神々の尖兵   作:揚物

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49.強盗団(傭兵 と 園遊会

 トロン王国は現在かなり発展している。むろん無理も出てはいるが、それをどうにか出来るだけの食料があるため、食料を他国に販売しては予算を確保している。

 それだけの力があれば盗賊も狙うが、トロン王国の巡回する騎士による討伐や、各国も馬鹿ではなく護衛を雇うことで無事に遊楽に訪れている。

 しかし日本については高価な交易品を輸送している程度の認識しかなく、ならば狙うのは日本となるのもしかたない。

 定期往復している列車を狙おうとしている集団が居た。

 

「進路よーし」

 

 定期運航の貨物車に大量に積み込まれた様々な鉱石類。この世界にとって価値のある鉄鉱石から無価値であるレアメタルまで、全てがコンテナ車両に積み込まれている。

 それだけであり全くと言っていいほど、この世界のモノにとっては強奪できたところで価値はない。

 急造装甲列車は線路を進み特定基地へと向かう。しかし線路である以上、ルートは確定している為盗賊達が待ち構えていた。

 

 

 線路上には人間大の置き石がされている。随分考え抜いたようだが、しかしその程度の事は考慮されており、先頭車両に装着されているドーザーは少し減速しただけで置き石を弾き飛ばし進んでいく。

 

「くそ! 効いてないぞ!!」

「弓を放て!!」

 

 傭兵団は追い付こうと馬を走らせ、弓を放つがそんなものでどうにかできるわけもなく、コンテナや車両に弾かれ何も事が起きる事はない。

 わざわざ相手をすることもなく、ただ速度を少し上げて振り切る。

 

 相手にする必要など何もない。しかし盗賊が居るのは治安もよくなく、だが日本が手を下すのは余り良くない。日本にとって特定基地の外側は外国であり、日本の方は基本的に適用されない。

 逮捕権も何もない、いまさらと言えるかもしれないが、日本はあくまで自衛と難民保護以外を行うつもりはない。

 ここは訓練を行っている獣人の人達が結成した自警団、そして恐竜族の協力者による巡回を強化し、難民をスムーズに保護できるように準備を進める。

 

 

 

 

  園遊会

 トロン王国においては、年に二回の収穫祭以外イベントはない。別にそれは問題はないのだが、息抜きと言う面ではあまりよくはない。

 過度な娯楽は弊害しか生まないため、技術の も兼ねさせることで鍛冶師と絵描きを集め、日本の出資と言う形で一か月前から展示品の制作を出した。

 当日、会場に並べられたさまざまな武具や絵画、鍛冶師達や絵師達の自信作はその役目をきっちり果たした。

 

「これは中々」

「貿易品と比べるといささか粗末だが、その分安くて良い。 数をそろえれば十分価値になるな」

「良い絵だ。 この絵師を引き抜きたい」

 

 一般人には大して意味はないが、商人が集まれば市中は活気にあふれ、人が集まれば食料も道具も売れる。売れれば金が回り活気が増す。それが大事な事であり、園遊会最終日は一大イベントと無償で全国民にカレーが振舞われる。

 そう言った経済について基本的な事もわからぬトロン王国の大臣達は初期投資を渋るものの、結果さえ見せてしまえば十分に動く。

 多額の賞金と日本製の両刃剣一本を目当てに集まった傭兵や腕に自信のある者達、わざわざ3か月も前から訪れる商人達に情報を広めるように金を渡しいとして流布してもらった。

 

「さぁ、集まってまいりました腕自慢の者達! 今回は非売品である金貨30枚にもなる名剣を得られるのは誰になるのか!!」

 

 はっきり理由を述べるなら、巡回する範囲を増やすための騎士や兵士の募集を兼ねている。トロン王国と言う発展中の小国である以上、まずは興味を持って自ら訪れてもらわなくては話にならない。

 性格に難があり問題を起こすなら捕えるが、腕揃いがまずは必要なのだ。そしてそれを叩きのめすトロン王国の騎士が。

 

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