き絞っていた矢を放ちすぐさま走る。その矢はまっすぐ俊敏の早い槍装備の頭を穿つ。そして己の高い【AGI】を生かして弓装備に近づくと、

 

「【ドレインタッチ】」

 

 そう唱えるとナグサは<神官>の後ろに回り襟元を掴む、すると弓装備は抜け出そうともがくが徐々にその力が弱まり消滅した。その後ナグサの周りを飛ぶ星が現れる、よく見ると先ほどまであった傷も消えていた。

 

「【サイクロン】」

 

 風魔法を唱え攻撃を振りかぶって来た剣装備に向かって竜巻を飛ばすと戦闘は終了した。

 

「…………ふう。【ドレインタッチ】……やっぱり相手に近づかなきゃないけど有ってよかった」

 

 ナグサは一息つくと、ダンジョンの折り返し地点の宝箱で手に入れたスキルのありがたみを確かめていた。

 

【ドレインタッチ】

 ・触れた対象のHPMPを奪い、余ったHPは1につきMP5に変換する。

 ・上限値以上は奪えない

 ・【リバース】と付け足した場合HPMPを送ることができる。

 

 出現条件

 ・このダンジョンに挑戦時HP回復系のスキルを持たずポーション系アイテムが10個以下。

 

 念願のHPMP回復手段だった。しかも【星の観測者】のおかげでMPの上限は無いと同じ。HPが減っていない場合先にMPを奪うのでHPが残って相手が生き残ると言う懸念が無い。触れなければいけないと言う欠点もこのダンジョンの敵はナグサより早い敵はいないようなので後ろに回り込めばいいと言うことだ。

 そんな中ナグサは分かれ道に差し掛かる。

 

「……【千里眼】(右も左も行き止まり…………だったら隠し通路がある)」

 

 ナグサは千里眼で通路の先を確認すると見えたものは壁だったのでマッピングしながら【千里眼】の【透見】で壁を確認する。

 

「……あった……また高いところ。ハァ【跳躍】」

 

 攻略に時間がかかった理由の一つが隠し扉である。ダンジョンに入る前に【千里眼】を使うことは視野に入れていたが。そもそもそれの入手後に解放される場所なので使うこと前提だったのだ。それだけならまだいいのだが、悪意があるかのように通路が高いところだったり大きい物の後ろだったりするのだ。小柄なナグサにはとても厳しい者だった。

 

「……わあ!」

 

 今回の隠し通路は幻影のようになっているだけなので壊したり物を寄せる必要は無かった。

 そんな通路を抜けて現れたのはダンジョンの途中にあったのより一回り小さいがそれも霞むかのような存在感を放つ扉があるフロアだった。

 

「…………ボス部屋かな?」

 

 ナグサは即座に【千里眼】で中を確認するが何も見ることはできなかった。今までのフロアでは視ることが出来ていたのでボス部屋と予想する。敵も現れないようなのでナグサはステータスポイントの分配道中宝箱に入ってた装備を確認をすることにした。

 

ナグサ Lv23 HP 320/320 MP 257/480☆1

【STR 30<+15>(82)】【VIT 0】【AGI 80<+15>(231)】【DEX 20<+5>(45)】【INT 30(54)】

 

装備

 

 頭:【空欄】 体【空欄】 右手【隕鉄の弓】 左手【木の矢筒】

 足【空欄】 靴【初心者の魔法靴】 装飾品【月の耳飾り】【空欄】【空欄】

 

スキル

 

【星の観測者Ⅲ】【天の帝】【臆病者】【弓の心得Ⅶ】【マルチショット】【ピアーズⅥ】【アローレイン】【ドレインタッチ】

【跳躍Ⅳ】【打墜し】【気配察知Ⅰ】【狩人Ⅱ】

 

【隕鉄の弓】

 ・STR+15

【月の耳飾り(レア)】

 ・AGI+10

 ・視覚保護

 

 この他にも色々武器を見つけることが出来たが装備することが出来いないため割愛する。

 

「……あとは……」

 

 ナグサは何かを探すようにボス前フロアを確認する。その必要がないくらい扉に大きく文字が書かれていたが、これが攻略に時間の掛かったもう一つの理由である。

 

「あった、じゃあこれを他のところにあったヒントも確認して並べ替えて……」

 

 このダンジョンは謎解き型と言って迷宮の各所にあるヒントがある。そのヒントの答え合わせがボス部屋で行われるのだ。答えによってボス戦の難易度や報酬が上下するので、難易度を下げる為迷宮の隅々まで確認していて時間が掛かってしまった。

 その結果それなりのヒントが確認できた。

 

 ①迷宮の怪物は飢えている

 ②己を殺さんとするものには容赦をしない

 ③真名を呼ぶ者には反応を返すだろう

 ④幼き時から暗い迷宮に閉じ込められた為だ

 ⑤まず試されるは己の力に耐えうるか、もしもの時己を止めれるか

 ⑥試練を超えたならば怪物は歩み寄る

 ⑦だが、それを遮るのは古の楔

 ⑧力を祓わなければ怪物を倒すしかない

 ⑨もし祓えたならば怪物の友と成れるだろう

 

 以上がナグサの見つけられたヒントである。これを見る限りダンジョンのボスを倒さなくてもクリアできるのは明白である。因みにナグサが最初に見つけられたヒントは5番で扉の文字が1番である(文字の横に小さく番号が書いてある)。

 

 ナグサはこのヒントを見て怪物を倒す気はなくなっていた。真名も見当がついているので問題ないのでここまで頑張ったのだから、友達になって帰ろうという意気込みでボスの扉を開くのであった。

 

 

 ────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────

 

 261名前:名無しの槍使い

 アルビノ少女が消えた!? (ログアウトでは無い)

 

 262名前:名無しの魔法使い

 は? どゆことですか? 

