アルビノ少女は自由に駆け回りたいです。   作:夢現 明

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遅くなって申し訳ないです

前話ヒント部分修正しました。


アルビノ少女と雷光

ナグサがボス部屋に入ると扉が勝手に閉まり、中には数多くの柱が立っていてその中心に引き締まった体に牛の仮面を付けた魔物が鎖につながれて佇んでいた

 

おまえ…………なにしに……きた?」。

 

魔物から重い声が発せられると同時に魔物の上にタイマーが現れる。時間は10秒。答え合わせの始まりだ。

 

「友達になりに来たよ……アステリオス」

っ!?

 

ナグサは間髪入れずに〈雷光〉の意味をもつ名を呼び目的の意を示すと魔物はその大きな体を震わせる。そしてHPバーが赤から黄色に変わった。どうやら答えは有っていたようでホッとする。

 

[クエスト 【雷光の友】に施行しました]

 

とも・・だ・ち……なる?……ほんと?……おれ……たまにあばれるのおさえれない……つぶれない?

「大丈夫1人は寂しいもん。だから……試させて?」

……わかった

 

どうやらここのボスはAIの性能がいい様で、こちらの言葉に対応して返事が返ってくる。

最後の返答を区切りにアステリオスの頭上に[10:00]と現れる。説明欄が出てきたので確認すると、時間は10分。この数字がゼロになるまで耐えた上、抑えられることを示す為に最低でもHPの半分以上ダメージを与えなければいけないらしい。

 

[戦闘が始まります。よろしいですか? <OK>]

「(【臆病者】には頼らない。感覚(・・)も覚えたし大丈夫……いける!)」

 

ナグサは今一度状況と周囲を確認し自分を鼓舞する。ボタンを押すとカウントダウンが始まる。ナグサは深呼吸をし集中力を高めカウントがゼロになる。

瞬間、

 

「【天候操作(暴風)】っ!【跳躍】そして【アローレイン】!」

 

まず、ナグサは天候操作で暴風状態にする。自分の魔法効果の上がり、相手の行動妨害をできる上2分30秒に1回、ダメージを入れられるのだ。他の天気も試してみたいが今はMPを無駄遣いする余裕は無いので後回しだ。

そして自分に迫りくるアステリオスの斧による攻撃を右後ろに跳んで躱し、その跳んでる最中に矢の雨を降らせる。

ナグサはまだ走ったままで矢を放つことはできない。止まって構えていればいい的で【VIT 0】の自分はすぐにやられる。移動しながら攻撃を行わなければならない。そこで考えたのが跳躍中に矢を放つこと。

その攻撃方法から考えるとナグサにとってここは良いフィールドである。

ナグサの跳んだ先には大きな柱がある。このままではぶつかってしまう勢いだ。しかし、ナグサは空中で体を翻すと、

 

「【跳躍】【マルチショット】」

 

柱を足場にし再び跳躍しその最中に矢を放つ。それを通常矢や魔法も織り交ぜながら繰り返す。そんな行動中でもナグサは攻撃を外すことは無い。これはひとえに彼女の動体視力がいいということだ。視力と動体視力は別物で視力はそのまま視る力、動体視力は物の動きを追う力である。新しいハードによって視力に補正を受けた今彼女の瞳は本来の力を発揮していた。これが彼女のPSの一つである。

理沙がナグサに遠距離を進めたのは目の良さを知っていたからだ。元々ナグサは祭りの屋台で射的が得意であり。その腕前は屋台の人たちに【白い悪魔】と呼ばれるほどである。当のナグサは打って当てるのが楽しくて景品には興味が無かったのだが。

そこで理沙は面白半分でゲームセンターで射的系のゲームをやらせたことが有った。結果は途中リタイヤで理沙も反省していたが。そのリタイヤするまでの結果が全弾命中(・・・・)だったのだ。後の流れは言うまでもないだろう。

 

「【跳躍】(少しずれた)【サイクロン】」

 

ナグサは軌道のズレたときは風魔法の反動を利用し止まらないように修正しながら攻撃していた。

そういった妨害行動によりアステリオスからの照準(ダゲ)が外れることで攻撃力の上がるスキルがあった。

 

