神々の尖兵   作:揚物

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41.獣人部隊結成

 転移歴7年2月

 長く勉学を続け、とうとう獣人族の中から車両運転免許を取得に成功したものが現れた。といっても、日本本土で使う事は出来ず、この世界で用意された仮の物だが。

 

 立派な灰色の毛並みが特徴の男狼獣人のサルファ

 ベンガル猫の様に美しい毛並みと瞳が特徴の女猫獣人のビッテ

 もふもふで立派な黄色のしっぽが特徴な女狐獣人のレクム

 

 以上の三人が日本の交通法規を覚え、実技においても自衛隊基地内の道路で合格。日本国籍が無いものの、特定基地内及び転移先世界における特別法令によって、車両運転が許可された。

 

 尻尾の都合上サルファには大型四輪バギー

 ビッテには装甲車

 尻尾の都合上レクムには大型四輪バギー

 

 それぞれ好みがあり、中古車でもよかったのだが、獣人初と言う事で三台の車両を日本側が提供した。

 ビッテには今後、予定していた獣人族の護衛部隊に入ってもらうことになっているため、ドイツからNATOを通して提供されている装甲車 ATF ディンゴ を運転する。

 むろんいろいろな事情が絡み合っていた。

 

 

 

 獣人難民団、いまや3000人規模の獣人町の長である狼獣人ルファスから、自衛する為の兵団の結成を日本は打診されていた。

 日本としても、人口が増えたので自警団による防衛は当然の行為であり、警察機構と軍は必要だと考えていた。

 この世界について理解が進み、日本としては特に何かを用意することはなく、民生品のトランシーバーを少数と双眼鏡などを渡して済まそうとしたのだが、可能であれば今後は外交にも同行したいとのことであった。

 彼らとしては広い世界を見ることで、今後の立ち振る舞いについて考えて対策を練りたいのだろう。

 

「みな、集まってくれたことを好ましく思う」

 

 ルファスの前には僅か100人、それでも選りすぐりの獣人の猛者たちが集まっていた。

 

「この中から数名、いずれは日本の外交団に随伴することになる。 危険が伴うため覚悟をしてほしい。 しかし、我々も世界の状況をしっかりと見極め、生きていかなければならない」

 

 ドイツ製装甲車 ATF ディンゴを運転するビッテを含めて5人、日本として本来は銃器を提供する事は出来ないが、何かあってからでは遅い。

 日本からも出来る限りの物資の提供を行うとした。

 

ボウ・クロスボウ:

 トロン王国には輸出していない強力なモデルのコンパウンドクロスボウ及びコンパウンドボウ。

大太刀:

 試作的に包丁や鉈の刃物メーカーに量産製造を委託し、試作品として靭性と耐摩耗性に優れた刃渡り120cmの大太刀が10本と長巻10本が作られた。身体能力に優れる獣人にしてみれば、大太刀はちょうど良い武器であり、日本の剣術の動画を参考に見よう見まねで、6本ずつへし折れたあたりで自在に扱えるようになった。

 メンテナンスの大変さから、ブルーアルマイト加工が最後に施され提供される。

H&K GMW:

 車体に積んである自動投擲銃 H&K GMWも催涙弾が常時装填されているが、非常用に対人榴弾のマガジンも用意されている。

 むろん扱い方を教えるのは一名だけであり、使用時は命の危険性があったときに限られる。

 

 選定された5人は各種の訓練を行い、少なくとも自衛できる力と自衛隊と連携できる程度になるのに時間をかなり要してしまった。

 しかしいきなりは無理であるため、当面は避難民の回収に向かう自衛隊のトラックと共に向かい、慣れる事から始まる。

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