ビビッド&ウィッチーズ!   作:ばんぶー

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少し間が空いたようだが問題はありません。

更新です。


前回の感想ありがとうございます。お気に入り登録も。これからだんだん面白くなるのでゆっくりお待ちください。




第2話 あかね「日常・急転直下」

家へと急ぐあかねではあるが、このまま真っ直ぐ帰る訳には行かない。 配達の仕事が終わったことを新聞の書き手に伝え、今日の分の給料を受け取るまでが今朝のノルマ。本来給料は月一単位で支払われるものだが、そこを融通効かせて毎日ちょっとずつくれるのがこの小さな新聞屋を一人で営む敏腕女性記者、文(あや)

 

文「はーい、今日の分のお給料!と、これはお小遣いです!また新しい方が購読して下さることになりましたので。」

 

あかね「ありがとうございますっ!」

 

文「いえいえ。あかねさんが配達してくれるようになってからというもの、新聞をとってくれる人も増えて我が文々丸新聞の売り上げはググっと上昇!ですからね!」

 

あかね「えへへ…」

 

 

 

…… 一色家は貧乏である。これはいつだったか、入院する事になった母の代わりに一家の財布を握る役目を負った一色桃により告げられた衝撃の言葉だ。

 

何故金が無いのか?それは収入源が無いからだ。世界を救った男一色健二郎、彼が作った示現エンジンを中心とする発明品のパテント(特許だと思って下さいwikiにはそう書いてありました)はかつて莫大な資産を一色家にもたらし、それを元にまた研究を続けたりしていた訳だが…とある事情がありその大半が現在家に入ってこない。理由を知るのは当人の健次郎だけ

 

 

父は?何故母は入院しているのか?当然の疑問であろうがそれを話す時間は無い。何故なら朝食が冷めてしまうからだ。冷めたものを温めなおすのにも金がかかってしまうことを皆さんご存知だろう。貧乏脱却のためアルバイトを始めて随分立ち、お金に対して同年代の友人達より厳しい感覚を備えているあかねは少しでも無駄を省くことの大切さを知る女の子。ここは読者の方に一つ大人になってもらい一色家の家計の助けと思ってしばしお待ち頂きたい

 

 

それで結局何が言いたいかと言うと、そんな厳しい環境に置かれた一色家を少しでも支えてあげたい そう思った島民達がそれと気づかれないよう様々な理由をこじつけて文々丸新聞を購読することにしたのだ。だから文の言っていることはお世辞でもよいしょでもない紛れもない真実。

 

 

文「あやや、こんな時間。あかねさんは今日も学校ですよね。引き止めて申し訳ない。」

 

 

あかね「それじゃ文さん!!また夕方に!」

 

 

文「お気をつけてー!」

 

 

パタパタと振られた手に送られてワンコを我が家に向けて一直線。

 

________________________

 

 

 

トマト畑に突っ込まないよう華麗にハンドルをさはき家の前でワンコのエンジンを切り、しっかり後方を確認してから降りる。この乗り物、免許はいらないらしいがあかねは自動二輪の免許の試験に今すぐ合格できるくらいに交通ルールをマスターしているのだ

 

 

あかね「へぇーいただいまー!!」

 

 

もも「おかえりお姉ちゃん。今日も朝早くからご苦労様。」

 

 

あかねの家は昔ながらの趣を残した和風建築の一戸建て。ももはお盆に乗せた朝食を机の上に配膳しながら姉を迎えた

 

 

あかね「うはー、今日も美味しそうだね。おじいちゃんは?」

 

 

もも「まだー。起こしてきてくれる?それと今日はオクラあるよ。」

 

 

あかね「オクラ!?グッジョブもも!おじいちゃんは起こしてくるねー!」

 

 

畳の上ですべらないよう力を加減しながらステップを刻み、縁側を通ってトイレの前にある白塗りの古臭い壁に突き当たる。祖父を起こす前にお花を摘むのか?そうではない。あかねの用事はこの壁にあった。

 

 

あかね「スゥー…おじいちゃぁぁぁぁん!朝だよぉー!ご飯だよー!」

 

 

台所で朝食の支度中のももがわかっていてもちょっとびっくりするくらい大きな声が響き渡る。

 

 

〈ウィィィーーン〉

 

 

壁がバッと横に引っ込み、その裏にあった金属製のドアが一瞬あらわになる。それもすぐさま上下左右に開き、向こうから白髪無精髭の痩せた男がゆっくりと縁側の上に歩み出る

 

 

その身体は老人のもの、しかし放つオーラは一般人のそれを遥か上回る。これが世界を救った英雄の持つ気迫

 

この男こそ!一色健次郎ッ!!

