ランキング外の最強の嫁は生産職のライブ配信者とのびのびカタツムリ旅行します   作:ライドウ

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#3 旅行の準備

ハカモリさんと、視聴者の間で喧嘩みたいなものが起きてしばらくたった後、ボクがお説教して何とかなった。

 

「・・・」(´・ω・`)

 

≪黒の終焉って意外とかわいい?≫≪知らないのかルーキー、最上層ではあいつの写真集が出てるんだぞ≫≪アイェッ!?≫【あれはいい物でした】≪まて、この広報担当も買ってるのか。≫≪黒の終焉って人気アルネ≫『人気があるも何も、非公式ラスボスと呼ばれるぐらい有名ですよ』≪おまえもやってるのかよナルナル上位親衛隊≫『初心者の町で初心者向けの装備や道具を揃えております』≪しかも古参勢か・・・壊れるなぁ≫

「あー、あのお店かぁ・・・」

 

あ、そういえばボクはノーヴェルでこんなことをするために来たんじゃなかったんだ。

いそいそとディスクトップのメモ帳を引っ張り出して確認する。

 

「えー・・・と、あ、そうだそうだ。」

 

≪でた伝説のメモ帳。≫≪ナルナルさん以外はほとんど解析が不能なごちゃごちゃに書かれた奴か≫

【ほ、本当になんて書いてあるのか分からない・・・】[長年付き添った私でさえ分からないですからね]≪あそこだけで、ノーヴェルでやりたいこと・・・って書いてある≫≪解読できる人がいたって身内(黒の終焉)かよ!!≫

「まって、後ろから覗いたけど何もわからない。あといい匂いした!」「「「ギルティ!!」」」

 

 

メモ帳をそそくさと戻して、企画を言い出すために深呼吸する。

ボクはこうしないと何かができない体質なため、これはまぁ・・・いいのかな?

そう思いつつ、カメラに向かって指をさして

 

「今日から、このノーヴェルオンラインでカタツムリ旅行をするよ!!」

 

「・・・」ヾ(≧▽≦)ノ

 

「マジで!?やった!!」「私の夢が、一つ叶った。」

 

≪ゆ、有名なカタツムリ旅行企画じゃないか!≫≪か、カタツムリ旅行だと!?こうしてはいられない!!今すぐ初心者の町に行こう!!≫

≪か、カタツムリ旅行?ど、どういうこと?≫『肩の力を抜いてくださいルーキー、ナルナルさんのカタツムリ旅行企画って言うのはナルナルさんが有名になった企画なんです。』≪な、なるほど・・・≫≪ちなみにそれで有名なのはカタツムリ旅行をしたゲームはすべて特殊イベントが発生して今まで攻略が詰まっていたゲーム・・・例えばあの中ボスの弱点が無くて詰まってたKUREとかがラスボスまで進んだとかだ。≫≪えぇ・・≫

[ちなみに彼についていけば特別なアイテムを貰えたりするので現地ナルナル民が自動的に護衛しだすんです]

 

ふふふ、これがボクがやりたかったことなのだ。

べつに、隠されたイベントとカにはそんなに・・・いや普通に興味はあるけど・・・ボクはこういうファンタジーな世界でのびのびとカタツムリ旅行したかったのだ。でもノーヴェルは初心者の勧誘以外にも様々な悪行が横行している。だから、渚に護衛をお願いしたってのもある。

それに、現地ナルナル民が悪さするとも限らないし・・・

 

「まずは装備品と旅行道具なんだけど・・・」

 

「それなら、私の店などいかがでしょう」「うわ、でたナルナル上位親衛隊のⅤ番、先回りのヴィーニャ。」≪またお前か、壊れるなぁ≫「いえいえ、先回りなどではなく私がやってたらナルナルさんが来ただけって何度も説明しましたよね!?」≪ある意味ナルナル上位親衛隊のマスコット≫

 

「じゃあ、ヴィーニャさんのお店にレッツゴー!!」

 

========================

 

有名な商店街のマップが使えない迷路のような裏道(ダンジョンってハカモリは言ってた)を通って、一見怪しそうな店にヴィーニャさんが入っていく。

”酒場 クリール”。なんだかすっごい怪しい雰囲気。すると、ハカモリさんがズンズンと店に入っていく。ボクもその後ろについていく。

ちなみに現地ナルナル民の皆は、別行動している。

 

≪酒場とか怪しいっ・・・≫≪ここ、結構有名なんだぜ?最上層からわざわざここに来るって奴もいるし。≫【私もここの常連ですね】≪知る人ぞ知る名店ってわけだ≫『常連さんにはよく来てもらってうれしいですよ』『ほほう。お前普通に楽しんでるのか?』『なんだ悪いか』『いやいい』≪上位親衛隊同士の会話・・・なんか闇を感じた≫≪上位親衛隊ってヤバい奴しかそろってないからなぁ・・・まぁ、仲がいいけど≫

 

そんなことをおいといて、店の中に入ると・・・いかにもゴロツキやチンピラみたいな人たちが入って来た私たちを睨みつけていた。

う、うわぁ・・・怖い。

 

≪まじかよ・・・闇傭兵ベールニル、始末屋ラットマウス、死霊使いカスールまでいる。SSクラスの危険人物じゃねぇか≫

 

「往々、誰かと思えばルーキーじゃねぇか。懐かしいなぁ。」

 

その怖い人たちの中で一番大きくてすごく硬そうな鎧を着ている人がハカモリの前に立つ。

ハカモリは手紙を差し出し・・・

 

「へぇ、その後ろの嬢ちゃんの旅行道具を見繕ってくれって??」

 

