神々の尖兵   作:揚物

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56.海外人道支援部隊 裏

 難民町では甜菜糖が作られ始め、立派な商業品として各種の品物が販売され自立した国家と言え始めている。

 一方で少しではあるが麦芽糖が作られ、秋にたくさん撮れるさつまいもや、大量に収穫しているお米を利用した素朴な甘みは人気も高く、一部ではあるがトロン王国にも輸出が始まっていた。

 

 

 

 日本の自衛官や警官から特定基地での任務の為に、基地内は各種の設備が増え米軍の駐屯地の様に一つの町として成り立っている。

 食堂には休暇中の自衛官たちが談話しつつ昼食をとっていた。

 

「でさぁ。 来月一時帰還できるようになったんだよ」

「いいな。 俺は4か月後だよ」

 

 定期的に人員交代や長期休暇で地球に戻る事が出来るものの、橋を渡る事で簡単に戻れるのだが、やはり検疫などの問題で長期任務になる事が多い。

 

「おい。 あれ」

 

 談笑しつつ食事をしていた自衛官たちの視線の先には、無表情で食事の乗ったトレーを運ぶ一団が居た。

 

「殺人鬼共だ。 関わるなよ」

 

 一部問題行動を起こす事もあるものの、それでもまともな範疇にある特殊作戦群とは異なり、畏怖と嫌悪と蔑んで見られる集団。

 

 

【特殊重戦闘連隊】

 先の日本国内で起きた一部の在住諸外国人による内乱、男や老人は殺し女や子供は奴隷に、物資を奪い警察署や自衛隊駐屯地まで襲われた。その際命令を待たずして、民間人保護の為に反政府・独立国家樹立を目指す組織を過剰な武力、つまり殺人をもって排除して回った自衛官や警察官で構成された連隊。

 国内の安定後は職務を解かれ留置場などに送られたものの、彼らによって救出・保護された民間人の嘆願や、特定基地での超法規的任務の必要性を各国から説明され、根回しや裏工作で国内訓練が行われた後に特定基地に送られた。言ってしまえば、人命の為なら殺人を厭わない者達で構成された連隊であった。

 

 

 

 静かにテーブルに着くと周りの視線を気にせず食事を始める。軽い雑談程度が行われる周囲とは異なり、一言も発することなく食事を勧める。自衛隊に置いて数少ない実戦経験と異常性からまともにやり合えるのは特殊作戦群と言われている。だからこそ蔑んでも関わろうとはしない。

 しかし事実まともともいえない。殺した相手の顔が忘れられず、精神に変調をきたしている者までいる。それでも薬の投与などで抑えつつも、自傷やまともに睡眠がとれないなど状態は良くない。

 

【新生独逸と交戦状態にある 虫人の国、小規模駐屯基地への駐留を命ずる】

 

 正確にはその近隣にある生物が生息していない無人島、直接の訪れは宜しくないとの提案があり、外交を行う上でまずはそこに滞在し、小型艇で虫人の護衛と言う名の監視を受ける形で外交官が港に訪れる形式となった。

 そこには小規模であれば海魔や海賊から自衛する為の戦力を置く事も許可されたことから、この日が彼らにとって特定基地での最後の食事となる。

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