アルビノ少女は自由に駆け回りたいです。   作:夢現 明

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前話のスキル一覧から【釣り】を削除し今回で覚えることにします


アルビノ少女と回避盾の始まり

「……じゃあいってきます」

 

 制服を着て学校に向かう。ここ数日で日差しが強くなりぽかぽかと温かく春らしくなってきた。

 

「……はぁ(早く学校終わってNWOにはいりたいな……)」

「おっはよー椛! 何浮かない顔してるのかな?」

「うひゃ!? ……おはよう。リーちゃん」

 

 後ろから飛びついてきたのはNWOを紹介してくれた理沙だった。理沙の家とは100mも離れていない位置にあるので登校時間を合わせて登校している。

 UVカットの日焼け止めを塗り、矯正用のコンタクトを入れた上に遮光レンズをかけ日傘を差すのが登校スタイルである。VRで外に出る為のいろいろな準備が必要ないことを体験してしまうと憂鬱になってしまうのだ。

 それを理沙に言うと。

 

「そっかー。VRあるあまあるだけど椛みたいな人には大きい問題点でもあるのか。盲点だった」

「今まで出来なかったことが出来るようになったんだからこれ以上は贅沢なのは分かってるから……それにしても今日はずいぶんとご機嫌だね」

「やっぱり、椛には隠せないか~」

「いつもは肩たたく程度だし……そんなにキラキラした視線を向けられたらね…………大体分かったけど」

「相変わらずの視線感知だね。まあ発表は楓と合流して学校に着いてからね」

 

 その言葉に椛も頷く。日の当たるところでの長い会話は椛の負担になることが有るからである。椛はそのいつもの心遣いに感謝しながら学校に向かった。

 

 ◇

 

「コホン。それではお二方に重大な発表があります」

「ほう、何だい理沙くん」

「……ドキドキわくわく」

 

 教室についてすぐにキャラを作った理沙に二人は乗っかり次の言葉を待つ。

 

「ついにゲームをプレイする許可が下りました!」

「お~」

 

 椛は小さく歓声を上げ楓はパチパチと拍手する。

 

「というわけ二人に押し付けただけになってたけど今日からやっとプレイできるよ~」

「じゃあ3人でパーティーを組めるね!」

「楽しみ」

「そうそう3人で楽しめる。椛用のハードが出てから誘ったのは正解だったかな」

「椛も乗り気だったし、私だけのけ者になるのは嫌だもん」

「お父さんと二人に準備されちゃったからね」

「「椛にはお互い射的の景品でお世話になりましたから」」

 

 そう二人は椛が射的で取った景品(ゲーム系・ぬいぐるみ等)を譲ってもらってお財布事情を助けてもらっていた。そのお礼も兼ねて自費で椛にソフトを準備したのだ。ちなみにハードを準備したのは父親である。そういった話はすぐに終わり会話の内容はやはり楓と椛のプレイ内容にに変わる。

 

「椛に聞いてた限りじゃ二人ともかなり脱線してるし、しかも脱線した先での手に入れたものが強すぎ。これは追いつくの大変そうだなぁ」

「やりたいことやってただけなんだけどね」

「で、でも私たちと同じようにすれば……」

 

 楓がそう言うと理沙はバツ印を作って首を振る。

 

「二人は二人。私は私。二人の見つけたスキルを友達権限で取る気はないの! まあ……異常なスキルを手に入れる糸口は貰っちゃったけどね」

「みんな違ってみんな良いだね。で、リーちゃんはどうするの?」

「椛が俊敏と火力を持ち合わせた遠距離タイプで、楓が防御特化のタンク。だから近距離のタイプの大剣も良いかなって思ったんだけど、それじゃあ普通すぎてつまらないから『回避盾』になる」

「「回避盾?」」

「敵の攻撃を引きつけて回避することで攻撃を無力化するんだよ」

「おおおお! 格好いい! ……でも盾なら私がやるよ」

「だから私にも大振りでも避ける練習と相手の武器か攻撃を打ち落とす練習するように言ってたんだ。私も二人を護れるんだ」

「そ。武器も使いようだよ。それに【臆病者】が有っても必要になってくるスキルでもあるからね。これで私たちのパーティーはどんな戦いに出てもノーダメージ! いつだって無傷! 格好良くない?」

 

