予想以上に予定(主にゲーム)が多く、執筆の時間があまり取れませんでした。
最近、猛暑が続いていますので、熱中症にならないように気を付けないといけませんね。
皆様も体調に気をつけてお過ごしください。
では、24話どうぞ!
「……くっ…!」
何だ……?
俺は、何と戦っている……?
そう思わずにいられないほど、
雪峰凍也は、強い。
序盤は、俺達がリードを握っていた。
俺の作戦通り、真良は俺達の動きについてこれなかった。そのまま早々に三人を戦闘不能にし、更なる優位を得た。
「まさか…これほどまでとはね」
彼がが不敵な笑みを浮かべ、つい身構えてしまう。
「だけど、このままでは終われない!」
「ッ!」
彼の目つきが、変わった。凍てつく眼光が、俺を射る。
「なんて気迫だ...」
握った拳にじんわりと汗がにじんでいるのが分かる。
あまりのプレッシャーに息を呑む。
…だが……
「俺達も、負けるわけにはいかない!」
遥、瞬、藍、希が一斉に頷く。
俺達五人に対して向こうは雪峰さんと月夜さんの二人。決して楽な相手ではないが、皆の力で得た優位を無駄には出来ない。
「僕の全てを、君達にぶつける」
前傾姿勢をとり、突撃のモーションに入る雪峰さん。
「来るぞ!」
俺の合図でそれぞれが構え直す。
突撃を正面から抑え、隙をついて反撃すべく魔力を集中させる。
「さぁ、勝負だ!」
瞬間、フィールドに吹き荒れたブリザードが姿を現し、真っ直ぐに俺へと襲いかかる。
「は…速い!」
速いだけじゃない、氷と風の魔力を纏い、威力を増大させている。
「(これを受けたら、ただでは済まない!)」
瞬時に悟った俺は、声を張り上げた。
「全員、回避!」
皆に指示し、俺も上へ逃れようとした、
しかし、それよりも先に俺の横を風が吹き抜けた。
まるで、時をも凍らせるような―――
「し…しまった!」
そこで風の正体に気付いた時には、もう手遅れだった。
振り返った俺の視界に映ったのは、零距離で魔法を受け、戦闘不能になった希だった。
「な……!」
「うそ……!あの一瞬で……」
俺達が驚愕する中、雪峰さんがゆっくりとこちらに向き合う。
その口元には微かな余裕の笑みが浮かぶ。
それとは対照的に焦燥感に駆られている俺。
「(一体…どう戦えばいいんだ……!)」
今も頭をフル回転させ、打開策を探す。
恐らく、俺達の作戦は通用しない。かと言って、新たな作戦を考える猶予も無い。
俺の胸を更なる焦りが浸食する。
「(もう、勝ち目は無いのか…)」
そう諦めかけた時、俺の頭にあの時の記憶が蘇る。
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『ッ……!はぁ…はぁ…』
肺が潰れそうなほどに苦しい。それでも必死に酸素を取り込む。
目の前に迫る炎の追跡弾を紙一重で躱し、よろめきながらも体制を立て直す。
『湊、大丈夫か!?』
葵葉さんの声に何とか頷くが、俺の体は蓄積された疲労とプレッシャーでかなり消耗されていた。
『無理だよ…。こんなの勝てっこないよ…!』
相手は九州代表に何度も選ばれる程の実力者だ。俺のような子供が到底勝てるような相手じゃない。
『湊、私はお前に、諦めることを教えた覚えは無いぞ』
『え……?』
一歩、ニ歩、そして三歩。葵葉さんは前へ進む。
見上げた先の背中は、いつもと違いとても頼もしい。
『よく見ておけよ、湊。勝負は、諦めない奴が勝つってことをな』
それだけ言い残し、葵葉さんは単身、敵陣へ突っ込んでいく。
『ちょっ…!』
すぐに後を追おうとするが、藤兄に制されてしまう。
藤兄は無言で首を振る。黙って見ていろ、と言いたいのだろう。
俺は諦め、遠くで一人戦う葵葉さんを見守った。
その姿はまさに獅子奮迅と言った様子で、相手との人数の差を感じさせないものだった。
相手の攻撃を確実に躱し、鋭い一撃を叩き込む。
相手が五人だろうと怯むことなく、葵葉さんは果敢に攻め続ける。
決して諦めないという、強い想いが葵葉さんの力となり、その身体に宿っている。
『湊!』
一際大きく飛んだ葵葉さんが、俺へと真っ直ぐに手を伸ばす。
『来い!』
まるで、小さな子供が友達を誘うように。
実に楽しそうに、笑う。
勝ち負けよりも大切なこと。
心から楽しむこと。
あの人は、SCを誰よりも楽しんでいる。
『ッ!』
俺はその手に引かれるように飛び立った。
その後のことはよく覚えていない。
唯一覚えてるのは、“楽しい”ということだけだ。
いつからか沸き起こっていた歓声も、相手の声も、藤兄達の声ですら、俺には届いていなかった。
ただ、楽しいという感情のままに飛ぶ。
俺達は最後の瞬間まで、一緒に笑っていた。
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「…そうだ」
いつだってそうだった。
俺が葵葉さんから教わったのは、単にSCの技術だけじゃない。
精神面においても、俺が学んだものは多かった。
……そのはずなのに
「すっかり忘れてたな。心がたるんでる証拠だ」
自分の落ち度にため息をつき、そのまま深呼吸をする。
「……よし」
己の恐怖心を打ち捨て、楽しむことだけに気を向ける。
次第に、俺は自然と笑う。
前へ進み、正面から向かい合う。
「…何か、策でもあるのかな?それとも、諦めて開き直ったかな」
「あぁ、諦めたさ。諦めることを、な」
俺につられたのか、雪峰さんの顔にも笑みが浮かぶ。
「今の君とは、良い勝負が出来そうだ」
同時に後ろへ飛び、互いに距離をとる。
「皆は月夜さんの相手を頼む!」
三人に指示を送り、俺は再び目の前の相手に対峙する。
足を前後に開き、軽く前傾姿勢をとる
両手に魔力を集中させ、魔力が溜まるのを感じた瞬間、強く地を蹴る。
「ッ!」
右手を後ろに伸ばし、風魔法を展開させ、ブーストをかける。
雪峰さんに避ける様子は見られない。正面から受け止めるつもりらしく、氷魔法を体に纏っている。
あの厚く硬い壁を突き破るべく、左手を握り、真っ直ぐ前に突き出す。
俺は音速の如き速さで飛び、尚も加速する。
ぶつかる風と氷。
ぶつけ合う魂と魂。
「う…おぉぉあぁぁぁぁぁっ!!!」
「は…あぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」
二つの声が響き、交差する。
轟音とともに発した光が、フィールドを眩く包み込んだ。
如何だったでしょうか?
個人的にこの物語は1章と2章に分けたいと思ってるのですが、どこで分けたら良いのか悩む毎日です。
分けるとしたら、そろそろ1章が終わりそうなんですよね(短すぎるのは気にしてはいけない)
あ、因みに大体のストーリーは思いついてるのでその点はご安心を(?)
そういえば最近は戦闘シーンばかりで日常シーンが少ないですね。あくまでも学園恋愛日常物語という設定なので、バランス良くやっていかないといけませんね。
と言うわけで次回からは再び日常に戻っていきたいと思いますので、よろしくお願いします。
〈次回予告〉
遂に決した勝者
再び同じフィールドで合間見えることを誓い、
少年は更なる高みを目指す――が、
冷泉学園SC部の前に新たな障害が姿を表す
次回「越えろ期末考査」
是非、ご覧下さい!