ビビッド&ウィッチーズ!   作:ばんぶー

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第19話 れい「静かで紅い放課後」

時刻は午後15時を過ぎ、担任からの伝達事項を聞き終えた生徒達は放課後という無限の可能性を持つ野に放たれたのだ

 

 

 

あかね「我々は自由だ!!!」

 

 

あおい「お、おー!」

 

 

わかば「今日も訓練よ。私達に遊んでいる時間はないんだから」

 

 

あおい「まあ・・・そうなるよね」

 

 

れい「忙しいとこ悪いのだけれど。あかねは私と体育委員の仕事があるでしょ」

 

 

あかね「あ、職員室いかないといけないんだっけ。」

 

 

宮藤「私も保健室でちょっと用事が・・・」

 

 

ペリーヌ「あら。サボリ癖は記憶をなくしても失われない宮藤さんの欠点なのでしょうか」

 

 

宮藤「用事です!!!この学校の養護教諭さんは管理局から派遣されている方のようで、異世界の医学知識について話が聞きたいとか・・・とにかく今日の訓練はちょっと参加できないんです。」

 

 

宮藤はペリーヌのジョークに強く突っ込むと鞄を手に一足早く教室を出て行った。続いてあかねとれいが職員室へ向かい、あかねがおらずモチベーションの低下を隠さないあおいを引きずるようにわかばは浜辺の訓練場へと向かった。リーネとペリーヌもそれに続く。

 

 

訓練組がストレッチを終えて本格的なトレーニングに入る頃、あかねとれいは用を終えて揃って職員室を出ていた。次回の体育で行われるバレーボールのルールを書き記したプリントを翌朝のHRで配布し、簡単に説明する役目を与えられたのだ

 

 

 

あかね「楽しみだねー。野球も楽しかったけど、みんなの出番が多くなって盛り上がりやすいからねバレーは!」

 

 

れい「あかねは、体育が好きね。」

 

 

あかね「好きだね。れいちゃんは体育だと何が好き?」

 

 

れい「マラソンが好きね。盛り上がるのもいいけど、1人で黙々と・・・ゴールを目指すのって、好きなの」

 

 

あかね「なるほどねぇ・・・れいちゃんはしぶいね。イケてるよ」

 

 

れい「ふふ。ありがと」

 

 

2人揃って廊下を歩く。まだ日は落ちてはいないが、殆どの生徒達は帰宅するか部活へ行くかで校舎内にあまり人の気配はない。換気のため開けられた窓から入り込む風がれいの髪を流し、午後の日差しがあかねの髪をより赤く輝かせる。みんなで動くことが多いので2人きりで話す機会は珍しく、あかねとれいの話はゆったりとしたものながらもよく弾んだ。その姿を見れば、誰が見ても彼女達が世界の平和を脅かす敵と戦う者たちだと気付くことはないだろう。ただの女子中学生達が放課後という自由を楽しんいるだけだ

 

 

 

れい「・・・あかね」

 

 

あかね「ん、なになに?」

 

 

れい「私、そろそろあなたの家を出て暮らそうと思うの。」

 

 

あかね「えっ」

 

 

あかねがぴたりと足を止めてしまったのを見て、少し先にいったれいは振り返ると手をぶんぶんと振って慌てて言葉を続ける

 

 

れい「勘違いしてほしくないのだけれど、なにかが不満だったりするわけではないのよ。・・・ただ、私のことを知ってる人とこの前出会ったの。」

 

 

あかね「ほんとに!?やったねれいちゃん!」

 

 

れいが出て行ってしまう、ということにショックを受けてしまったが良い報せを聞いたことで今度は飛び上がるほとの喜びを見せた。そんなあかねの姿を見てれいは困ったように笑う。さっきまで落ち込んで陰りを見せていたのに今度は陽が差したように笑う、それも他人の事情でそこまで心を動かせるあかねをれいは本当に好きだった。しかし、別れを告げなければならなかった。れいはもう自分の行動を決めていたのだ

 

 

れい「もう何日かはお世話にになるけれど、住むところの準備が終わればそっちに移らせてもらうことにしようと思うの。まだ健次郎さんにも言ってないけれど、あかねには最初に言っておきたくて。」

 

 

あかね「えー、さみしいけどなんかうれしいね。いやぁ、ほんとによかったよかった!でも記憶はまだ戻らないんだよね?」

 

 

れい「そっちはおいおいね。でも昔の私の話を聞かせてもらえばきっとなにかのきっかけになると思う。」

 

 

 

この辺りで2人は下駄箱のところまで来ていることに気付いた。あかねは訓練に行くが、れいは一足先に戻って健次郎にこの事を伝えにいくようだ。

 

 

あかね「またあとでね。れいちゃん」

 

 

れい「うん。またね、あかね」

 

 

 

靴を履き替え、れいが校門を通り過ぎるところをあかねは見送った。振り返ったれいがこちらに小さく手を振ると身を翻し道の向こうへ消えていくのをみたあかねは、突然鳥肌が立つ程の寒気を感じて思わず自分の身体を抱きしめるようにして身を縮めた

 

 

れいは家へ帰れば居る。例え引っ越しても毎日学校で会える。だがあかねの心は不安と恐怖の混ざりあった痛いほどの喪失感が渦巻いている。目をギュっとつむって、荒くなった呼吸が落ち着かせようと玄関の広い階段に腰掛けて空を見上げた。既に陽は傾き、空は赤く赤く染まっている

 

 

 

 

 

 

 

しかしあかねが大きな別れの運命の流れに足を踏み入れようとしている裏では、新たな縁が紡がれようとしていた。宮藤芳佳が導かれた小さな出会いは、世界の命運と名付けられた大きな天秤の釣り合いを図るためのものである。長い黄土色のふわふわした髪をもつ少女がいかなる役割を持つ存在であるのか、というのを語るには少し長い時間が必要になるだろう。ただ1つ言えることがあるとすれば、あかねにまた新たな友人ができるのもそう遠くないということである




どんどん更新したいんすけどね!!!!話をつくるのってむずかしい!!1
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