 その言葉を聞いて楓はその光景を想像したのか首と手をぶんぶんと振っている。椛も気分が高揚している。その時理沙の呟きが聞こえた

 

「回避盾……難易度は最高クラス? でも、だからこそ燃えてくる……!」

「リーちゃん燃えてるね?」

「そりゃあ二人とゲームが出来て最高のパーティーが組めるんだよ。燃えないはずがないよ。……でも、椛には最初から難易度高いスタイルになると思う。ごめんね?」

「大丈夫。今のところ外したことないし。……それに私、今までは二人から又聞きするしかなかったんだよ? その二人と遊べるんだもん。それくらい乗り越えてみせるよ」

「そりゃあ頼もしい」

 

 三人は今日の授業が早く教えてほしくてほしくて仕方なかった。

 

 ────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────

 

「おー! 町はこんな感じなんだー!」

 

 サリーは周りを見回して嬉しそうに声を上げた。ちなみに始める前にプレイヤーネームは始める前に決めて伝え合っている。

 

「メイプルの装備との見た目格差があり過ぎてちょっと辛い……てナグサは?」

「この間仲良くなった生産職の人から依頼した者が出来たって知らせが来たからちょっと取りに行くって」

「へえ、あのナグサが仲良くねえ」

「紹介したら何か同じ『つくる者?』として意気投合しちゃった」

「あ~何か納得」

「お待たせ~」

 

 そんなことを話してるうちに用事を済ませたナグサが現れたので当初の目的通り地底湖に向かうことにした。

 がメイプルに合わせると時間がかかることを告げるとサリーが有る方法を思いついたようだった。

 

「だったらいい方法が有るんだけどどうかな?」

 

 ◇

 

 ナグサとサリーは地底湖方面へ向けて爆走している。メイプルは普段の重装を外してナグサに背負われている。そんな中メイプルはナグサに話しかける。

 

「それにしてもナグサもずいぶん動けるようになったね」

「ん。サリーの助言のおかげ。空中でも少しなら動きながら戦えるようになったし」

 

 サリーはナグサのステータスの高さを活かすには早くVR慣れする必要が有ることが分かっていたので。一日1回森でギリギリになるまで走るように言っていた。もちろん障害物は避けてモンスターを倒しながらである。

 最初のうちは自分の速さについていけず気にぶつかったりモンスターを轢いてしまったりしていたが今では8割がた成功している。

 

「ええ~! ナグサはサリーに助言貰ってたの!? ずるい!」

「メイプル……ナグサはゲーム自体が初めてなんだよ? 助言するのは当たり前でしょ」

「耳元で叫ばないで。そして、暴れないで。落ちちゃうよ?」

「ごごごめん! ってナグサ! 脇腹揉まないで! くすぐったいよ~!」

「有言実行。やっぱりお腹ぷにぷにだね。ほら暴れない」

「あは。む、無理だってあはははは」

「結構余裕そうだね。うん! 楽しそうで何より」

「そんなこと……言ってないで……助けてよ~」

「あははは、無理かなってナグサ! 前方から狼系のモンスター3匹」

「……残念、サリーパス!」

「はいよっと」「わきゃ!」

 

 ナグサはメイプルをサリーに投げて渡すと走る速度を上げる。そのままモンスターに近寄り数m前で跳び上がると空中で身を翻しモンスターの頭上でまとめて射抜き綺麗に着地する。

 その後待ってるナグサにメイプルを背負ったサリーが近寄る。

 

「ナグサ! 今の動き格好良かったよ!」

「ありがと、メイプル。じゃあ予定通りあとはサリーにメイプル任せるね」

「うん! 任された」

「え? ……あれ? そう言えば、今の動きだと最初からサリーにおんぶして貰ってれば止まらないで行けたよね? なn「さあ。行こ?」

「うん」

「ちょっ! 教えてよ~!」

 

 ただ単にナグサがメイプルをおんぶしたかっただけである。サリーもそれは分かっているし言わないほうがメイプルの反応が面白いためそのまま走り続けた。

 

 ◇

 

「すっごい速かった」

「ふふふ……崇めたまえ~!」

「ははーっ! サリー様~!」

 

 教えてくれないなら仕方ないとメイプルは切り替え速さを楽しんでいた。

 地底湖について装備を付け直して嬉しそうにしている。サリーも早速役に立てて嬉しそうで茶番まで行ってる。

 ナグサはと言うと、

 

