the blue   作:N ignite

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6話 飛べるようになりたい

「で、あるからして……」

お決まりの台詞と共に教壇に立つ教師は黒板にチョークで板書をしていく。今は国語の授業をしている。俺の隣に座っている遥とその前に座っている杏花は真剣にノートをとっているが、俺の前に座っている藍は、堂々と机に伏せている。しょっちゅう寝てるのにテストでほぼ毎回100点を取っているのが不思議でならない。

などと考えつつ、俺もノートをとる。やがて授業の終わりを告げるチャイムが鳴り、昼休みに入った。

「さて、飯にするか」

「流川さん、一緒に食べませんか?」

俺はバッグから弁当を取りだし、

「あぁ、もちろん。ほら藍、起きろ、飯だぞ」

未だ眠っている藍を起こした。

「んぁ〜、何?夜這い?もー湊ったら〜w」

「お前ずっと寝てろ」

藍の後頭部に軽くチョップする。

「あいたっ、ごめんごめん冗談だって」

「まったく……」

女子とは思えない発言に呆れてしまう。

俺達はそれぞれの机をくっ付け、弁当を広げる。

「湊、唐揚げ一個ちょーだい!」

「あっ、お前!俺の自信作を!」

「まぁまぁ、あたしの煮物あげるから!」

俺は苦笑し、藍と交換した煮物を口へ運ぶ。

……悔しいけど、旨い。

「流川さんは、自分でお弁当を作ってるんですか?」

隣で弁当を食べる花宮さんにそう聞かれる。

「まぁね、家は両親が忙しいから、自分の弁当くらいは自分で作らないと」

「それ全部、流川さんが作ったんですか?」

花宮さんは俺の弁当を見て驚いたように言う。

俺の弁当のおかずは、唐揚げ、卵焼き、ミニハンバーグ、プチトマト、きんぴらごぼうといった感じだ。確かに作るのが大変そうなものばかりである。

「まぁ、料理は昔からやってたから。」

そう言って俺は白米を咀嚼する。

「料理出来るなんて、女子力高いよね〜」

コンビニのサンドイッチを頬張ながら、杏花が言う。

「そうか?」

「寧ろ、普通の女子より女子力あるんじゃない?」

いつも通り雑談をしながら、俺達はそれぞれの弁当を食べる。

 

 

「さて、確か午後は風術学の実習だったな」

食べ終えた弁当を片付けながら俺は言った。

「うぇ〜、あれめんどくさいんだよね〜」

藍が気だるげに答える。

「お前は何でもめんどくさがるからな」

「流川くん、風術学得意だもんね」

俺はペットボトルのお茶を一口飲み、

「得意と言うか、慣れてると言うか」

「風術学の実習は、どんなことをするんですか?」

花宮さんが俺に訪ねた。

「そうだな、主にエアリアル・スペルを使って実習をするんだけど、空を飛んだり、物を浮かばせたりするんだ」

「何だか、大変そうです。私はまだ自力で空を飛べないので…、早く飛べるようになりたです」

「焦る必要はないよ。エアリアル・スペルを使うことに慣れたらすぐに飛べるようになるよ」

俺が花宮さんに話していると、教室のドアがガラガラと開けられた。

「あっ!いたいた、アニキ!」

声の主は教室に入るなり、俺の元へ駆け寄ってきた。

「学校でその呼び方は止めろって言ってるだろ?」

ため息混じりで俺が答える。

「え〜、いいじゃないっすか!」

「あのなぁ……」

そこで俺達の話を隣で聞いていた花宮さんが口を開く。

「お二人は、お知り合いですか?」

「あぁ、こいつは黒瀬瞬(くろせ しゅん)。俺の後輩だ」

「はじめまして!黒瀬瞬と言います!」

瞬は小柄な体でお辞儀をした。

「見ての通り、元気だけは一人前だな」

「『だけ』って何ですか!」

俺はスルーしてお茶を飲み、

「んで、何しに来たんだ?」

瞬はにかっと笑って

「何となく!」

「帰れ」

 

 

そうこうしてるうちに、チャイムが鳴り、昼休みが終了した。

瞬は自分の教室に戻り、俺達は次の授業のため、校庭へ移動した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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