ビビッド&ウィッチーズ!   作:ばんぶー

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第3章 ―天岩戸はオール電化―
第17話 あおい「熱血高気圧、襲来」


わかば「失礼します」

 

 

校長「入りたまえ」

 

 

 

わかばに続いてあかね、あおいが校長室に入る。そろそろ1時間目が始まってしまう時間だが、3人には学生としての本分より少しだけ大事な役割が待っていた

 

 

 

 

あかね「おはようございます!!」

 

 

校長「おはよう。ケガの方はどうかね。一色博士から無理はさせないよう言われている。休み休み授業を受けるように。・・・それはそれとして、管理局としての話がある。」

 

 

山のような書類を片付ける手を止め、校長は椅子から立ち上がると脇に立つ女性を手で示した

 

 

校長「こちらは天城中尉だ。ブルーアイランド防衛軍航空隊に所属されている。君達3人はビビッドチームとして防衛軍と管理局の下で運用されることになったのは知っていると思うが、その監督役として防衛軍から彼女が派遣された」

 

 

あかね「監督?なんのですか?」

 

 

天城「天城よ。よろしく。貴方達がどういう状況にあるのかは一通り説明は受けている。示現エネルギーを戦闘に使う以上、貴方達には大きな責任が伴う。そんなものを子供に好き勝手に振り回されないよう監督するのが私の役目です」

 

 

女性はキビキビとした動きで一歩踏み出すと少し冷ややかな態度を思わせるような喋り方であかね達に自分の役割を語った。彼女は防衛軍に勤める若きエリートだったが、子供に対する正しい接し方を知っていた訳ではない。彼女が今のポストになってから接してきた年下の人間のほとんどは部下だったし、あかね達への対応がそれに近い威圧的なものになるのは至極当然のことだった。しかし、まああかね達のような年頃の学生はそういう大人が普通に好きではなかった

 

 

 

あかね(なんか怒ってるのかなぁ)

 

 

あおい(なんかいじわるそうな人)

 

 

わかば(あー、体育会系の人だ)

 

 

 

天城「戦闘だけでなく日常生活の過ごし方についてもある程度管理するよう言われていますので。防衛軍の一員としての自覚をしっかり持っていただきます。わかりましたか?・・・次からは私が何か言ったら返事をするように。わかりましたか?」

 

 

 

 

 

あかね「うわかった。かたいよこの先生」

 

 

あおい「あかねちゃん!だめだよそんなこと言ったら!軍人の人はこういう高圧的な接し方もお仕事の一つなんだから!」

 

 

わかば「いやあおい、それは失礼でしょ。・・・天城さん、監督と言われましても、実質なにをされるのですか?」

 

 

天城「少なくとも、学生としての生活は完璧を目指してもらいます。精神、肉体共にみっちり鍛え、貴方達には・・・」

 

 

あかね「ごくり・・・」

 

 

 

天城「この世界を守る防衛軍の一員としてふさわしい軍人になってもらいます!!!!!」

 

 

天城中尉は腕をぐっと曲げ、力強い真っ直ぐな眼でそう宣言したあかね達は顔を見合わせると天城中尉に愛想笑いを送ると180度振り返り校長室から逃げ出した。

 

 

 

あおい「いいのかなぁ」

 

 

あかね「学生の本分がどうのこうのなんだから、朝のHRに遅刻するわけにはいかないでしょー」

 

 

ギリギリHRに間に合い、クラスのみんなと挨拶もそこそこに今日も勉強の一日が始まった。アローンの襲撃に関しては校舎の補修中に事故がおきたということで学生達に通達された。そんなことを信じない学生諸君により様々な噂が立ったが、いつまでも同じ話題を引っ張らない若者達は昼休みにはもうほとんど以前と変わりない空気に戻っていた。

 

 

 

宮藤「厳しそうな人かぁ。坂本さんを思いだすね」

 

 

 

朝の出来事をビビットチームで共有しつつ、学食の机を囲んでいた。こまりとなつみは今日は弁当をもたせてもらったらしく教室で友達と一緒だ

 

 

 

 

リーネ「そ、そうだね・・・。あ、坂本さんっていうのはですね」

 

 

ペリーヌ「坂本少佐の説明ならわたくしがいたしますわ!!!!!!!!!!!!!」ガタッ

 

 

わかば「!?」

 

 

 

 

あおい「ペリーヌさんらしからぬ凄いテンションだね・・・あはは」

 

 

ペリーヌ「あの方は・・・とても一言では表せませんけれど、あえて一言でいうのであれば・・・ああっ!!」

 

 

宮藤「いや流石に興奮しすぎですよペリーヌさん。坂本さんというのは私達の仲間なんですけど立場上はあかねちゃん達にとっての天城さんみたいな人で、厳しいけど優しくて、頼りになる人なんです。」

 

 

 

ペリーヌ「失礼、取り乱しましたわ・・・。ええ、宮藤さんの紹介では全く足りませんが、坂本少佐は素晴らしい人です。厳格で、しかし大らかですわ。人の上に立つ人間というのがどうあるべきなのかを体現するような人です。その天城中尉という方も、きっとあなたがたのことを思うからこその厳しさなのですわ。あまり反抗的な考えを持つべきではありませんわよ」

 

 

あかね「うーん、まあそうなんだけど・・・」

 

 

わかば「確かに、私達が背負う責任はとても大きいものだわ。ブルーアイランドを守るために長い間戦ってきた防衛軍の人に教えを請うのも悪い話ではないと思う。」

 

 

あかね「わかばちゃんが言うならそうなのかなぁ。でもなにを教えてもらうの?」

 