 

 263名前:名無しの大剣使い

 説明お願いします。

 

 264名前:名無しの槍使い

 今日町を歩いてたらぶつかっちまってな、その時何か操作してたみたいで誤操作で何かの魔法陣が現れて跳ばされた

 

 265名前:名無しの弓使い

 魔法陣? ってことは転移とか? 

 

 266名前:名無しの魔法使い

 そんな魔法有ったかなあ? 

 

 267名前:名無しの大盾使い

 その情報掴んできた。ついでに大盾の少女と遭遇してフレンド登録したW

 

 268名前:名無しの槍使い

 は? 

 

 269名前:名無しの弓使い

 早! てかどうやって? 

 

 270名前:名無しの大盾使い

 ログインしてきた時にメッセージ確認したと思ったらめっちゃキョロキョロして一瞬目が有ったと思ったら走ってきて話しかけられたw

 

 271名前:名無しの大剣使い

 大盾少女コミュ力たけーなおい

 

 272名前:名無しの魔法使い

 んでその後は? 

 

 273名前:名無しの槍使い

 アルビノ少女の情報もはよ

 

 274名前:名無しの大盾使い

 格好いい大盾と弓って言われて

 俺が生産職の人紹介するからついてこいって言ったら後ろついてきた

 AGI低すぎて低すぎて俺についてくるのもしんどそうだったな途中何度か待ってあげたし

 

 275名前:名無しの槍使い

 お前のAGIいくつよ

 アルビノ少女は? 

 

 276名前:名無しの大盾使い

 で、その時聞いてみたんだよ「昨日白い子といなかったか」って

 そしたらやっぱ目立ちますよねとか言った後に

 

 

 277名前:名無しの弓使い

 後に? 

 

 278名前:名無しの魔法使い

 伸ばしますね

 

 279名前:名無しの大盾使い

 新しいダンジョンにいったんだと

 

 280名前:名無しの槍使い

 は? 

 

 281名前:名無しの大剣使い

 新しいダンジョン? 

 

 282名前:名無しの大盾使い

 俺も聞いた時頭真っ白になったわw

 なにか、アルビノ少女が取ったスキルをもってクリアしないとマップに解放されないらしい。

 パーティ組む前に飛ばされて、これも何かの縁だからって1人で挑戦したって

 

 283前:名無しの槍使い

 は? ってことは俺ログアウトしたときなんも無かったからまだ挑戦中かもしれないってこと? 

 

 284名前:名無しの弓使い

 そんな感じの解放条件かー

 てか前向きな子ですね

 

 285名前:名無しの大盾使い

 昔はそうでもなかったらしい。

 まずまとめるぞ

 

 大盾少女から

 選んだ理由は攻撃を受けて痛いのは嫌だから防御力を上げたかったとのこと

 超素直で活発系少女

 

 アルビノ少女

 弓を選んだ理由はゲームやってるもう一人の友達から遠距離が向いてるって言われていろんなところを走り回るイメージが強いのが弓だったから。

 知人以外は人見知りだから無口になる 家事が得意らしい

 

 総評

 めっちゃいい子

 

 ああー見守ってあげてー

 あとお前らとは情報を交換していきたいと思ってるから俺の情報晒すわ

 取り敢えず俺はクロムって名前でやってる

 んでAGIは20な

 お前らとはフレンド登録しときてーから明日来れる奴は22時頃に広場の噴水前に来てくれると嬉しい

 

 286名前:名無しの槍使い

 情報サンクスっていうかお前クロムかよ! 

 バリッバリのトッププレイヤーじゃねーか! 

 噴水前……アルビノ少女にぶつかっちまったところじゃねーか

 

 287名前:名無しの魔法使い

 有名人過ぎてビビったわw

 あとドンマイ

 

 289名前:名無しの弓使い

 よっしゃその時間行けるわw

 つーかAGI20に置いて行かれるとか本当にVIT極振りかもしれん

 あと新しいダンジョンどんなのかなー

 

 290名前:名無しの大剣使い

 それは解放されてからのお楽しみで

 いまだ頑張っている少女の健闘を祈りつつ

 これからも温かく見守っていく方向でいいかなー? 

 

 291名前:名無しの槍使い

 いいともー! 

 

 292名前:名無しの弓使い

 いいともー! 

 

 293名前:名無しの魔法使い

 いいともー! 

 

 294名前:名無しの大盾使い

 いいともー! 

 

 




今回はここまでです
なんとなく先が読める方々もいるでしょうが発言は控えめでお願いします。
次回は戦闘、上手く書けるかが不安です。

補足
・ログインボーナスでHPMPが回復する
・【ドレインタッチ】はこのすばから
・メイプルはダンジョンの情報貰ったとき「ナグサも一人で頑張ってるんだし」とやる気満々

ステータスの計算値 ()内の数値

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