the blue   作:N ignite

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コロナの影響で休校や休業になって自宅にいる時間が増えた方もいると思います。私が住んでる地域にもそろそろコロナが本格的に猛威を振るうのではないかと心配になっています。皆さんもどうか体調に気を付けてお過ごし下さい。
あ、因みに今回から次回予告を追加することにしました。是非、そちらもご覧下さい。


14話 始動

俺は職員室の如月先生の元へ行き、部活を立ち上げることの説明と、顧問の依頼をした。結果、如月先生が顧問を引き受けてくれることになった。

その後、職員室の前にいたメンバーと合流し、部室の交渉に行った杏花を教室で待つことにした。放課後ということもあり、教室には誰一人いなかった。

「さて、杏花には俺達が教室にいるってことをLINEで言っておいたし、あとは戻って来るのを待つだけだな」

LINEの送信ボタンを押し、俺はスマホをポケットに入れた。

「杏花が戻って来るまで暇だね〜」

椅子に座り、退屈そうに藍はそう言った。

「そんなに時間はかからないと思うけどな」

結果が良かったとしても、悪かったとしても、杏花はすぐここに来るのではないかと思っている。

「私、部活は初めてなのでなんだかワクワクします!」

キラキラと目を輝かせ、心からそう思っているであろう言葉を花宮さんは口にする。

「そうだな…、俺も正直楽しみだ」

心底楽しそうな様子の花宮さんを見ていると、自然と表情が緩み、俺まで楽しい気分になってくる。

「そういえば、部長って決まってるの?」

あまりに退屈なのか、いつの間にか藍は自分のスマホでゲームを始めていた。

「…いや、誰が部長なのかはまだ決めてなかったな」

俺は両手を腰に当て、藍の問いに応じた。

「後で決めるのも面倒だし、今決めちゃおうか。…誰がいいかな……」

顎に手を添え、考える。

 

 

 

まず、藍はあり得ないな。

真っ先に頭に浮かんだ。理由は簡単。

こいつが部長になると、部がどうなるか分かったもんじゃない。魔改造に魔改造を重ね、いずれは部が崩壊してしまいかねない。

 

次に花宮さん。

俺としては向いているのではないかと思う。本人も部活に対するやる気があり、また彼女の性格上、部が崩壊することはまず無いだろう。

しかし、彼女は部活そのものが初めてだ。そんな彼女に、いきなり部長という立場は少々荷が重いのではないだろうか。

 

そして杏花。

こいつはかなり向いてると思う。杏花はクラスで学級委員をしていて、皆をまとめたりするのは得意なはずだ。杏花も花宮さん同様真面目な性格なので、部長としての仕事も難なくこなせそうだ。

だが、杏花は学級委員としての仕事がある。杏花一人で二つの仕事をこなすのはさすがにきついだろう。

 

瞬はまだ一年生。やる気と熱意はあるが、一年生に部長を任せる訳にはいかない。

 

 

____________となると……

 

 

 

 

 

 

 

俺があれこれと思考を巡らせていると、

「はいっ!」

何かを閃いた様子で花宮さんが手を挙げた。

「ん?花宮さん。どうかしたの?」

俺は一度思考を中断し、花宮さんに視線を向けた。

「私、部長は流川さんがいいと思います!」

花宮さんは明るい表情と声色でそう言った。俺の名前が出てくるとは思っておらず、俺は目を見開き、間の抜けた声をあげて聞き返してしまう。

「お、俺?」

うんうんと二度、三度頷く花宮さん。

「俺も!部長はアニキがいい!」

俺の隣に立つ瞬まで、そんなことを言い出した。

俺はうーんとしばし考え、言った。

「皆がそれで良いなら、俺は構わないけど……」

そこで全員の視線が藍へと向かう。藍は変わらず気だるげな様子で

「良いんじゃな〜い?湊なら」

そう答え、ふわぁ〜……と欠伸をした。

 

…………こいつ、真面目に部活をする気はあるんだろうか

 

この先が思いやられるが、俺は頭を振って気持ちを切り替えた。

「まぁ、正式な決定は杏花が戻ってきたらすることにしよう」

俺の言葉に全員が頷き、賛成の意を示す。

 

 

 

 

「ごめ〜ん。遅くなっちやった!」

あれから数分、息を切らせた杏花が教室に戻ってきた。

「お疲れ、良いところに来たな」

「お帰りなさい、杏花ちゃん!」

俺達二人が杏花に労いの言葉をかける。

「良いところって、何かあったの?」

まだ息が整っていない様子で杏花は俺に尋ねた。

「あぁ、この先のことについて色々話し合ってたんだ。……それで、部室はどうなったんだ?」

額の汗を拭い、息を整えた杏花は、

「うん!とっておきの場所、ゲットしてきたよ!」

盛大なピースサインと共に、朗報を告げた。

「と、いうことは……」

確かめるように俺を見る花宮さん。俺は微笑みながら頷いた。

「あぁ、これで正式に『スペルリサーチ部』を立ち上げることが出来る」

花宮さんと瞬はだんだんと喜びの表情に変わり、

「「やったぁー!!」」

放課後の教室に、二つの歓喜の声が響いた。

輝くような眩しい笑顔を浮かべる花宮さんがハイタッチを求めて手を挙げ、俺はそれに応じ、花宮さんと喜びを共有した。

 

 

 

「━━で、その部室ってのは何処なんだ?」

しばらくして皆が落ち着きを取り戻したところで俺は杏花に尋ねた。

「それがね、運動部の部室がたくさんある建物があったよね?」

あまりピンとこない様子で杏花は答えた。

「部室がたくさん……。あぁ、『クラブハウス』か」

うちの学校には、グラウンドの近くに運動部の部室が一つの建物に集合している。俺を含めほとんどの生徒がこれを『クラブハウス』と呼んでいる。

「そうそれ!そのクラブハウスの二階にちょっと大きめの部屋があって、そこを使っていいみたい」

「なるほど、じゃあ一度行ってみるか。掃除が必要かもしれないしな」

殆どが賛成するが、藍は反対した。

「えぇ〜、めんどくさいし、明日で良くない?」

「お前は明日になってもやらないだろ。ほら行くぞ」

文句を垂れる藍を引きずって、俺達は部室へと足を運んだ。

夕日が傾きかけている中、俺の隣を歩く花宮さんが微笑を浮かべた………ように見えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




如何だったでしょうか。
しばらくはこんな感じでほのぼのとやっていくかもしれません。


〈次回予告〉
部室へと向かった少年少女達


期待と共にその扉を開く


しかし、彼らは惨劇を目の当たりにする


彼らが選ぶのは逃避か?抵抗か?



次回「魔境」


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