神々の尖兵   作:カキフライW

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51.膨張主義・生物報告

 日本国内で問題が起き始めていた。

 ごく一部の者達が、異なる世界の国家は文明程度は低く、ならば日本国土として組み込み国家繁栄と拡大を訴えた。

 そしてその主張をしていた者達が行動を開始しようとしていると公安が捕えた時、日本から消えた。

 野党議員から自衛隊員に警察官、一般市民など突然数千人の日本人が消えたため、何事かと騒ぎになったが、米軍による地球の調査中に送還されていたことが確認された。放射能に汚染された文明がほぼない状態では長くは生きられない。

 神命は簒奪者ではなく救助者、意図から大きく離れる事など許されるはずもない。

 

 日本は特別ではなく、比較的神命に従いやすい特徴を備えているがゆえに選ばれたに過ぎない。

 害をなせば日本とて送還される、その事を明確に示され、ある程度は黙殺されていたゆえに増長しかけていたいくらかの日本人は押し黙る事になる。

 神の前で特別なものなど存在しない、だからこそ各国ともに大切にされているのだから。

 

 

 

 

  惑星クロノス 生物報告書1

 クロノス人

 地球の白人とほとんど変わらない。主要言語は地球の英語であり、少々アクセントに違いがあるが会話は可能。

 現在判明している地域の文明レベルはまだ中世から近代程度であるが、魔法の存在が確認されている為一概に同じ程度とは判定は出来ない。

 

 

 恐竜族

 地球で言う所の恐竜ではあるのだが、人語を理解しているが彼らにとって人族は敵であるため獣人族を介した場合は例外的に対話が可能となる。

 そのほとんどが人と同じ大きさではあるのだが、一部はTレックスやトリケラトプス型など大型も存在し、単独戦闘能力は非常に高く生身の人間では相手にならない。

 彼らの言語も一応日本語ではあるのだが、かなりの方言があるため中々理解しにくい。

 

 トリケラトプス型

 恐竜族の中でも日本に好意的であり、協力を申し出てくれたため現在研究が進んでいる。

 大型の草食性ではあるが荒れ地でも暮らせるように小食であり、体表も極めて丈夫。地球の恐竜と比べて相違点も多い事から、似ているだけで異なる進化を遂げたことが推測されている。

 

 

 獣人族

 二足歩行で歩き人種と同じ器用さを持つが、頭部や尻尾や体毛などに地球の動物と同じ特徴を持つ。主要言語は日本語。

 しかし知性は十分に人間としての域に達しており、会話や交流も十分可能。

 食物に関して人間と同じではあるが、地球の同種が接種不可能なものに関して、食しても害こそないものの忌避する傾向がある。

 個々の種族によって得手不得手は存在するが、彼らは真面目であるためほとんど問題にはならない。

 

 

 スリックコケ

 粘性動物らしく、現在研究が進んでいる。

 獣人族の話では、時折酷く臭う油のようなものを出すため、飼うことで明かりに使う油を得ているという。

 4~8年ほどで寿命を迎えるらしく、最大で2kgと猫くらいの大きさになるのだが、粘性の生物というだけではなく、日本どころか地球の国家全てが求める素晴らしい特性があった。

 スリックコケは二酸化炭素を吸い込んで呼吸及び食事とし、日光の下では最大で一日に一回原油を排出する。

 地球が求める生物的特性に国内で研究が進み、十分な日光と二酸化炭素の量が多ければその分呼吸と上質な原油排出量が増えるなど素晴らしい物であった。

 しかし情報がアメリカやイギリスに漏れてしまい、早急に合同研究の場を設ける事を要求されている。


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