【狩人】

・対象に気付かれていないと攻撃力2倍

・気付かれているが狙われていない状態だと1.5倍

・気付かれていない状態でワザと外すと誘導可能状態になる(弓装備のみ)

 

取得条件

・気配遮断状態でモンスターを累計10体倒す

 

 

照準が外れているかの確認はダメージエフェクトを見るしかないが、初めて高速戦闘しているナグサにはそこまで見て確認する余裕はない。だが彼女は照準が外れていると判断する手段がある。それは視線(・・)だ。

生まれながらの見た目でナグサには自然と視線が集まる。目は口ほどにものを言うということわざの通り、幼いころから浴びていたからか視線で相手の考えがある程度読めるようになり、視線を向けられればそれに気付ける。ナグサは機械による照準を視線として感じているのだ。画面に映るものでは感じ取れないが、これもVRであるからこそ機能するナグサのPSだ。

 

 

「(よし、ラインは越えた)」

 

残り時間3分程。アステリオスのHPが半分以下になった。HPの消費はなし、MPは心もとないがまだある。これで最低ラインは超えたのでナグサは攻撃も行いつつ回避を優先に切り替えようとした瞬間、アステリオスに変化が起きた。

 

ヴググ。キタ……コレカラガホンバンダヨ

「……!」

 

今までナグサを捉える為に動いていた彼が急に蹲り苦しみだし変化が起きる。アステリオスに繋がれている鎖が怪しく光ると着けていた仮面が外れ体が肥大化し白くなる。黄色かったHPは再び赤に戻り変化か止まった。

 

「(これが古の楔)」

 

他に変化が無いかと使って確認すると鎖にもHPバーが浮かび上がっているのが確認できた。

 

「(鎖にHPバー?これをどうにかすれば。)」

 

狙うのはアステリオスではなく鎖の方だ。これをどうにかすればアステリオスを討伐する必要は無いのだろう。

 

「(……予想が正しければ)【天候操作(晴れ)】」

 

ナグサは天候を元に戻し足を止める。肥大化したアステリオスはそれを捉えると走りながら持っている斧を大きく振りかぶる。

 

ガキン!!

「ハッ!【エアウォール】」

 

振り下ろそうとした瞬間、斧に衝撃を受けてアステリオスの体がのけぞる。ナグサが弓で斧を射抜いたのだ。その後、足払いをかけその巨体を転倒させ時間稼ぎのため防御用風魔法で受け止め抑え込む。

そして、アステリオスを繋いでる鎖を前にしゃがんで掴むと、

 

「【ドレインタッチ】」

グウ!!

 

【ドレインタッチ】で鎖のHPを吸い取り始めた。その瞬間アステリオスも苦しみ始めるが彼のHPが減っている様子は無い。

 

この!!邪魔だ

 

彼の周りにはった【エアウォール】も思った通りの効果を発揮しているが彼の抵抗を見ていると鎖のHPを吸いきるまで持ちそうにない。【ドレインタッチ】の最中は他の魔法を使うことが出来ないことはダンジョンの道すがら確認できておりナグサは焦りを覚える。

 

「(どうしよう両手で触っていても間に合わない。)」

 

そうして考えているうちにナグサは無意識に鎖を持ち変える。瞬間僅かだがHPの減る量が増えた。

 

「どうして?…………膝?……!!」

 

原因を探っていると、ナグサは膝に鎖が乗っかっていることに気がついた。そして彼女は急いで【ドレインタッチ】の説明を出す。そこには手で触れなければいけないと書かれていなかった。それに気付いた彼女は鎖を再び両手に持ち直し体に巻き付ける。そうすることでHPの減少量が一気に増え、ついになくなり鎖のみがポリゴンとなって消えた。

 

[スキル【鎖喰い】を取得しました]

[クエストクリア クリアランクEX]

[クリアランクB以上のためスキル【雷光殺し】を取得しました]

[クリアランクSS以上のため【雷光殺し】が【雷光の友】に変化しました]

