目の前の光景に恐怖を覚える。人ならざるものが父を、母を、姉を殺した。きっと、次は俺の番だろう。何故だろう…父や母や姉は殺される理由があっただろうか…殺されるような罪を犯したのだろうか…父は俺達の為に夜遅くまで働き、母はその父を支え、姉は俺が寂しい思いをしないよう遊んでくれた。何故だ…何故殺された…何故……。
「…なんで殺した……。」
「殺した理由?…理由なんてない。言うならば、運が無かった。」
「……父は…母は…姉は…お前に何かしたのか?…。」
家族を襲った男は黙り、考え込む。
「………何もされていない。…まあ、安心しろ。お前はもう食わない。」
何故…なんの罪のない父、母、姉はこいつに殺された……なんの罪もない人を殺したこいつは大罪人だ…。
近くにあった刃物を投げる。
カンッ
まるで固いものに当たったかのように音を立てて刃物は落ちた。
「ほう………ここまでの恐怖を感じても尚、攻撃をするか…気が変わった。貴様を鬼にする。」
何かをする間もなく、気づいたら男は目の前におり、指をおでこに刺した。それと同時に、想像を絶する痛みが体中から出てくる。
「ぐっあっあああああああ」
痛みに耐えることができず、意識を離す。
何処だ……ここは……声……?
「すまない、有太。私達は先に行く……お前を残して逝ってしまう家族で申し訳無い。でも…お前には死んでほしくない。生きてくれ。本当にすまない…有太。」
いいよ…お父さん…おれ…みんなの…仇…とるから。
ハッ
「……気絶していた……生きている?…。」
しかし、周りの光景を見て驚く。家の中に草が生え、皆の死体が白骨化している。いったい…どれぐらい気絶を…?
まずは外に出ようと立ち上がる。家の戸のすぐ隣に、窪みがあり、水溜りになっている。
「…なんだ…この顔…。」
顔が変わっている…だが、長期間気絶していたとすると、俺は死んだ事になっている。なら、顔はこのままで良い。
『グギギ、こんな所にガキがいるとは…ありがたい。』
後ろを振り向く。…あの鬼に気配が似ている。
『…チッガキかと思ったら鬼じゃねぇか。ア〜〜むしゃくしゃする……やっとガキを食えると思ったのに……お前、俺に殺されろ。』
……こいつは今、なんと言った……むしゃくしゃするからと、子供を殺すのか……子供を食すのか…到底許されることでは無い…
「貴様…そうやって子供を…無抵抗な人間を食らったのか…それは、到底許されることではない。死んで償え、悪鬼が。」
『ごちゃごちゃうるせ〜!!死ね!』
「血鬼術【
『わぴゃ』
『な…なんなんだ…おま』
「誰が発言を許した。黙って、罪を償え。」
もう一匹
「……あやつは、罪を償った。なりたくもない鬼になり、食らいたくもない人間を食らい、犯したくない罪を犯させられた。鬼舞辻無惨、あやつは儂が裁かなければならぬ…それが、鬼になってしまった、儂の…家族への罪滅ぼしだ。」
どんな大罪人でも、死を蔑ろにしてはならぬ。
「鬼が鬼を弔うのか。」
「…ああ、どんな罪深い者でも、どんな大罪人でも、死を蔑ろにしてはならぬ。」
「面白い感情を持った鬼だ。だが、鬼ならば殺すのみ。炎の呼吸【不知火】」
ガンっ
「……何故、攻撃をしてきた。」
「貴様が鬼だからだ。」
「儂が貴様に何か危害を加えたか……。」
「何も。だが、私は鬼殺隊、尚かつ柱。鬼を目の前にして、殺さなければ柱として名折れだ。」
「…貴様は、死者を弔うとき、喧嘩をするのか…」
「するわけが無かろう。」
「なら何故……儂に攻撃を仕掛けた!!言った筈だ!!どんな者であっても死を蔑ろにするなと!!何が柱の名折れだ!!……貴様は…人として…終わってしまうぞ…目先の欲を優先し、その結果が良いものだとしても、人として大事な物を失う!貴様は良いのか!?……せっかく人として、生きれているのに…それでは…鬼にさせられた者が浮かばれぬ……。」
「……鬼が随分勝手を言ってくれる……貴様も人を食っただろう!」
「何故……儂が人を食らわなければならぬ……自分より弱きものを…守るのならともかく、食わなければいけないのだ…。」
「!?……鬼は平気で嘘をつく、現に、その血鬼術は何だ!」
「儂を……鬼にした者に……大量に血を入れられた……儂は人一人食らっていない……。」
「……むぅ……すまない…本当の様だ…だが、貴様を鬼にしたのは…鬼舞辻無惨という鬼だ…。」
「鬼舞辻無惨……」
「!?」
「儂が裁かなければいけない鬼……許すことのできない悪鬼……。」
「お前…名前を…言えるのか…?」
「ああ、それがどうした…?」
「鬼舞辻無惨の名前を口にした鬼は殺される…。」
「何?……」
「すまないが……私に付いてきてくれないか…。」
「……分かった。」
「すまん…そうだった、名前を言っていなかった。私は鬼殺隊、
「そちらが名乗ったのだ。儂も名乗らなければな。人間名、
「隠、出てきてくれ。蓮、この手紙を御館様に。すまんが…どちらで呼べば?」
「どちらでも構わん。」
「では、夜澤殿、少しの間、拘束させてもらいます。」
「やむを得ん事態なのだろう。良かろう」
「助かります。」
ぐっ眠気が…血鬼…術を…使いすぎ…
ドサッ
「!?夜澤殿!」
儂は意識を手放した。
次回、第95代目当主
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性別 男
名前
見た目
性格 すべての関係において中立におり、どのような人にも平等に接し、扱う。人を食わず、倒した鬼を食っている。
血鬼術 感情分裂 ? ? ?
分裂体
武器 細い棒 血鬼術 裁き、罪悪心