神々の尖兵 作:揚物
テネシ王妃とフォリナ姫は無事日本の貿易中継基地にて、まずは戦争難民として正式に日本政府は受け入れを行ったころ、周辺の村々から徴兵や徴発が行われ、トロン王国は急速に兵士の数が増えていた。
潜入している自衛官から、いずれは周辺国にも同じようにトロン王国は宣戦布告を行う可能性が伝えられた。
緊急会議が行われている中、特定基地にトロン王国の王族が逃れてきたことで方針が定められた。日本として戦争は避けたい。しかし重要な分岐点でもある。
トロン王国を前線拠点として獣人族の第一退避国家として知れ渡れば、周辺国から逃げ込む亜人族も増えそこから保護が行いやすくなる。
何よりも一つの国家が亜人族への平等を公式に宣言を出し、そのように国民を教育していけば日本が全てを補う必要がなくなる。
それが軋轢となり、トロン王国から亜人族の人達を誘拐を試みたり、戦争を仕掛けようとする国家が現れれば、日本が介入すればよい。
何よりも矢面に立つ必要性がなくなるという利点が大きい。一週間にもわたる連日連夜の会議によって正式に自衛隊国外人道支援部隊の派兵による王国の奪還が決定された。
正式な会談によって臨時政府の立ち上げを承認、そして様々な条件や報酬の話が進められ、もっとも重要な条件がつけられた。
“国政への介入”
簡単に了承出来る事ではない提案、しかし国を取り戻すのならば妥当どころか安価とも言える対価。
王妃や姫の輿入れなど強制されることながないだけでも、十分すぎる。
そのほかいくつもの条件があげられ。
・亜人族への弾圧の禁止
・奴隷の開放
・オーメウス教 原典派への改宗
等、
むろん国政に介入する為、難しい問題については助言をすると提案し、数日の思案を要したが。
「条件を全て受けれいます」
テネシ王妃は自らの権限で日本の提案を受け入れた。元の生活に戻るにはそれしか道はなく、王子フェリペの居所も不明であり王族としてほかに道はない。
一方でテネシ王妃とフォリナ姫は王城の建て替えなど都市計画を依頼、多額の予算がかかる事と、歴史的建物は残してはどうかと提案もしたが、迎賓館の設備や生活の方が良いとして、日本政府はODAの一環で王城の立て直しと防護壁の更新、生活環境の整備など基本的な事を円借で行う決定もした。
武器や高度な機械道具についても輸出を依頼されたが、全て拒否をした。国民性が低い国家に技術や武力を注いでも良い結果にはならない。
簡単に暴力や盗みに出る頭の中身の洗浄など、道徳観・衛生観念など基本的な所からやらなければならないからだ。
《飢えた犬は棒を恐れず》
まずは衣食住など充実させながら教育を行い、根本的なところまで思考を変えさせる必要があった。
その頃、アメリカやロシアなど各国によって開発されている大陸では、新たに畜産に向いた動物が捕獲され育てられていた。
名称 フェルタスタイン、野生種でありながら肉質もよく、ホルスタインと似ているが温厚であり、体の大きさの割に草食かつ極めて小食でありながら、一年で通常の乳牛の倍近くのサイズまで成長、成熟すると軽く3倍近い体躯となる。
新天地での畜産が行われ、アメリカやロシア国内でもその肉は大人気であった。日本国内にも流通が行われ始めており、特定基地に少数ながら運び込まれている。