神々の尖兵 作:揚物
王都に隣接する元は作物も生えにくい土地の痩せた荒れ地。そこは農耕にも向かない為時折王国の兵士の訓練にも使われていたが、そこに一大娯楽街を隣接する場所に作るとした。
それはトロン王国の建築や建設に関わる者達に仕事を与える事を考え、長らく当てもなく堀と防壁に建物の建設を続けていたのだが、用途が決定されてからは追加工事も多く行われ、今は黒町と名付けられ、騎士や兵士によって出入りは厳重に管理されている。
人は発展すれば黒い部分が広まりやすい。発展中の都市であればなおさらであるのだが、さらに娼婦、奴隷、賭博、どうしても文化レベルから避けられぬことであり、無くすことなど不可能、だからこそ無理やりなくすのではなく国有化し管理するしかなかった。
管理するのなら、なおさらしっかりと管理する大臣に、問題が発生したときに対応する騎士や兵士など用意しなければならない。
さらに簡易的ながら医師も居なければ、病気の問題も解決できない。一つ問題を解決しようとすると、芋ずる式に次々と問題が発生していた。
娼婦は国内から強制的に集められ、彼女らに不平不満がないわけではない、しかしやるならば半端にしてしまえば意味はない。
トロン王国の娼婦達は一か所に集められていた。
「では、これから教える事は大事ですからしっかり覚えてください」
映像に移るのは日本でトップクラスと呼ばれるホステス数人、彼女らから男の心を捕える話術や身のこなしを学び、礼儀作法や簡単な楽器の扱いなど、なぜそういったものが必要なのかとわかりやすく伝える。
流石に高級ホステスの中でもトップクラスと呼ばれるだけあり、英語も堪能で説明も理解しやすく、映像と言う理解しがたい物を見ながらだが皆真剣に話を聞きいっていた。
「それでは一旦休憩します。 その後は各自習いたい部門に移動してください」
そしていったん休憩を入れた後、午後には難民町の獣人達によって作られた木製のリコーダーを習う楽器グループ、裁縫を習うグループ、料理を習うグループ、計算を習うグループと分けられた。
何か特技やその後に役立つ技能などを学び、日本としては管理が大変なので手っ取り早く金を稼ぎ、娼婦を引退して普通の生活に戻る事を望んでいた。
これはある程度は想定した通り金を稼ぎ黒町から、王都へと生活基盤を移す者や、妾と言う形だが貴族に囲われるものがでたことだ。
「そろそろお時間ですが」
「そう。 では戻るわよ」
沢山の従者を連れ、王都で服や宝飾品を買い込み煌びやかなドレス姿で町を歩く美しい貴婦人、想定外だったのは適職であると分かり、荒稼ぎしてもそのまま黒町に住み続け、護衛を雇い大きな屋敷に住む者も出てきた事だったが。
もちろんそう言った適職であるがゆえに、男を手玉に取る女性が現れれば集う男達が現れる。娼婦と言っても男娼も居るがその数はさほど多くもなく、他の仕事が沢山あるとなるとそちらに移りさほど問題にはならなかった。
黒町は、朝から夕方までは闘技やあらゆる賭け事が行われ、夜から明け方までは風俗や高額の賭け事が行われる。成人しているなら立ち入りは自由であり、ルールも王都内と違ってかなり緩い。
全て前金制にすることで出来る限り配慮はしているが、喧嘩や暴力など当たりまえ、賭け事で破産した者など出始めていたが、一方で黒い夢の中から一攫千金を掴み取り、難民から金持ちとなったモノも出ていた。
黒い夢のあふれる町、それでも欲望の受け皿がないと、王都内の陰の部分が産まれてしまう。王都に馴染めず、危険でありながらも黒町を選んだ流民や難民も居た。
やはりそう言った町の方が馴染みやすい者も少なからず居り、それが王都の治安の安定にいくらか寄与していた。
その一方で王都内では賭博に風俗は一切禁じられた。破れば苦水と高額な罰金が科せられ、何度も繰り返せば国家追放ではなく処刑が行われる。
一方でその黒い夢の話に惹かれ集まる者達も多かった。
「ここが娯楽の町か」
「てめぇら、ルールって奴は守れよ! 出入り禁止になったら楽しめねぇからな!!」
武具を身に着けた一団を農作業をしている町の人達は離れた場所から眺め、傭兵団は黒町に入る為黒町の城門に向かっていく
「おいおい、あれは 鉄の爪傭兵団の奴らだろ?」
「あぁ、また黒町に来たのか。 先月は赤月団だったろ?」
「知ってるが、赤月団は破産して解散したらしいぞ。 なんでも賭けに負けて身ぐるみ全部取られ、今は兵士として働いているとか」
「恐ろしい。 あの町に好んで入る奴らの気がしれんよ」
トロン王国に住む人々は興味本位でも黒町には入らず、聞こえ伝わってくる破産した傭兵団や商人の話だけでも恐ろしさに身を震わせていた。時折黒町から移ってくる元娼婦の人達はいるものの、王都内では商売など許されておらず、見事な腕の服飾店や料理屋を開いたりするだけで、黒町の中のうわさを聞くことくらいしかできない。
その噂話の中では頻繁に喧嘩による怪我人や賭け事に負けて身ぐるみ剥がされた商人や旅人など、お世辞にも軽々しく訪れて良い場所ではないと言う事は否が応でも理解していた。
その頃、隔離地球側
欧米混成開発隊が一つ目の資源山に到着していた。
富士山とほぼ同じサイズのほぼレアアースで構成された死火山、莫大な資源のようで、数百ある内の一つにすぎない。
国同士の協定で、空路はともかくとして陸路から到着した資源地に関しては、自国の産出国土として良いとされている為、現在建設土木会社は地獄のような道路及び線路の敷設に、設備建築と現場は本当に悲鳴を、会社は嬉しい悲鳴を上げていた。
国内の企業だけでは手が足りず、日本の建設土木会社の協力企業として駆り出され、景気が良い為自衛隊の活動など注目等全くされていなかった。
連投終わります
次はいつかなぁ・・・