神々の尖兵   作:揚物

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32.新たな国へ

 トミン王は捕えられ、国を守る為と自らの行動の正当性を訴えた。 

 それでもトミン王の元で働いていた将軍や騎士達が自らの助命の為、反乱の首謀者であることも、王殺しの犯人であることも証言したことで、王弟であるという慈悲はなくなり、仮初の裁判によって絞首刑が行われることになった。

 

 

 

 王妃テネシが女王としてトロン王国の王座に就き、この処刑を今までの国家体制との決別であり、大規模な改革を、そして日本の力を借りて国家を立て直すこと宣言。

 混乱ももちろん起き、国を出る富裕層も居たが、大抵のものは意味が分からず、行く当てもなく残る者達も居り、治安維持のために騎士達が出ているが、人口の流出もあった為に余り必要としていなかった。

 今必要なのは弱った国家を狙ってくるだろう盗賊団などのならず者たち、それらから身を守る力であった。

 王都の城壁外にある農地、深さ2mの堀と金網に鉄条網という簡単な境界を作り、王都に逃げ込めるだけの時間を稼げるよう手間暇をかけている。

 本命である防壁は、日本から運び込まれるヘスコ防壁や建設重機によって、王都を守る防壁は急ピッチで作り変えられ、高さ10mはある防壁に、深さ6mの堀とコンクリートブロックが次々と打ち立てられる。

 

「……すさまじいものですね」

「トロン王国の味方であることが幸いです。 もしトミン公爵が怒らせていたら、滅んでいたと思います」

 

 テネシ女王は解体の始まっている王都の様子を眺めながら、娘であるフォリナ姫と物理的に変わっていく国をみていた。

 

 

 

 日本で出来る限りユニット化した設備を輸送し、巨大井戸の掘削作業や貯水槽の建設、簡易的な上下水設備と、施設科を忙殺する勢いでこき使い、王都は急速に発展していっている。

 日本の代わりとなる前哨基地であり、戦争を回避する為にも、国力の差を見せつける為にも、そして日本として認められるよう発展させる必要性があった。

 騎士達から厳しく使い方や注意点を説明され、王国民は混乱しながらも公衆水道と公衆トイレを使用しはじめ、衛生環境の向上が図られている。

 

 王城の建て替えは困難であり、柱に壁に浴場にトイレ、空調室や一部の壁など、日本で出来る限り作り、危険なこの世界に日本の建設作業員を短期間の工期で済ませる為、赤坂離宮を参考に現在準備が為されている。

 

 

 

 そして法律の施行による教育、

・信賞必罰の徹底

・貴族特権の一部排除

・農業改革

・定日学習の徹底

 

 一方で民主主義は取り入れなかった。

 余りにも国民性が低い為、自衛の時はともかくとして、知識があり穏やかな国民の層をまず増やす事が重要と日本は考えた。

 別にトロン王国に日本式になってほしいわけではない。ただ平和を主とするために基本的な知識やルールを守る国民性を得てほしかった。

 王が聡明でも国民が無能なら他国や悪人に簡単に誘導され暴動や略奪を起こし、国民が平和を主としても王が無能なら戦争になる。どちらも欠けてはならない。




今日か明日にはもう一話!
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