[クリアランクEXのためスキル【迷宮の主】を取得しました。またスキル【鎖喰い】が【天の鎖】に変化しました]

[レベルが27に上がりました。]

[スキル【必中の構え】を取得しました]

[スキル【立体機動Ⅷ】を取得、スキル【跳躍】が統合されました]

 

「終わった……」

 

集中力の切れたナグサはその場に倒れこむ。床と設置するかと思った瞬間体に浮遊する感覚があった。

 

「大丈夫?」

 

彼女の体を支えたのはアステリオスだった。声質も先ほどまでの重い者から変わりつたない子供のような声になっていた。

 

「ありがとう。アステリオスこそ大丈夫?」

「うん。体……軽くなった。鎖ないから抑える必要もなくなった」

「そっか。」

 

それを聞いてナグサは頑張ったかいがあったと深い息をついた。そしてさっき得たスキルの一つが気になり他のも含めて確認を始める。

 

【雷光の友】

・麻痺・スタンが無効になる。

・STR+30

 

魔法

【天の怒り】

・雷を意のままに落とすことが出来る。高確率でスタン

 

【雷化】

・5分間AGIを150%上昇 重ね掛けで1分増加 20%上昇 最大10回 再使用まで20分 重ね掛けで10分増加

・触れた相手にダメージを与える

 

【召喚・雷光(アステリオス)

・1日1回使用可能ステータスはプレイヤーのレベルに依存する。

・スキル【迷宮の主】を持っているならそちらのステータスになるが迷宮ボスに登録されていると召喚が不可になる

 

取得条件

ダンジョン【怪物の迷宮】を[雷光]の生存状態でクリアする]

 

【天の鎖】

・MPを消費して自由自在に操れる鎖を出現させる。

・INT、MP最大値が高いほど拘束力上昇

・消費MP増加で[体の一部]の効果を得る

 

取得条件

クエスト【雷光の友】で鎖を壊し、尚且つ鎖のHP出現後[雷光]を傷つけないこと

 

【必中の構え】

・弓での攻撃を当てる度にSTR1%上昇 最大100%

・攻撃を外すと上昇値は消える。(魔物誘導は除く)

 

取得条件

・レベル25までPvP戦以外で弓での攻撃を一撃も外さないこと

 

【立体機動】

・【AGI+15】【DEX+15】

・10秒の間どこでも足場にして行動することが可能になる

・地面以外だと跳躍で離れなればいけない

 

取得条件

・1回の戦闘で【跳躍】を20回以上使いモンスターを撃破すること

 

迷宮の主(ダンジョンマイスター)

・クリアランクEXの迷宮の運営権を得る

・搬入した魔物、迷宮が倒したプレイヤーの数に応じて迷宮レベルが上昇する(現在レベル1)

・鉱脈等の設置にはGが必要

・1日1回報酬がもらえる(G、モンスターの素材等)

 

 

魔法

 

【捕獲】

・モンスターを捕獲する罠を設置する(プレイヤーの妨害も可能)

 

取得条件

EXランクでクリアする

 

【ランクEX】

・ダンジョン初チャレンジでボス戦無傷、その他条件クリアで得られるランク

 

「……いろいろすごい。」

「ますたー……頑張った……結果」

「そう……マスター?」

「この迷宮の主……だから……ますたー。あと……これ」

「これは?」

「ぼくに挑んできた人たちが落としていった。ますたーに合いそうなの……見つけた」

「……そっか(そう言う設定か……)」

 

いつの間に持ってきたのかアステリオスが大きな宝箱を持ってきてくれていたダンジョン運営の件もあるが、取り敢えずそちらを確認することにし宝箱を開ける。

 

「わあぁぁぁぁ!」

 

そこには金色の輝きを放ち星が散りばめられたかのように装飾がついている弓とそれと対極な月を連想させる銀色の矢筒、それらを引き立てる様に黒を基準に青と白で装飾されている衣服と靴、あと白い羽の付いたティアラがあった。

 

「この首輪?はちょっと遠慮したいけどそれ以外は動きやすそうだしいいかも。」

 

