神々の尖兵   作:揚物

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36.フェリペ元王子・自衛向け輸出品目

 一足早く反乱に気付き、王国から自らの騎士団を連れて西に逃れ、盗賊達が根城にしていた砦を強奪し、近くの村々から徴発・徴兵し力を蓄えていた。ときには旅商人や旅人を襲撃し、皆殺しにして物資や金銭を丸ごと奪うこともしている。

 

「あと半年ほどで 国を攻める事が出来るだけの力は得られるかと」

 

 部下の報告を聞き、フェリペ王子は貧相な部屋でため息を付く。

 

「わかった。 今は耐えるときだが、みなには苦労を掛ける」

 

 曲がりなりにもフェリペ王子に使える騎士団は、いまだに付き従いフェリペ王子を担ぎ上げ活動を続けていた。

 王族からしては非常につらい生活も、今は雌伏の時と耐えながら自らも鍛えつつ時を待ち、10か国連合の中でも小国に属するムカリ国を占拠する計画を立てていた。

 トロン王国を他国の力を得て取り戻したという母と妹、少々腹立たしく思うが国をすぐに取り戻した事は評価できる。

 今の戦力では取り戻す事は不可能だろう。

 

「いずれは、国に戻る! だがそれまでに国を手に入れなくては!!」

 

 日本の目的に従い平和的な手法をとるトロン王国と異なり、フェリペ王子は戦争と言う手段によって国を盛り立てる事を考えていた。

 

 

 

 

 

 日本、防衛省

 

「では、トロン王国向けに自衛物資の輸出に最終選定を行います」

 

・亜鉛合金製居合刀

・亜鉛合金槍の穂

・日本刀

 刃物に関するものは武器ではなく装飾品やスポーツ用品として輸出。

 

・リーカブボウ

・コンパウンドボウ

・コンパウンドクロスボウ

 

 同じく狩猟用及びスポーツ用として輸出。

 

「うーむ。 これは良いのだが、量産できるものかね?」

「いや、剣や穂を供給しても、他国威圧にはならんだろう」

「妥当ですかね」

「攻城兵器への対策はないのかね? これでは攻め込まれたとき対処しきれんが」

「弓矢は各国から購入し、再度販売と言う形か」

「しかし、これでは即応できないのではないかね? 最悪線路を破壊された場合など、救援が遅れてしまう可能性などだが」

 

「銃器を輸出することは出来ないため、攻め込まれたときは籠城戦を行い、我々が装甲列車をもって対応いたします。 距離が近いですから、最悪航空機で対処できます。 装甲列車も威圧効果として十分でしょう」

 

 航空機で各地を調べまわったが、あっても城壁に設置するような大砲程度、牽引して運んだところで、小型の大砲や石弓や投石器では分厚いコンクリートの防壁を壊す事は出来ない。

 破城槌を使ったところで上下開閉の鋼鉄の門を壊す事は出来ない。

 

「攻撃を受けないよう、軍事力がある事を示すべきかね?」

 

「その点につきましては、大々的にやることで威圧し過ぎても、隠れた弾圧や反乱が伏す可能性があります。 表向き敵対してくれた方が、事を起こした場合賠償として獣人奴隷解放を要求できるかと、現在トロン王国において軍事教練中です」

 

 会議室の面々が頷き、納得したところで輸出品目は決まった。

 

「それでは次の議題です。 ノーリスモルト国では先込め式大砲が最新兵器であるようです。 馬車の質も低く、あらゆる点において経済的にトロン王国に屈服させることは可能です。 安価な販売と引き換えに、奴隷解放や弾圧停止などを求める事も出来るかと」

 

 もっともトロン王国に攻めてきたところで、日本が建設した防壁を超える事は難しい。手をこまねいている間に日本が支援を行い、追い払うなり捕えるなりすればよい。

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