ビビッド&ウィッチーズ!   作:ばんぶー

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シャーリ-「ゴキブリとネウロイの違いなんてビームを撃つかどうかくらいしかないさ」


ルッキーニ「カブトムシとネウロイの違いは?」


シャーリー「そりゃもう・・・へへへへ」


ルッキーヌ「うっへへへ」


エイラ(一緒にくるメンツ間違えたな)




第32話 あかね「黒くて光るあいつの話」

天城「それでは。第3回、ビビッドチーム放課後ミーティングを始めます。よろしくお願いします」

 

 

 

「「「お願いしまーす」」」

 

 

 

 

放課後、不定期で行われる話し合いの場で新規ビビッドチームと、そのサポートメンバーである管理局の柴条、防衛軍の天城らが顔合わせを果たしていた。天城はアローン襲来時は学園での避難活動に当たっていたため戦闘の経過を後から知った口で、こうして面と向かうまで正直実感を得られないでいた。未知の技術である示現エネルギ-に新たに選ばれた少女、異世界から現れた軍属の魔女達。やはり何度体験しても安易には受け入れがたいイレギュラーな出来事である

 

 

 

 

柴条「ほう。貴方が四宮さんのところのご息女のひまわりさんですか。」

 

 

ひまわり「はい。どうもです」

 

 

柴条「今後は管理局のシステムに不正アクセスをせずとも正式に申請していただければ情報は提供いたしますので、そのようにお願いしますね。危うくエンジニアチームの何人かの首が飛ぶところでした。」

 

 

ひまわり「反省してまーす・・・ほんとに」

 

 

健次郎「まあまあ既に終わったことじゃ。それに昔ワシの作ったファイアウォールを流用し続けとったんじゃから突破されるのもやむなしじゃろ」

 

 

柴条「まあそうですね。ああ、進行を遮って申し訳ございません天城二尉。続けてください」

 

 

天城「いえ大丈夫です局長。それに進行といいましても、私はあくまで聞き手ですから。防衛軍としての報告だけすませてあとは黙ってますよ」

 

 

 

一色家の居間に置いたホワイトボードの前に天城が進み出て、咳払いを1つ挟んで話し始めた

 

 

 

 

天城「アローンの襲来は今回で4回。初回の戦闘でこそ防衛軍は大きな被害を受けましたが、その後ビビッドチームに戦闘での負担を請け負ってもらうことで大きな損害を出すことなく勝利を収めています。あなた方の働きを防衛軍長官は高く評価されています。・・・現在防衛軍は戦闘において有効な手を備えておりません。避難誘導、救助活動、そして管理局が行っている情報統制に手を貸す以上の事は出来ないのが現状です。現状を維持することがアローンを撃退を完遂する上で最善策であると防衛軍は判断していますので、我々は出来る限りのバックアップを行うことを約束します。以上です」

 

 

 

柴条「管理局からです。現時点で示現エンジンへの直接的なダメージは0。損害を受けた整流プラントも本日の正午には稼働率100%まで復旧しております。死者も出ておりません。宮藤さんとリーネさんの救助活動のおかげです。ありがとうございます。・・・そして、四宮ひまわりさん。整流プラントが最後の一線を保てたのは、あなたの類まれな能力があってこそなのも間違いありません。ありがとうございます。あなたのお陰でこの世界の平和は維持できました」

 

 

 

 

ブルーアイランド管理局長に深々と頭が下げられた。先ほどのようにいたずらを咎められるほうがまだ気が楽だ。ひまわりは気まずそうに顔を下に向け、何も言わずのその賛辞を黙って受け入れる。一方の柴条と天城は各々言いたいことは言ったので、これからは聞く側だとばかりにすっきりした態度で座布団に座った

 

 

 

健次郎「では今度はこちらから。新たな仲間が加わってくれた。四宮ひまわりくんが新たにパレットスーツ装着者として。異世界からの来訪者、ウィッチーズの3人。特にウィッチの諸君からの話は実に興味深いものがあった。情報共有も兼ねて、改めてこの面子に話してくれんかの?」

 

 

 

シャーリーとエイラはめんどくさそうな視線を互いに送りあった。今日の昼間、健次郎相手に長いこと喋らされたのはシャーリである。理由は単純、じゃんけんに負けたのだ。生粋の科学者としての好奇心による根ほり葉ほりの対話で喉がからっからなシャーリーが肩をすくめたのを見て観念したエイラが座布団から立ち上がる

 

 

 

エイラ「私はエイラ・イルマタル・ユーティライネン。第501特殊戦闘団、第1飛行小隊<ストライクウィッチーズ>所属の・・・兵士だナ。うん。エイラ"さん"と気軽に、しかし敬意をもって呼んでくれると嬉しいんだな!・・・冗談だヨ。そんな目でミンナ」

