ランキング外の最強の嫁は生産職のライブ配信者とのびのびカタツムリ旅行します 作:ライドウ
ナルナルは寝起きが悪い。
長いこと電車に揺られて車窓の向こう側は夜の帳が覆っていた。この電車はどうやら一日使う方のコースだったらしく、渚が秘密裏に手配していたらしい。
「サプライズ、気に入ってくれた?」
そう言って渚がギュッてしてくる。
僕はそれに、嬉しさのあまり頷くことしか出来なかった。
小さい頃に1度だけ、同じような電車に乗ったことがあったのだ。それも、今はもう居ないおじいちゃんおばあちゃんと一緒に数時間だけのちょっとしたお出かけ。
お父さんとお母さん、弟と妹の全員で、どこかに行った記憶があるのだがそこから先は、事故の影響で覚えていない。
小さい頃の記憶で残っていたのはたったそれだけ・・・けれど、今は居ないおじいちゃんとおばあちゃん、そして可愛かった弟と妹がしっかりといたという大切な記憶だ。
「・・・っ」
もうおじいちゃんとおばあちゃん、弟たちは居ない。そう思うと、胸が苦しくなる。
それを感じ取ったのか渚はちょっと抱きしめる力を強くした。
「大丈夫、私は居なくならない。ずっとナシアの隣にいるから。」
「その割には、迷いの森で迷子になってるみたいだけど?」
「ウッ・・・」
ちょっと顔を面白くさせた渚は、拗ねながら僕の頭に顎を乗せた。ちょっとだけ重いけど、けれどどこか心地よく感じた。渚の温もりが肌を通して伝わってくる。
「ねえ、渚。」
「なに?」
渚の腕の中でモゾモゾと動いて渚と向き合いながら抱き合う。そして渚に体を預ける。
「好き。」
「・・・あぁ、私もだ。」
いつかのカッコイイ渚も、今の可愛らしい渚も大好き。
この技術が進んだ世界で、死なんてよっぽどの事がない限りありえない。けれど、いつか離れてしまうであろう渚を離さないように、渚の首に腕を回す。
「・・・何、がしたいの?」
凛々しく微笑みながら僕の頭を撫でる。
多分渚の中でもスイッチが入っているけど・・・こういう時の渚は本当にいじわるだ。
「わかってるくせに」
「言ってくれないと分からないさ。」
そう言いながら腰周りに手を回して、撫でてくる。
ゾクゾクって来て、ちょっとだけ悪いことをしてる気分になる。でもね、渚・・・今日はちょっとだけ、僕がリードしたい気分だ。先にキスされる前に、渚にキスをする。
「!?ちょっ、まっ・・・んんっ!」
クールな渚がすぐに崩れてあふにゃふにゃになる。
いつもされてばかりの僕からやられて混乱しているみたいだ。可愛らしい、そう思うと同時にいつもとは違うゾクゾクを感じる。乱れ始めた渚が酷く色っぽく見える。
「っー・・・はぁ、はぁ・・・」
「かわいい・・・」
渚は完全に僕が積極的になることを予測していなかったようで目をトロンと蕩けさせる。
「今日は、僕がするから。渚は力を抜いてて、ね?」
「う、・・・うんっ。」
顔が真っ赤になりながも返事する渚。
そんな渚に再びキスをするのであった。
みんなが望んだイチャラブだよ。
今回は、ナシアと渚の立場が逆転したよ。
ほら、尊(サラァッ・・・