その紙を見た後、視線を低くして私をみる。

その目は値踏みしているようにも見えて、かなり怖かった。

 

「・・・」( 一A一)

 

「なに、目線が怖くて嬢ちゃんが震えてるって?がっはっは!!コリャぁいけね!!」

 

その人が笑うと、周りの人たちが騒ぎ出す。

 

「おめぇはいつもそうだな!!!そんなんだから客逃がすんだよ副団長!!」

 

「がっはっは!!いつも眼帯してて怖がられてる中二野郎には言われたかねぇわ、ベールニル!!」

 

≪あ、あれ?意外と、和やかな雰囲気。≫【あれ、確かこの面々って・・・あぁ、なるほど】

≪知っているのか広報担当!!≫【私の口からは言えません】[こいつ楽しんでいやがる]

 

さっきまでの威圧する雰囲気から一転、まるで和気あいあいとした空気が流れだす。

なんだか怖い雰囲気だったのに・・・

 

「悪い悪い、で・・・あんたが噂のナルナルさんかい?」

 

「は、はい!そうですっ」

 

「お前ら、宴会だ!!有名人が来てくれたぞ!!」

 

「それ、この前もやったからなしですよ」

 

「げぇ、そんなこと言わずに頼むよ団長ぅ。」

 

「おめぇらが宴会するせいで酒代ナンボすると思ってんだ!!そんなに飲みたきゃさっさと仕事してこい!!」

 

≪ヴィーニャさんが怖い・・・≫『ヴィーニャは普段温厚な分、怒るととても怖いんだ。』

≪え、え?どういうこと??≫

 

まるでコントを見てるようなことになって来た時コメント欄もボクも混乱しだす。

あ、あれ?こういう雰囲気のお店ってゴロツキがおおいんじゃ・・・

 

「はぁ・・・まあ、ようこそナルナルさん。私たちのギルド”暗躍亭”に。」

 

≪暗躍亭って、ハカモリが所属してるどこにあるか分からないギルドか!!≫

 

「・・・」( ・ω・)

 

「わかってますよ、ハカモリさん。あくまで新人の勧誘回避と、装備品と道具の販売。メンバー加入はナルナルさんの意思ですよね?」

 

「がっはは、そう思って。マウス、できたか?」

 

さっきまで怖い雰囲気を出していた女性がいつの間にか可愛らしいリュックと傘のようなものをもってきていた。

 

「もちろんよ!ナルナルちゃんの情報みてこれだって思った奴を仕立てたわ!」

 

≪これは似合いそうだ≫≪カワ(・∀・)イイ!!≫≪いいねぇ、支援絵が捗る≫

≪案外SSランクの危険人物ってのは間違いなのかも・・・≫

 

「うふふ、ありがとね。ナルナルさんの視聴者さんたち。あ、あとナルナルちゃん抱き着いていい?」

 

「え、だ、大丈夫ですけど・・・うわっ」

 

「きゃー!!いい匂いですっごくお肌すべすべ~!!髪もフワフワでさいこう~」

 

「・・・」(*'ω'*)

 

≪ゆ、百合?百合なのかこれ≫≪ナルナルはハカモリ一筋だから浮気ではないだろう・・・≫

≪言ってハカモリもナルナル一筋っぽいし・・・てかハカモリが正婿の余裕出してる≫

≪あれ、ナルナルが男の娘だっけ?ハカモリが男の娘みたいに思えてきた≫

【素晴らしいものを私は見た】≪やっぱりSSクラスの危険人物ただのにぎやかな人じゃないか≫

 

ボクは抱き着かれてマウスさんに抱き着かれる・・・あ、あのすごく柔らかいものがあたってます。ちょ、ハカモリ助けて・・・

 

「・・・」( ゚Д゚)

 

「あ~ら嫉妬?みっともないわよ?ルーキーくぅん」

 

≪キマシタワー≫≪黒の終焉でも嫉妬するのか・・・( ..)φメモメモ≫

【ごちそうさまです】[何を想像した!言えっ、言えっ!!]

 

マウスさんが抱き着いている反対・・・つまりボクの背後からハカモリが抱き着く。

前からも後ろからも柔らかいものが・・・あ、意識がとお・・・

 

「おいおい、そこらへんにしとけマウス」

 

「はぁい、旦那様。」

 

副団長さんがマウスの肩を掴んでボクから引き離す。

って、副団長さんとマウスさんってご結婚・・・

 

「まったく、抱き着くならいつも俺に抱き着けって言ってんだろうが」

 

「うふふ、ごめんなさい。あ・な・た?」

 

≪これは熟年夫婦ですわー≫≪お熱い・・・≫

【ゲーム内だけじゃないですね】

 

マウスさんはそう言って副団長さんにしがみつく・・・あれ、抱き着いてるのかな?

ほらハカモリもう大丈夫だから、おろして・・・

 

「ああ、あとナルナル嬢。」

 

「な、なんでしょうか・・・」

 

副団長さんが懐から鈴のようなものを取り出す。

その鈴には”酒場 クリール”という文字が浮かんでおり、不思議な力を感じた。

これって・・・

 

「もし、ピンチになったらその鈴を鳴らしな。いつでもここにワープする。」

 

「まあ、ルーキーくんが守ってくれるなら大丈夫だろうけどね~」

 

「・・・」( ・´ー・`)

 

「でもルーキーくん、油断はだめよ?」

 

「・・・」('A')ゞ

 

≪やっぱり、黒の終焉ってかわいくない?≫

≪≪≪わかる≫≫≫

 


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