「早く始めよ。はい釣り竿」

 

 初めての体験に目をキラキラさせながら三本の釣り竿を出して二人に二本渡そうとする。

 

「え? 釣り竿なら持ってるけど?」

 

 メイプルが当然の疑問を上げるとナグサは得意げになり説明する。

 

「そこらへんで売っている釣り竿とはわけが違うのだよ。なんせイズさん謹製スキル付きの釣り竿。『私の迷宮』の材料もふんだんに使ってるから、効果も保証する」

 

 そう装備にはスキルをつけることは出来ないが一部のアイテムなら可能である。迷宮の方もレベルが上がったことにより新しい魔法も増え『マスター権限』で指名したプレイヤーを襲わないようにするなどが出来るように成った。イズの性格なら信頼できるとふんだナグサはそのことを教え、自由にアイテムの採集をして貰っている。

 

「そっかそれを取りに言ってたんだね」

「これだけじゃないよ? 本当は料理器具一式って依頼だったんだけどイズさん新しいアイテムに興奮して頼もうとは思ってたけどアウトドア用品一式まで準備しちゃってたから……ほらこれとかモンスターが近寄らなくなるお香にこれはこの前ウェアウルフ捕獲したおかげでデイリー報酬で貰える毛皮から作ったって言う寝袋にそれとn……「分かった! それじゃあまず始めよ? その間に説明してくれればいいから!」っは!? そうだった」

 

 使うのが楽しみなのかもうキャラはどうなったと思えるほど説明に熱が入り始めたナグサにメイプルは目が点になる。サリーが活を入れ押しとどめることによって本来の目的である釣りが始まった。

 

 ◇

 

「おお~! 6匹目だよ!」

「お! 今回は早いね」

「あ! また青い主だ」

 

 釣りを始めて一時間ほどそれぞれの釣果はメイプルが6匹、サリーが22匹、ナグサが49匹でうち青い主が3匹である。1時間で3匹しかつれなかったメイプルは感動に満ちている。これもイズ謹製の釣り竿のおかげである。

 

「1レベルでここに来たおかげで釣り上げた魚に止めを刺すだけでレベルが上がる上がる」

 

 実際にサリーのレベルは8にまで上がっていた。ナグサとサリーの二人が【釣り】スキルを手に入れてからは釣りあげるスピードも上がっていた。

 

「それにしても初スキルが【釣り】かぁ……二人の事変って言えないなぁ」

「……普通じゃないから新しいものが見えてくるんじゃない? っと」

「それもそうかもねっと」

 

 釣果がまた増えたところでナグサは釣り竿をいったん片付けバケツに入れ釣を始めてからまだ止めを刺していない魚たちにナイフ(・・・)をもって向かう。

 

「え? ナイフ?」

「片方は捕獲するんでしょ?」

 

 ナグサの動向が気になったのか二人もいったん切り上げ様子をうかがう。サリーは持てないはずの装備を持っているナグサに戸惑っている。

 

「片方はまだ試してないスキルの実験台にしようかなって……うまくいけば美味しいよ?」

「「?」」

 

 

 ナグサの言葉に疑問符を浮かべる二人。「まあ見てて」と二人に言うと

 

「【捕獲】【解体(・・)】」

 

 ナグサがそう唱えると多く入っていたバケツは魔法陣に包まれ中身が消え、少なかったほうのバケツの中の魚に切りかかると鱗と『下処理済みの魚』というアイテムが現れた。

 

「つまりは食材を手に入れる為のスキル?」

「うん。なぜかモンスターが生きてる間にしか使えないんだ」

「倒すとすぐ消えちゃうからね。だから試しやすい魚で?」

「そういうこと。じゃあ食べよ?」

「「うん」」

 

 そう言うとナグサは必要な量以外の魚をインベントリに戻しイズから作って貰った七輪を取り出して魚を焼き始めた。

 

 ◇

 

「はむはむ……そう言えば【解体】ってスキル欄になかったよね?」

「あとナイフを装備できる理由もね」

 

 釣り糸を垂らして軽く塩で味付けした魚を食べながらメイプルとサリーが質問をする。

 

「【料理人】の中にあるスキルだよ……ほら」

 

