the blue   作:N ignite

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大変遅くなりました。
内容を考える→思い付かなくてゲームに逃げる→また内容を考える
の繰り返しで時間がかかってしまいました。

実はこの小説の他にもう一つ小説を投稿したいと考えています。二つの小説を同時に連載するのは難しいので、今はこの小説に集中したいと思います。


では、16話 どうぞ!




16話 意外とチョロい

「ありがとうございます。付き合ってもらっちゃって」

「これくらい気にしなくていいよ」

部室の掃除を終え、俺と花宮さんは帰り道の方向が一緒ということで二人で帰路を辿っていた。途中で買い出しの為、花宮さんはスーパーに寄ると言い出し、俺はそれに同行した。結構な量を買い込み、パンパンになったレジ袋を両手で持ち上げようとするが、だいぶきつそうだ。俺は代わりに持つと言って花宮さんの手からレジ袋を受け取った。

スーパーを後にしてからも、花宮さんは申し訳無さそうに頭を下げてくる。俺は気にしなくていいと言っているのだが、本人はそれなりに気にしているようだ。

「本当にすみません。持って貰っちゃって……。重くないですか?」

今もまた申し訳無さそうな顔をする花宮さん。

「これくらい余裕だよ。そんなに気にしないで」

俺は軽々と持っているが、花宮さんにとってはなかなかに重労働なのだろう。そう考えると、これを花宮さんに持たせる訳にはいかない。

「そういえば、こういう買い出しっていつも花宮さんがやってるの?」

無理矢理話題を変えようとして、俺は花宮さんに尋ねた。

「いえ、普段はお母さんがやるんですが、今日は仕事が遅くなるって言ってたので今日の晩御飯は私が作らないと」

「へぇ、それはご両親も喜んでくれるんじゃない?」

花宮さんはえへへ、と照れくさそうにはにかむ。その様子が可愛らしくて、ついじっと見てしまう。

「流川さんは、お家でお料理するんですか?」

「あぁ、料理は殆ど俺がやってるよ。家は両親が忙しいからさ」

ぱっちりと目を開き、驚きと感心が入り交じった表情を見せる花宮さん。

「すごいです…!お料理、得意なんですか?」

「得意と言うか、まぁ人並みには出来る方だと思ってるよ」

そんな雑談を繰り広げながら二人で歩く。やがて花宮さんの家にたどり着き、俺達は「花宮」と書かれた表札の前で立ち止まる。「今日は本当にありがとうございました!」

俺からレジ袋を受けとり、深くお辞儀をした。

「俺で良ければ、またいつでも力を貸すから」

ぱぁっと弾けるような笑顔を浮かべる花宮さんに手を振り、俺は身を翻して歩きだした。

 

 

 

 

 

 

翌日、放課後に部室へ集合した俺達は、今後どのような活動をするのか話し合っていた。

「今後の活動方針だが…、主に二つの活動を考えてるんだ。一つ目はこの部室で各属性の魔法について調べたりまとめたりする。二つ目は実際に魔法を使って技術の向上を目指す」

「つまり座学と実習ってこと?それってめんどくさくない?」

早速文句をつける藍。こいつがめんどくさがりなのは知ってたが、まさかこれほどとは思わなかった。

「じゃあ逆に聞くが、お前は何がやりたいんだ?」

「う〜んとね、お菓子食べたい!」

「何しに来たんだお前は」

秒でツッコミを入れる。こいつは部活が何なのか理解してるのだろうか。

「えっと…、私は流川さんに賛成です」

おずおずと手を挙げる花宮さん。それに続いて瞬、杏花も手を挙げて賛成の意を示す。

「俺も、アニキに賛成!」

「と言うか、藍以外は皆賛成だけどね」

これで四対一、圧倒的にこちらが有利だ。さぁ、どうする藍。

「………………おやすみ」

ぱたんとテーブルに伏せる藍。

「……寝たな」

「……寝ちゃいましたね」

「……寝ちゃったね」

「……寝ましたね」

 

俺達四人は額を寄せあい、作戦会議を開始した。

「…どうする?藍はああなっちまったら手が付けられないぞ」

「…そもそも藍先輩ってあんなにマイペースでしたっけ」

「いや、ここまでヒドイのは始めてだよ」

「一体どうすればいいんでしょう?」

長い議論の末、俺達はある作戦を実行した。

 

