ビビッド&ウィッチーズ!   作:ばんぶー

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今年はがんがん更新します!!!ほんとです!!!!嘘だったらキルミーベイベー原作全部揃えます


第18話 あかね「遊びたい盛り」

天城が先生としてあかね達の学校に来てから数日。初日こそ鬼教官のような印象を生徒に持たれはしたものの、その後の彼女はそれなりに上手く立ち回った。教師として不慣れで皆に無茶を要求したこと、高圧的な態度をとりすぎたことを謝罪した。まあ極端に甘くなった訳ではないのだが、とにかく彼女は学生達に極端に厳しい要求をもつことは無くなった。

 

 

ただ放課後になるとビビッドチームを追い回すのが彼女の仕事になっていた。

 

 

 

天城「訓練です!!!!!!!!!!」

 

 

あかね「今日はバイトがあるんで・・・」

 

 

あおい「ごほっごほっ。私病弱で・・・」

 

 

天城「中学生がバイトするんじゃない!あと二葉さんの体は今は何ともないのは検査でもわかったでしょう!三枝さんからもなんとか言ってあげて」

 

 

わかば「なんとかと言われても。嫌だというものに無理を強いても結果は出ません。・・・でも、あかねもあおいも少し頑張ってみましょう?そもそもなにがそんなに嫌なのよ」

 

 

あかね「わたし宿題は家ではやらないタイプだし」

 

 

あおい「元気にはなりましたけど体を動かすことに対しての抵抗感がすごくて」

 

 

天城「二葉さんのは百歩譲るにしても一色さんにはげんこつしかないわ」

 

 

リーネ「お、落ち着いてください天城さん!」

 

 

ペリーヌ「ちゃんと訓練しないと宮藤さんのようなふわふわした軍人になってしまいますわよ?」

 

 

宮藤「おっとペリーヌさん私を引き合いに出すのはやめてください。そもそも私はウィッチであって軍人になりたい訳じゃありません!」

 

 

ペリーヌ「ウィッチでありたいのならそれ相応身に付けるべきことがあると言っているのです!」

 

 

わかば(その喧嘩はせめて自分の世界に帰ってからやってくれないかしら)

 

 

天城「とにかく!示現エンジン防衛は防衛軍の最重要項目です。あなた達がその要であるというのなら私達はそれを全力で支援する責務があります。こっちが命をかける以上、あなた達が遊び半分でやっていると思う人が出てくると本当に面倒なことになるのよ?」

 

 

あおい「頑張ってますアピールなんてしなくても、結果を残していれば文句も言われないんじゃないでしょうか。実際あかねちゃんはもう3回もアローンを撃破していますし、これまで通りでも・・・」

 

 

天城「私がこんな役割を背負わされてこんな所に立っているのが貴方達が思う以上にこの件に注目している人がいるという証明になっているわね。私も命令されて来ている以上、やれと言われたらやらないといけない立場なの。何を言われても私には変えられないことよ」

 

 

 

苦々しい表情でそう言った天城は小さくため息をついた。どうにも不満気なビビッドチームの横で、黙って見ていたペリーヌがここで小さく手を挙げて口を挟んだ

 

 

 

ペリーヌ「でしたら、わたくし達もお力添えさせていただきたく思います。あくまで天城中尉監督下で、協力させていただく形ですが。」

 

 

天城「協力?」

 

 

ペリーヌ「軍人としての心構え、基礎知識、防衛軍との連携を踏まえた戦術・・・そういったものはお任せ致します。しかし一色さん達に必要な訓練はそれだけではありませんでしょう?わたくし達は示現エネルギーの使い方に特別詳しいわけではございませんが、所謂特殊な力を使った戦い方においては少し覚えがありますので。」

 

 

天城「・・・そうですね。貴方達がどういう方々なのかは一色博士からある程度はお聞きしています。実際の戦闘においては貴方達が組むことが多いでしょうし、その方面に関しては任せます。クロステルマン中尉」

 

 

ペリーヌ「およしになってくださいまし。わたくし達もこの世界では学生の身分で生活している身。防衛軍の方々に軍人として口出しなど致しませんわ。」

 

 

天城「そういうことなら、よろしくお願いしますクロステルマンさん。」

 

 

 

話し合いに一段落ついたところで天城は今後のやり方を考えるといって帰っていった。ずっと黙っていた宮藤とリーネがそろって息を吐くと、驚いたようにペリーヌを見た。

 

 

宮藤「どういう風の吹き回しですか?」

 

 

ペリーヌ「開口一番失礼ですわね」

 

 

リーネ「ペリーヌさんがわざわざ人に教える役を買って出るだなんて・・・ペリーヌさんが」

 

 

ペリーヌ「本気であかねさん達のことを思ってならともかく、組織の面子を立てたいがために寄こされた方に預けたりしたらあかねさん達を潰されかねないでしょう。邪推で済めばいいことですが」

 

 

わかば「確かに天城先生のあの態度はやる気満々で参りましたという感じではなかったわね」

 