そう言いつつナグサは装備を確認する。

 

【ユニークシリーズ】

単独でかつボスを初回戦闘で撃破しダンジョンを攻略したものに贈られる、攻略者だけのための唯一無二の装備

ダンジョンにつき1つ切り。取得した者はこの装備を譲渡できない

 

三星(トライスター)』【STR +10】【AGI +10】【破壊成長】

スキル【其は、月を穿つ狩人】

 

月女神ノ抱擁(アルテミス・アグノス)』【INT +15】【DEX +15】【破壊不可】

スキル【月の矢】

 

『狩人の衣』【AGI +20】【DEX +10】【破壊不可】

 

『星見のブーツ』【AGI +20】【INT +10】【破壊不可】

スキル【星の護り】

 

『天帝のティアラ』【INT +20】【DEX +10】【破壊不可】

スキル【飛翔】

 

【其は、月を穿つ狩人】

・使用に星を1つ消費する

・1日3回まで使用可能

・軌道上の物を全て巻き込む防御貫通攻撃(パーティメンバー含む)

・3回目を使用するとHP 1になり全ステータスが50%低下する。この装備は破壊される。

 

【月の矢】

・使用する矢をカスタマイズできる

・レベル5で1スロット解放

・カスタマイズするときはフレンドの生産職が近くにいなくてはいけない。

・スロットの解除時は10万G必要

 

【星の護り】

・足場にしている場所からダメージを受けない

 

【飛翔】

・自由自在に空を飛ぶことが可能

 

「…………後で試そう……今日は疲れた」

 

 

その後メイプルがログアウトしたと言うメッセージが来ていないことに気付きナグサは1度ログアウトして町に戻った。

 

「……やっぱり」

 

すると、待ち合わせにしていた噴水の石垣に座りながら器用に寝ているメイプルがいた。ナグサはメイプルに近寄り彼女を起こす。

 

「メイプル起きて」

「zz…ん?むにゃむにゃ」

 

メイプルは目をこすりながら目を覚ます。まだ焦点が定まっておらずナグサを捉えていない。

 

「ふわぁ~。……あっ!もmじゃなかったナグサ戻ってきたんだね。」

「うん。さっきね。先にログアウトしてると思ってた。」

「そのほうがいいかなって思ったんだけどね。やっぱり真っ先にナグサに見せたい物があったから」

「そうなの?……あ!もしかしてメイプルもダンジョンに?」

「やっぱりわかっちゃう?」

「うん、メイプルの事だもん。なんとなくわかるよ」

「嬉しいような恥ずかしいような……まあ取り敢えず宿屋に」

「うん。今夜は寝れないね//」

「何か違うよ!!//」

 

その後宿屋で二人は装備を見せ合いお互いにほめあったそうです。

 

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その頃運営では……

 

「ナグサちゃんがダンジョンクリアした……」

「お!やっとかずいぶんかかったなクリアランクは?」

EXだ

「え?なんて?」

EXだ

「……え?」

聞こえなかったかEXだ

「「「なんだって~!!」」」

「まじか」

「SS位ならまだ分かるんだが。」

「あっ!【天の鎖】出てる」

「どうやって?鎖に物理効かないし【毒竜】みたいに食えないだろ?」

「【ドレインタッチ】だ」

「ポーションも無かったんかい!」

「事故で行ったから準備してなかったんだろ」

「なるほど……」

「ああ~何で最終奥義的なのを序盤で取っちゃうかなこの子達。」

「仲良さげに宿屋に行ってますね」

「ああ……この笑顔を壊さなきゃいけないのが辛い」

「ああ……でも贔屓は出来ないよな。」

「仕方ないけど他の奴らも合わせて調整するしかないだろ」

 

こうして夜は更けていった。




補足
装備のイメージはFGOから連想しました。
弓がアトランティスでヘファイストスがオリオンに打った弓
矢筒がオリオン(アルテミス)第三霊基の背中にあるもの
服と靴はアタランテオルタの第一霊基をイメージしました。

ヒント部分変更はやっぱり動物との戯れがほしいと思ったからです

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