世の中、ゴミのように生きている奴は意外と多い。夢もなく、将来に希望もなく、それでも死にたくなく……本当に糞みたいな世の中だ。
「――――そう思わないか?ヒーロー」
「ぐっ……あっ……」
黄金のような塵が部屋を包み、両腕両脚を切り離されたダルマ男の胸をぐりぐりと足を押し付けながら、私は言う。
「ダッシュヒーロー『ブースター』。個性は『加速』。一時的に物体の速度を上昇させる戦闘系プロヒーロー。確かに応用性に富んだ強個性だけどさ……私の方が強いよ、ヒーロー。自分の戦闘能力と相手の戦闘能力の差ぐらい判断出来ないの?」
「お前は……何が目的だ……?」
目的ねぇ……そんなもの、すぐに死ぬ貴方には
私にとって重要なのは『プロヒーローを殺した』と言う現実だけ。
実際、私は多くの殺人を行っている。
官僚、政治家、ヴィラン、プロヒーロー、社長、重役、代表取締役……個性がいくら強かろうが護衛がどれだけいようが、私の前では関係無い。
けど、私だって殺す相手は選別している。そうでもしなきゃただの快楽犯じゃんか。
「ダッシュヒーロー『ブースター』。裏の顔は人身売買に臓器売買、麻薬密売……悪徳の限りを尽くしているんだよ?私には無惨に殺される
「だが……何も知らないサイドキッキを殺す理由には……」
「無知の罪って言葉を知っている?」
超常黎明期の個性持ちの社会的な排斥や過去の異教徒・異文化の差別等、知らないから相手を排斥・差別をして自分たちの常識に無理矢理事柄を当て嵌めようとしたり、不理解・不協調を行ってしまう。
無知とは純粋無垢と言う美徳でありながら無知故の不理解と言う罪でもある。
「そんな……理不尽な理由で……!」
「じゃあ、死んでね。」
涙を流すダルマ男はその涙すら枯れ果て、砂状になってしまう。
私の個性は『塵芥』。粉を生み出して操る個性。一見すると攻撃力が何一つ存在しない戦闘向きの個性だと思ってしまう。
だが、この個性の正体はおぞましい物である。
原子レベルにまで粉を小さくでき、肉体や物質に触れた状態で引き離す事で細胞や原子を引き離し、生物・非生物問わずバラバラに出来る。発火性などを変化出来て指パッチンだけで発火させたり爆発を引き起こす。粉を集めて固体にできるとある霊薬を打ち込んで粉をスクリーンに自分の心の中で考える天使や精霊を召喚できる……と、極めて戦闘に特化した個性である。
(ただ、防水性が紙屑以下で水場だとすぐに水に溶けてしまうが……まぁ、問題ないか)
「『塵芥』、迎えにきた」
「ありがとな、『稲妻』」
「うん」
外で電気自動車に乗ったケモミミの少女の隣に飛び乗り、その場を去る。
俺は『塵芥』。悪を許さないヴィラン。
故に――――悪逆の限りを尽くす。
『とある魔術の禁書目録』より『オジキソウ』と『テッラ』。炎炎ノ消防隊より『ジョーカー』。『鋼の錬金術師』より『ロイ・マスタング』。『ろくでなし魔術講師と禁忌教典』より『タルパ』から取りました