神々の尖兵 作:揚物
ようやく建設の終わった特定基地の滑走路を利用し、各地に偵察機を飛ばし味方となりえる国家がないかと、同盟を結ぶことができる国家がないかと捜索を始めた。日本としてするべきことは、味方づくりとなる。
今のままでは保護すべき亜人族達よりも敵兵ばかり捕える事になる。そんなことをしていては何十年経っても終わらない泥沼となってしまう。
半月後、国境線の強化が行われていく中、海岸線を北上した位置に、捕えた兵士の一人から聞き取った中にあった、ノーリスモルト国に抵抗している小規模国家群を確認した。
亜人達の国家であるが国境線で常に戦争状態にあり、高い山脈と恐竜族の住処に阻まれている為、大規模に侵攻する事が出来ず、唯一の道である平原を少しずつ侵攻しているようだ。
新たに確認できた地域を目指し、外交官兼指揮官である阿部一等陸尉の下、外交部隊は北を目指し移動を開始した。協力者として狼人族のサルファと猫人族のビッテと共に、恐竜族の住む地域にある水源、洞窟となり山を貫いている水路を徒歩で遡る。
車両で洞窟前まで移動し、荷物の準備を行う。
「全員装備を確認」
前回の外交の時と同じ人員編成、それでも敵対行動を取られてしまうかもしれない。
今回は服装こそ自衛官ではあるが、武器に関してはそれなりに偽装している。
「耐水装備に問題なし」
「通信機問題なし」
「では、これより水路を北上し、外交を主とした対話を行う。 高圧的行動を足らぬよう注意を支払うように」」
「「「了解」」」
洞窟に続く川をさかのぼり、小型の船をけん引しながら、狼人族のサルファを先頭に水路をさかのぼり、ひざ下を濡らしながら外交団が進んでいた。
「阿部一尉、少々荷が多いかと」
小型の船に荷物を積み込み、皆でロープで引っ張っていた。
「小型発電機とバッテリーが必要なのだから仕方ないでしょう。 弾薬も濡らすわけにはいきませんし」
ひざから下を濡らしながら先を進む阿部一等陸尉は振り返ることはない。ライトで照らされているとはいえ、洞窟内は暗く足元の状況もあまりよくはない。
「がんばれー」
協力者でもある猫人族のビッテは船に乗った状態で濡れることなく、荷物に水掛からないようシートの上に座っている。
阿部一等陸尉は紳士である。つまり協力者である女性に水の中を歩けと言う事はなかった。
それから丸一日水路の流れをさかのぼり、水路の切れ目から光が見えてきた。
「阿部殿、抜けた先ではおそらく亜人族がいます。 私がまず出て説明しますので、少しお待ちを」
「サルファさんよろしくお願いします」