 

 

 

宮藤芳佳の行方不明、そしてペリーヌ・リーネの2名がネウロイの作り出した次元の穴を通過して姿を消した。最早一刻の猶予もなく、これ以上受け身でいることはできないと第501特殊戦闘団の司令部は部隊全員に通達。科学チームが総力を挙げて解析を行った結果、3人とも同じ波長を放つ次元の穴に取り込まれたことが判明した

 

 

すぐさま大がかりな救出作戦が立案される。各部隊に様々な役割が与えられ、エイラ達ストライクウィッチーズが背負った任務はネウロイが発生させる次元の穴・・・<ディメンションゲート>に突入し、宮藤達と合流。合流に成功した場合その場所でビーコンを起動し、続く救助部隊の道しるべとなることであった

 

 

 

 

エイラ「ゲートが発生するタイミングと位置は私の未来予知で割り出して、この3人で突入したって訳。私達のストライカーに仕込まれてるビーコンから発信されている信号はもう501が・・・いやサーニャが受信してくれている!!大船だな!!」

 

 

 

シャーリー「はじまったよ」

 

 

ルッキーニ「お約束だねぇ」

 

 

エイラ「なんだよ!!」

 

 

わかば「あの・・・お約束を解説してくれる?ペリーヌ」

 

 

ペリーヌ「サーニャさんという方がいらっしゃるのです。探知魔法が得意な方ですわ。エイラさんとの関係については・・・そうですわね。みなさま風に言うなら、クッソヘタレてる感じですわ」

 

 

あおい「難しい関係なんですね。」

 

 

エイラ「おぉいペリーヌ余計なこと言うなよナ!まあとにかく、501の部隊がいずれ助けに来てくれる。ウィッチーズとしてはこれで問題解決だ」

 

 

宮藤「ちょ、ちょっと待ってくださいエイラさん!」

 

 

エイラ「わかってるよミヤフジ。私達が帰ってはいおしまいじゃすまない。この世界の抱えてる問題を、私達が見ないフリしていいのかってことサ。」

 

 

 

エイラは気取ったように肩をすくめてみせた。提示した時点で結論の出た議題であった。ルッキーニはにこにこしているし、シャーリーは先ほどからブルーアイランド防衛軍の部隊構成についての資料に目を通しながら決まりきった話し合いを聞く気すらないようだ

 

 

 

エイラ「おい宮藤。私らはこの世界に来てすぐだ。オマエが決めてくれ」

 

 

宮藤「この世界を侵略しているのはアローンですが、ネウロイです。それを倒すのは、ウィッチの使命です!」

 

 

エイラ「OKだミヤフジ。ならやっちまうか」

 

 

 

怒気すら孕んでいそうな芳佳の声にエイラはあっけらかんと応えた。それが当たり前だと思っていたし、それを面倒だとすら思っていない。人を救うため異形と戦う、それは彼女達ウィッチの行動の根底に根差す絶対の信念である。エイラ達に与えられた使命は宮藤達3人の救出ではあるが、べつにそれ以外やるななどといった命令は受けていない

 

 

 

シャーリー「この世界に黒光りするビーム発射モンスターがいるなら、私らの出番ってわけさ。疑うこともない」

 

 

ルッキーニ「少佐達がお迎えにくるまで昼寝だけじゃ飽きちゃうもんね」

 

 

エイラ「ストライクウィッチーズ所属のウィッチ3名、改めてビビッドチームの一員としてこの戦いに参加させていただくんだな。あかね、よろしく」

 

 

あかね「はいエイラさん!」

 

 

 

 

固い握手を交わし、正式に1つのチームとなったところで議題を移すことにした。がむしゃらに戦闘を行ってきた今、彼女達人類は一つの壁にぶつかっている。戦いには必ず勝利する必要はない。敗北しなければ、多くのものを守ることができる。今回はそういった戦いであることは間違いないだろう。しかし終わりのない戦いは文明を崩壊させうるものだ

 

 

 

 

シャーリー「そのアローンの試練、っていうのはいつまで続くものなんだ?わざわざ一色博士に語り掛けてきた手前、ちゃんとクリアできるようになってるはずでしょう?」

 

 

健次郎「そのはずじゃ。彼らがワシに語り掛けて来た内容は抽象的じゃが、彼らの目的があくまで侵略ではないということは確かに提示された」

 

 

ひまわり「本気でエンジンを壊したいだけなら、一体ずつ間隔を開けてアローンを送り込んだりしないでしょ。しかも少しずつアローンが強くなってるし、試練っていうのはその通りなのかも」

 

 