 

ペリーヌ「この学園の理事長は管理局長が兼任しているのでしょう?つまりここに所属する生徒であるあかねさんや私はその庇護下にある訳ですわね。防衛軍がどれほど素晴らしい理念で設立されていようと、軍事組織の枠組みからは思考も行動も外れませんわ。示現エンジンから直接動力を得て動く兵器とそれを扱える数少ない人間であるあかねさん達を完全に軍に組み込みたくて仕方がないに決まってます。でもそれはもうできませんの」

 

 

宮藤「私達はもうビビッドチームとして組織立って行動することが決まっているからですね。」

 

 

ペリーヌ「あら、宮藤さんはこういう話には無頓着だと思ってばかりいましたけれど・・・。そうですわ。これに関しては健次郎博士の手回しが速かったことに感謝するべきです。」

 

 

あかね「つまりはどういうことなの?」

 

 

ペリーヌは一度言葉を切ると辺りに人目がいないことを確認し、みなを輪に集めて声のトーンを少し落として話を続ける

 

 

ペリーヌ「わたくし達はアローン対策本部に所属するビビッドチームとして行動することになった、とこの間博士がおっしゃっていたでしょう?対策本部は管理局長、防衛軍長官、一色健次郎博士のスリートップで運営される組織で、ビビッドチームは健次郎博士直属のプロジェクトチームとして存在しているのです。つまり、管理局と防衛軍のある程度の補佐や干渉は受けたとしても、行動に関しては健次郎博士が決定権をもっているのです。」

 

 

 

あかね「じゃあ別に訓練教官なんて就いてもらわなくても、これまで通り好き勝手にやってもいいんじゃない?」

 

 

ペリーヌ「わたくし達の行動が学生としてのものを主としている限り、この学園が中心になります。そこに防衛軍だけが立ち入れないとなるのも角が立つでしょう。訓練官という形で天城中尉をビビッドチームのすぐ傍に置いておくことが監視と威圧の役目を果たすのかもしれませんわ。・・・あの方が妙な態度を見せていたのは、こういった事情に巻き込まれることに抵抗があるのだと思います。どうせやるなら邪な動機のないわたくし達が担当したほうが安全だとそう考えたのですわ。」

 

 

リーネ「そうですね。魔法力の使い方の訓練ならいくつか教えてあげられるし、それがあかねちゃん達の役に立つかもしれませんし。」

 

 

 

宮藤「そうと決まれば明日からはみんなで特訓ですね!それならあかねちゃん達もいいでしょ?」

 

 

あかね「そうだね!リーネちゃんの魔法も見てみたいし、友達とならそういうのも嫌いじゃないよ!」

 

 

 

盛り上がっている時、体育館のドアが開いてれいとこまりとももがそろって顔を出した

 

 

もも「お姉ちゃん、お話終わった?まだ帰れそうにない?」

 

 

こまり「待ちくたびれちゃってなつみはその辺走り回ってるよ」

 

 

れい「先生が帰っていったけれど・・・怒られちゃってる感じかしら」

 

 

あかね「いやいや!ぜんぜん怒られたりはしてないし今日はもう帰れるよ。」

 

 

あかね達はかばんをひっつかんで体育館から出た。まだ日は長く春の午後はまだまだこれからだ。彼女達は駅前で寄り道する店を話し合いながら学校の正門を目指して歩き出す。

 

 

 

もも「絶対に・・・買い食いはだめです!!!だめですよね!?ペリーヌさん!!!」

 

 

ペリーヌ「えぇ・・・わたくしに同意を求められても・・・」

 

 

もも「ペリーヌさんはこっち側でしょ?委員長タイプでしょ!??」

 

 

ペリーヌ「それって偏見ですわね」

 

 

宮藤「大丈夫だよももちゃん。学校帰りにおいしいものを食べるっていうのは一度経験するまでとても危ないものに感じてしまうんだよ。ペリーヌさんも初めはそうだったんだから」

 

 

あかね「そうだよもも!アイスだよ!!!この島にはコンビニがあるんだよ!!」

 

 

こまり「お小遣いの使いどころだよ」

 

 

 

ももを全力で説得する中学生達を見てくすくすと笑うれいを見て、芳佳はふと気づいたことを口にした

 

 

 

宮藤「そういえばれいちゃん、なんか首のとこアザができてない?」

 

 

れい「え、そうかしら。・・・特にかゆかったり痛かったりはしないけれど。」

 

 

宮藤「ほんと?虫刺されかもしれないし、違和感あったら触らずに相談してね。」

 

 

れい「ええ。ありがとう。」

 

 

れいは不思議そうに首元をさすり、芳佳に柔らかく微笑んだ。いつのまにか少し先に行っていたからあかね達が大声でこちらを呼ぶ声がする。どうやらももは根負けしてアイスを食べて帰ることになったようだ。れいと芳佳は視線を交わすと前の集団に追いつくため走り出した

 

 


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