神々の尖兵   作:揚物

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46.ルルノ子爵地 コロン都市

 活気にあふれた都市の一部、店を開いた事で少しずつ情報が集まっていた。

 ノーリスモルト国では奴隷は消耗品と言うより財産の一つであり、財産であるため自由に扱うのを許されているようだ。

 獣人難民の言う通り、粗暴な扱いもする者もいる一方で大事に扱っている者もいるため、一概に全てを開放しろと言うのは難しい面がある。

 

「さて、今回は困りましたね」

 

 阿部三等陸佐は情報を纏めながら、この国は今までの方法では成功しないことが理解できた。

 消耗品扱いなら安く簡単に手放すだろう。しかしどのような形であれ相応の財産としているのなら、それを手放すのは嫌がる事だろう。

 しかしつけ入る方法ははっきりしている。オーメウス教への信仰が強く、国教としているので主流派を変えてしまえばどうにできてしまう。

 問題は変更するときに国が荒れる事が予想されるが、日本が関与する必要性はない。人道主義に基づき、獣人達を保護することになるがそれは仕方ない事。

 

 

 

転移歴 8年5月

 オーメウス教 原典派騎士団がコロン都市に訪れ、野営を始めていた。日本の偽装商人部隊が渡した金貨の量は、年間運営費の10倍以上であり、戦力を整え直すのは十分であった。

 コロン都市の教会の現主流派がいくら抵抗しようと、物理的な力と金の両方を示されれば利権にくっ付いていた者達は離れ、中立派か原典派に鞍替えをする。

 むろん教義についても宗派が変われば教えも変わる、予想通りコロン都市内ではいくらか混乱はあるが、即時奴隷解放をせよとまでは言わない、しかし不要な暴力や殺人をしては死後に神の国には行けないとミサを行うようになった。

 これだけでも大分進歩したのだが、まだまだ広がるには時間がかかる。日本の偽装商隊が教会を訪れ、運がいいというべきか、顔と肌の特徴から日本の商人の事は話が伝わっており、スムーズに教会長との面会がかなった。

 

「お話は伺っております。 今回はどのようなご用件でしょうか」

 

 相も変わらず神父と言うよりスポーツ選手の様に体格が良い姿に、多くの違和感を覚える。だが日本としてはどのような相手であろうと関係はない。

 阿部三等陸佐は表情を作りながら丁寧に続ける。

 

「我々は原典派の教義に賛同しており、これからも支援をさせていただきたいのです」

 

 さらなる派閥の成長と奴隷廃止や亜人への差別撤回などを求め、後援者として金銭的支援し続ける事を約束する。

 

「ご援助に感謝いたします。 宜しければ今後も定期的な援助を頂ければと」

 

「もちろん今後も教義の布教に向け、ご協力させていただきます」

 

 内部で汚職が広まろうが、派閥争いで死人が出ようと日本は関与する必要はない。金貨の入った袋を手渡し、日本としては経過を見守る事になる。

 

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