 

 

健次郎「わしの…!わしの研究を邪魔するのは…ッ!!誰じゃァァァー!!」

 

 

怒号。細い細い身体のどこから出たのか?あかねの祖父であることを証明するような大声で怒りをぶちまけた。

 

 

あかね「あなたの孫ッ!一色あかねですッ!!!」

 

 

しかしその孫一色あかね、半歩も引かず!!笑顔でそれを受け止めて、一切劣らない迫力で言い返してみせた

 

 

健次郎「なんと!確かにお前は我が孫あかね!8時間と14分9秒ぶりじゃの!会えて嬉しいぞぉぉぉ!!」

 

 

あかね「私もだよおじいちゃん!!」

 

 

「「がしーっ!!ギャハハハハハ!!」」

 

 

抱き合ってでかい声で笑い合う2人のところにいつの間にやら接近してきていたももは呆れ返ったように言った

 

 

もも「それ、毎日やらないとだめ?」

 

 

あかね「あははー!」

 

 

健次郎「んおお、おはようもも。8時間と…」

 

 

もも「いいからいいから、早くご飯食べよ。」

 

 

ドタドタと歩いて部屋に戻り机の周りに座る。美味しそうな朝食が並んでいる。家計のやりくりもだが、家事全般はももが一手に引き受けているのだ。あかねも手伝ってはいるが難しいことは妹任せの現状だ

 

 

あかね「しゃす!いただきまーす!」ピロロロロ

 

 

あかね「メール?なんだろ、5億円でも当選したのかな。」

 

もも「いたずらメールの内容って嘘だと解っててもロマン溢れる内容だよね……」

 

あかね「ッアー!!あおいちゃんだ!」

 

桃「え?なになに?」

 

あかね「ヒョウ!!あおいちゃん退院だって!今日島に帰ってくるって!」

 

桃「へぇー、もう良くなったんだ。よかったねお姉ちゃん!」

 

 

二葉 あおい

 

4年前、療養のためにあかね達が住む島へ越してきた少女。あかねの同級生。身体が弱く、島に来た後も体調は安定せず本土の病院へ入院。休学をよぎなくされていて、あかねは一緒に進級出来るかを非常に心配している

 

あかね「ちなみにわたしは中学2年です。」

 

もも「私は小学5年生です。」

 

あかね「あおいちゃん進級できるかなー。」

 

もも「先生に聞けば教えてくれるんじゃないかな?」

 

あかね「そうだね!それじゃ早めに出るよ。ごちそうさま!」

 

もも「はやっ!? 」

 

 

もうあおいちゃんの事で頭がいっぱいになったあかねは食器を片付けると健次郎が呼び止めたのにも気付かずワンコに飛び乗って飛び出した

 

 

健次郎「行ってしまったようじゃの。やれやれ…」

 

もも「伝言しようか?」

 

健次郎「いや、またにする。完成してからでいいじゃろ。」

 

 

もも「…今度はなにを作っ」

 

健次郎「ほれほれ!はよせんと遅刻するぞ!!」

 

もも「はぁ、まあいいけど。危ないものお姉ちゃんに使わせたりしないでよ?あのバイクも最初はアクセルちょっとひねっただけで…」

 

健次郎「大丈夫じゃ!!それに今度のはそういうもんじゃないわ。」

 

 

ももは、ふーんと呟くとそれ以上は追求せずさっさか机の上を片付けると既に用意してあった教科書が入ってるかばんと姉が置き忘れていった体操服を手に持つと、玄関で靴を履いてこれまた姉が履き忘れた靴を手に持つと

 

 

もも「いやお姉ちゃん裸足はまずいよ!!!急ぎすぎ!」

 

 

大急ぎで走り出したが、バイクに追いつけるわけないのでもう歩いて行くことにした

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

あかね「ふんふんふふーん♪」

 

 

朝一番、裸足のまま上履きも履かず職員室に突撃して教師にあおいちゃん復帰の報せを伝えると、先生は既にそのことを知っていたようで(まさか裸足のあかねが職員室に来ることは予測していなかった)前持ってあおいちゃんが進級できるかを計算しておいたらしい。日数は少し厳しかったものの、入院中もこまめに課題をクリアしていたようで来年もまた一緒の学年として勉強できる

 

 

まあそもそも

 

あかね「あ、れんちょーん!おはよー!」

 

れんげ「あかねん。にゃんぱすぅー。」

 

 

リコーダーを拭きながら廊下を歩いている小さな女の子に後ろから声をかけると、れんげは演奏をとめて挨拶を返した

 

あかね「うん。にゃんぱすにゃんぱす!」

 

れんげ「朝早いのんな。今日はウチが一等だと思ってたのに。」

 

あかね「うん!今日はちょっと用事があってね!あおいちゃんね、進級できるんだって!」

 

れんげ「おお!それはなによりなんな。でもまあもしできなくても教室は変わらないのん。」

 

あかね「ハハー、んーまあそうだね。」

 

 

この学校に通う生徒の教室はみんな一緒なのだ。この島に住む子供はあまり多くないので、一つの教室で勉強している。中学生はあかね、あおいを含めて5人。上に1人、下に1人。小学生は桃、れんげ含めて二桁には届かない。

 

 

少ないけれど、みんな仲良く楽しい毎日が送れていてあかねはこの学校が好きだ。勉強はあまり好きではないのだが

 

れんげ「あおっちゃんはいつ帰ってくるん?」ピョー

 

あかね「学校終わるくらいにはこっちに着くんだって。授業終わったら迎えに行くんだー。」

 

れんげ「おおー!明日からは久々に全員揃っての学校!テンション上がってきましたん!」ピョー

 

 

他の生徒が来るまでの間れんげと適当な話をして過ごした。

 




長くなったので次からは後編として書きます。面白いですよね?私が一番書きたいのはもう少し後の展開なので多少早いペースで進めていますが手抜きではないのできっと面白いと思います。
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