「……ホントにこんな作戦でうまくいくのか?」

「でも、やってみる価値はあると思うよ」

思い付いた作戦は至って地味。

お菓子で釣る、ただそれだけである。

「じゃあ、まずはこれを使おう」

そう言って俺が取り出したのは一つの飴玉。以前藍が食べたものとは違う、ちゃんとした甘い飴玉だ。

「お〜い藍。飴やるから起きろよ」

人差し指と親指で摘まみ、横に振ってカサカサと音を鳴らす。

「……(ピクッ)」

僅かながら反応を見せる藍。しかし動きはすぐに止まり、藍は再び寝入った。

「……駄目か」

「他のお菓子も試して見ましょうか」

続いて花宮さんが桃味のグミを手に取り、藍に近づく。

「藍ちゃ〜ん。グミ食べますか〜?おいしいですよ?」

グミを藍に近づけ、匂いで釣ろうと試みる。

「……(チラ)」

「お?」

顔を微かに上げ、グミを吟味するように見る。

これはいけるんじゃないか?と思ったのも束の間、またしても藍はお菓子に飛び付かなかった。

「うぅ…、失敗してしまいました……」

しょんぼりと肩を落とす花宮さん。よしよしと杏花に慰められている姿が何とも微笑ましい。

「グミでも駄目か……。他には何か無いか?」

「ふっふっふ…。こうなったら…!」

何かを確信したように杏花が不適な笑みを浮かべている。その手に握られていたのは……。

「それは……チョコ?」

「そう、藍がチョコを前にして食らい付かなかったことは無いからね。これならいける…!」

杏花はそのまま藍の耳元へ忍び寄る。

「ら〜ん?チョコだよ〜。ほらほら〜、甘〜いチョコだよ〜」

「…………(ビクッ)」

"チョコ"という単語に分かりやすく反応を見せる藍。カクカクと機械のような動きで顔を上げ、その視線は杏花の持つチョコに真っ直ぐ向けられていた。

「あぁ…、チョコ……、チョコぉ……」

飢えた人が食べ物を求めるように手を伸ばす。しかし、チョコは藍の手に収まることなく杏花によって遠ざけられる。

「このチョコが欲しければ、ちゃんと部活に参加すると誓うのだ!」

こくこくと小刻みに頷く藍。半開きの口からは今にも涎が出てきそうだ。

「なら、よし!」

お預けをされた犬の如くチョコに手を伸ばし、包装を剥がして口の中に放り込む。

「んぐんぐ……、ん〜〜〜〜〜〜!!!」

チョコを咀嚼し、幸せそうな顔をしている。

「こいつ…、そんなにチョコが好きだったのか」

「チョコは藍の大好物、そして今は藍のお腹が空いている時間帯!そんな空腹状態の藍が大好物に釣られないわけがないよ!」

何で藍が空腹になる時間帯を知ってるのか疑問だが、口には出さない。

「チョコ、大量に用意しておかないとな…」

さすがに部費から調達するわけにもいかない。ここは俺が出費を出すしかないのか、トホホ……。

 

 

 

 

 

「何はともあれ、これで藍もやる気を出した。とりあえず今日は今後の方針を決めて、明日から本格的に活動に移るか」

「それで、今後は具体的に何をするんですか?」

「そうだな………」

 

まだまだ問題を抱えた部活ではあるが、これから少しづつ成長していくのだと考えると、頑張れそうな気がする。

「俺も、成長しなきゃな……」

誰にも聞こえないように、俺はそう呟いた。

 

 

 

 

 

 

 

 




如何だったでしょうか?
出来るだけ早い更新を目指していますが、なにしろ即興で内容を考えているので時間がかかってしまいます。

そういえば、キャラが多くなったので、分かりやすいようにキャラ紹介を追加した方が良いのではないかと思っています。必要であるか、そうでないか 是非コメントで教えて下さい。


〈次回予告〉

今度こそ活動を開始したスペルリサーチ部。

最初に課題としたのは「エアリアル・スペル」

少女は願った。

━━━私も、あんな風に飛べたら━━━━

伸ばした手を、優しく包み

少年は、言った


次回 17話「一人で駄目なら」


閲覧ありがとうございました!

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