ランキング外の最強の嫁は生産職のライブ配信者とのびのびカタツムリ旅行します 作:ライドウ
なんのことですか?(すっとぼけ)
ボクが率いているキャラバン隊は順調にザルダトヘマスル山を登っていた。
何ならついてきてる馬車の揺れが想像以上にハードらしく。参加プレイヤーの大半がグロッキーになっている。
対してボクは、あの一撃クマにまたがって移動してるのでそんなに揺れていないから正直に言うと余裕である。ハカモリは、うん、言わずもがなすっごい元気。
ハカモリの配信から来た人たちも必死に”歩いて”山を登っている。
・・・なんか少し寂しいな。
「ハカモリ~」
「・・・?」
「だっこ」
ナルナル民245:キマシタワー
ナルナル民234:薄い本が厚くなりますね!!
ナルナル民001:コノシュンカンヲマッテイタンダー
ナルナル民004:全員、吐いた砂糖を入れるバケツは持ったか―!!
ナルナル民276:衛生兵の派遣を要請します!!
フジガネP:全員、対尊い姿勢!!
騒ぐコメント欄を無視して、ハカモリをまつ。
仕方がないなという感じで、一撃クマにそっとまたがりボクを膝の上にのせる。
それだけだとちょっと寂しかったので、ハカモリを背もたれに体重をかける。
多分軽いから余裕だと思うし、何よりそれをしてると幸せなのだ。
「えへへっ。」
「・・・・・・」(仮面を外してそっと微笑む)
ちょっとだけ寂しかったから、ハカモリに頭をスリスリするとなでてくれる。
やっぱり、ハカモリのなでなでが一番落ち着くしお気に入りだ。
ちらりと、コメント欄を見ると大体の視聴者が「てぇてぇ」としかコメントしなくなっていた。
後方の馬車からは悲鳴にも似た歓喜が起こっていて何も知らない初見さんたちはなんだなんだと慌てだす。
多分あの初見さんたちもそのうちナルナル民みたいになるんだろうなぁ・・・
そんなことを考えつつ、一撃クマの”クマきち”の心地の良い揺れの中、ボクはハカモリの腕の中でゆっくりと眠りに落ちていった。
==============
side:ハカモリ
すぅ。すぅ。とナシアの可愛い寝息が聞こえてくる。
自立型のカメラドローンはその様子を撮影しており、ナルナル民の彼らがコメント欄でまだまだ騒ぎ立てる。ある意味寝落ち配信なのだが、まあナシアは昨日色々頑張ってたしなぁ・・・
そんなことを考えつつ、カメラに向かって静かにするようにジェスチャーをする。
すると、コメント欄は多少の騒がしさはあったものの私のジェスチャーを理解したからか音が鳴るタイプのコメントは控えるようになり始めた(配信サイトのSEでコメントに色々な音が付けられる)
それに、私の配信の視聴者たちもどうやらナシアの可愛さに心打たれてるようで、コメント欄が色めき立つ。多分、今回の旅についてきた人たちも同じ状態になっているだろう。
そう思いつつ、ちらりと私に最初から挑む気で付いてきた視聴者たちを見る。
全員が、私が課したこの山を徒歩で登りきる。という課題にヒィヒィ言っているようで、顔面蒼白。その余裕はないみたいだ。3人ぐらいの生意気そうなキャラクリエの人物がこっちをにらんでくるが。
余裕の笑みを浮かべると、顔を赤くして背けてしまった。
「ふふ・・・」
そんなことより、ナシアが頭を摺り寄せてきて。ちょっとだけくすぐったいな。
そう思いつつ、ナシアの左手と自分の左手をそっとつなぐのであった。
さて、そろそろあの狼たちが現れるけど。大丈夫かな?
ナルナルとハカモリにやってもらいたいことを募集します。
ちなみにまだ第1章は突破していません。
だからナルナルモーニングラジオはお待ちください。