 

あおい「・・・」

 

 

わかば「・・・」

 

 

あかね「せめて目をあわせてよ」

 

 

 

 

 

天城中尉との付き合い方に関して考えるのはとりあえず後回しにしようと決めたあかね達だったが、それは許されなかった。5時間目の体育の時間、体操服のあかね達をジャージを着た天城中尉が迎えたのだった

 

 

 

天城「というわけで、今日から体育の時間は私が受け持つことになりました。以前の先生とやり方は違うと思いますが、皆さんの身体能力向上を目指し全力で指導させてもらうので、皆さんもそれに全力で応えてください。・・・今後は私が何か言ったら大きな声で返事をするように!わかりましたね!」

 

 

面倒見のいい女子「は、はい!」

 

 

真面目男子「はい!!」

 

 

窓際女子「ッツ」

 

 

前の席の女子「うぃ~~」

 

 

天城「・・・とりあえずやる気を出してもらうところからってことですかね。グラウンドを全力で一周しましょうか。私が全力だと思えない走りをしてる生徒がいる限り何周でもやらせます。」

 

 

 

窓際女子「マジ????」

 

 

こまり「ちょ、ヤバイ人きたじゃん・・・都会怖いね」ヒソヒソ

 

 

れい「都会関係ないんじゃないかしら・・・」

 

 

 

 

 

 

_____________________________________________________

 

 

 

 

担任「それでは帰りのホームルームを始めようと・・・思うんですけど、みなさん大丈夫ですか?」

 

 

 

窓際女子「・・・」

 

 

前の席の女子「ウス」

 

 

面倒見のいい女子「先生。天城先生の授業はちょっとしんどすぎますよ・・・。」

 

 

 

体力に特別自信のある数人を除きクラスメイト達は完全に溶けていた。天城中尉はそもそもあかね達ビビットチームの近くにいれるようにと形だけの役職を用意されたのだが、馬鹿正直に職務を全うした結果生徒達全員に体力の限界を突破することを要求したのだ。

 

 

あかね「これってわたし達のせいなのかな」

 

 

あおい「そ、そうじゃないんじゃないかな?」

 

 

わかば「だとしても私達の補佐以上のことは控えていただかないといけないわね。」

 

 

 

あかね「とにかく、帰りに天城さん・・・先生のところに行ってお話しないと!クラス全員を無茶なトレーニングに付き合わせちゃうわけにはいかないよ!」

 

 

 

3人はホームルームが終わると揃って職員室に向かい、たまたま廊下に立っていた天城を見つけると人が通りにくい隅っこでひそひそ話を始めた

 

 

 

天城「人に聞かれたくない話をしたいなどと後ろめたい姿勢は感心しないわ」

 

 

あかね「先生!授業がしんどすぎますよ!」

 

 

 

わかば「私達を鍛えるというのが目的なのであればクラスの皆を巻き込まれては困ります。あなたの感覚ではあれが普通なのかもしれませんが、一般的な学生が受ける健全な体育の範疇を越えていると考えます。それを言いにきたのです」

 

 

天城「え、そうなのかしら。・・・それは、私の落ち度ね。明日生徒の方々には謝っておくわ。」

 

 

あっさりと非を認めた彼女の態度にいろいろと身構えていた3人はきょとんとしてしまった。そんな3人を見て天城もしばし表情を失い口を閉じてしまうが、早々に合点がいったようで苦笑いを浮かべた

 

 

天城「先ほどあなた達の担任にも同じことを言われたわ。これから他の体育の教員の方々と今後の授業について話し合いをしにいくところなの。・・・私はあなた達からどういう風にみられているのかは全く見当もつかないけれど、別に自分の非が認められない人間というわけではありません」

 

 

あおい「そ、そんな悪いイメージはもってませんけど・・・いやほんと」

 

 

天城「正直にいいなさい」

 

 

あおい「周りの人間を全部格下扱いして絶対頭を下げたりしない人だと思ってました」

 

 

天城「・・・」

 

 

 

あおい「す、すいません・・・」

 

 

 

天城「まああなた達のトレーニングについては学校のカリキュラムとは別に組んでいくわ。私も任務として命じられた以上本気でやらせてもらう。思うところはあるだろうけど、頑張ってついてきて。・・・教師としてではなく、ブルーアイランド防衛軍に所属する軍人としての思いはこういうこと。改めて、よろしくお願いします」

 

 

 

天城は慣れた動きで敬礼し、あかね達もあわててお辞儀で返した。去っていく天城を見て、あかね達は彼女を悪く見すぎていたのかもしれないという罪悪感と気まずさの混ざった表情を浮かべた。天城中尉の言う通り、自分達にのしかかる責任というものを考えるのであればもっともっと強くならなかればならないのだろう。わかばは誰に言われずともそのつもりだし、あおいも不安こそあれどあかねについていく為まだまだ成長しなければならないという思いはあった。あかねも自分が戦う相手を考えれば今まで通りの生活とはなにかを変えないといけないような気は漠然ながらも持っていた

 

 

 

 

 

 

まあともかく抱えていた問題は解決したので家に帰ることにした。なにかするにしても、まずはももの晩御飯を食べてよく寝て明日からである。モノレールの駅で芳佳達と合流し帰路についた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




前回の更新から・・・いやもう数えるのはやめよう。ほったらかしてたわけじゃないんですけど、どう話をもっていったらいいかを悩みすぎて全然ペース保てなくて・・・すいません次回はすぐ更新しますから!!!!こんどこそ本当だよ!!!
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