 ナグサはその質問が来るのを見越していたのかすでにスキルの説明を開ていた。

 

【料理人】

 

 ・スキル【解体】

 ・作った料理にあらゆる効果を付与する。

 ・作った料理により効果時間が変化する(最大8時間)。

 ・効果時間が終わるまで重複して効果を重ねれない。

 

 取得条件

【料理Ⅵ】まで全てプレイヤーメイドの調理器具で料理した。

 

【解体】

 ・モンスターのみに使用可能

 ・ナイフの装備を可能にする

 

「あらゆるステータスを付与……今はAGI3%上昇だね」

「ええー! じゃあ私も速くなって……ない? ってVIT上昇だ!」

「私もAGI……だから一番高いステータス上昇?」

「かな? これはいろいろ検証が必要そう」

「食料はもってっ来たけど効果時間は……1時間」

「時間かかるね……で、ナイフ装備できるようになると」

「取得できるスキルを見た限りほとんど投擲用だった」

「なら私と被るわけじゃないし近接対策も出来るから一安心かな」

 

 サリーが危惧していたのはその点であったが稀有であったためホッとして話を切り替える。

 

「そう言えばメイプル鱗足りそう?」

「うーん……もう1時間だけ……いい?」

「いいよ! 私も一つ試したいことが有るから……釣りじゃなくて素潜りで狩ってきてもいい?」

「私も問題ない……って、そんなこと出来るの?」

「出来ると思うよ。たぶん私のAGIなら固まって泳ぐ魚のうち1匹位なら倒せるかな。ナグサの料理の効果でもうちょっと行けそうだけど」

「なら私も泳ぐ練習していいかな? ゲーム外だと屋内じゃないと出来ないし」

 

 学校のプール授業などは体質の影響で見学するだけのナグサだが全く泳げない訳ではない。いかせん泳ぐ機会が少ないので上手いとも言えないのでこれを機に上達したいと思ったのだ。

 

「いいよ。ナグサには鉱石も手伝ってもらったもん」

「なら。そっち辺りが浅めだから丁度いいんじゃないかな?」

「ありがとう。慣れたら私も少し狩ってみるね」

 

 そうして1時間程経過しナグサは【水泳Ⅰ】を取得した。メイプルの方を見るとサリーが水中で狩った魚のドロップ品をメイプルに渡していた。

 

「サリー戻ってたんだ」

「あ、うん。ちょっと聞きたいことが有ってね。ねえ今見つかってるダンジョンってナグサの所有権の有るのも含めて3つだよね?」

「えっと……うん、確かそうだよ」

「地底湖の底に、小さな横穴があった」

 

「「……!」」

 

 その言葉にメイプルはただ驚き、ナグサは【千里眼】を使い地底湖を確認する。確かに奥に続く横穴とその奥には先の見えない扉があった。

 

「ダンジョンだね。奥まで見えるけど如何する?」

「やっぱり便利だねそのスキル」

「ん~……ダンジョンはナグサのがあれば十分だと思うし二人と同じユニークシリーズが手に入るかもしれない……だから」

 

 そこには真剣な目をした友人がいた、二人はサリーの言わんとすることを理解した。

 

「うん、地底湖まで来るの手伝うよ! 借りは即返すってね!」

「……アドバイスのお返しにAGI上がるような料理作る。待ってる間は私も【水泳】【潜水】のスキル育成と水中戦の練習時間にするから」

「さっすが! そう言ってくれると思ってた! じゃあ、早速言ってくるね」

 

 

 そうして再びサリーは泳ぎ始めた。

 

 その後2週間ほどほかにもスキルを取得しながら地底湖に通いつめサリーは無事ユニーク装備を手に入れ、ナグサも【水泳Ⅹ】【潜水Ⅹ】まで育て料理の効果をある程度把握することが出来たのだった。




今回は見護り隊も運営陣営もお休みです。

ちなみにイズさんはナグサが【料理人】を手に入れた現場に居合わせています。
それを見て一度【料理Ⅹ】を破棄して取り直している模様

取り直すにはGが掛かるって設定が有りますが。料理スキルはもともと効果ないスキルだから有りってことでお願いします。

イメージ的にはモンハン、テイルズシリーズ、後はアトリエリシーズかな?
どれもそこまで種類プレイしてないので詳しくはないですけどね

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