シャーリー「じゃあアローンを倒す度にポイントカードのスタンプが溜まっていったとして、最後には何と交換してくれるんです?」

 

 

 

健次郎「示現エネルギーを自在に扱う権利、とやらを得られるのじゃろうな。それがどういった形でもたらされるのかは解らん」

 

 

あかね「ポイントカードかぁ・・・ポイントカード・・・」

 

 

シャーリー「ジョークだよもちろん!軽く流してくれ!恥ずかしい!」

 

 

あかね「いやそうじゃなくって、ただアローンを倒すだけでそのうちクリアできるものなのかなぁって」

 

 

 

その発言に全員が一斉に口をつぐんだ。それを問われても答えられる人間はここには1人としていない

 

 

 

健次郎「ふむ。考えるべきことじゃの。示現力を使うにふさわしい生き物である、とは何を意味するのか。その真意を理解しなければならない時は近づいてきておる。これまでで我々に可能だったのは異世界からやってきた者が友人か敵かを見極め、お茶を出すかパレットスーツに着替えるかだけじゃったからの。これについては、やはり長くネウロイと戦闘を行ってきたウィッチ諸君に意見を伺うべきかの?」

 

 

 

ペリーヌ「これに関しては以前から博士に聞かれていたことですが、アローンとネウロイは同じではない。というのがやはり鍵になるのではないでしょうか」

 

 

リーネ「別物なんですか?」

 

 

ペリーヌ「わたくしもネウロイについての研究資料を端から端まで記憶しているわけではございません。しかし大きな特徴としていくつかあげられるものだけでも相違点がありますわ。1つ、そもそもわたくし達の世界に出現するネウロイと呼ばれるものは常に同じ場所を狙って現れる訳ではありません。何者かの意図で動かされているにしても、アローンのように明確に攻撃対象が設定されているとは思われていませんの。精々人が多く住む場所を破壊しようとする、といった程度のものしか持たないようですわ。

 

 

2つ目として挙げるのであれば・・・ネウロイが侵略兵器としてもつ大きな武器である<瘴気>の存在がアローンからは確認できない点ですわ」

 

 

 

健次郎「瘴気とな?」

 

 

シャーリー「ネウロイはビーム攻撃の他に、その体から有毒なガスのようなものを放出し続けているんです。個体によって強弱は様々ですけど、酷いものだと近寄った航空機の外装が瞬時に腐食してしまうほどのレベルだったりします。ウィッチは魔法力でネウロイの装甲を破壊しやすいですが、それと合わせて魔力で身体をガードすることで瘴気に耐性をもてる。私らが対ネウロイ部隊として運用されてる理由の一つでもあるんですよ」

 

 

 

柴条「今のところアローン出現後にブルーアイランド周辺で異常な毒物反応等は検出されてない筈ですが・・・すぐに調査チームを立ち上げ周辺の環境調査を始めましょう。その瘴気について後程詳しく話していただきたいですね」

 

 

シャーリー「ま、こっちの世界でもまだ解明されてない領域だから力になれるかはわかりませんけどね。瘴気についてはおいておくとして、私個人としてはペリーヌが言った1つ目の方が気になるよ。私達の世界でネウロイと戦闘以外の方法で接触できたのは宮藤だけだしな」

 

 

エイラ「そうだよな、ミヤフジのコンタクトはどうなったんだ?」

 

 

宮藤「なんのことです?」

 

 

エイラ「覚えてないのか?人型をおっかけていっただろ。オマエ、それでこの世界に飛ばされてきたんじゃないのか?」

 

 

宮藤「人型・・・私が・・・?」

 

 

ペリーヌ「エイラさん、宮藤さんは記憶の一部が失われているようですの。この世界に来た経緯についてもまだ・・・宮藤さん?」

 

 

宮藤「私・・・わた、私・・・!」

 

 

あかね「芳佳ちゃん、どしたの!?」

 

 

リーネ「芳佳ちゃん!」

 

 

 

それは宮藤芳佳の欠けていた記憶のひとかけらを埋める言葉だった。彼女は強烈な頭痛と眩暈を覚えてぐらつく身体をリーネに支えられながら急激な記憶の復元を感じていた。人の形をしたネウロイ。言葉を発しないソレと確かに意志の疎通の可能性を感じたこと。周りの静止を振り切りそれについていったこと。その結果ここにきてしまったことを

 

 

 

 

同時に。あかねの背筋を悪寒が走る。冷酷で邪悪な気配が現れる前兆だ。それと同時に健次郎のそばに置いてあったタブレットからも警報が鳴り響く。示現エネルギーの急激な上昇反応。異世界からの来訪者を知らせるそれだが、今回はどうも悪しきものがやってくる様子だ

 

 

 




2019年おわっちゃうううううううううううううう
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