ビビッド&ウィッチーズ!   作:ばんぶー

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今年中に完結するとか言ったやつだれだよ!!!!


第33話 シャーリー「最速のウィッチ」

健次郎「敵じゃ!」

 

 

 

その叫びに応えてビビッドチームが一斉に席を立ちあがる。纏う空気は一変、戦いに備えた緊張感が漂っている

 

 

 

 

天城「出撃準備を!柴条局長とももちゃんは地下シェルターに避難してください!一色博士、戦闘指揮の補助に入らせていただきます!」

 

 

健次郎「うむ、頼む。」

 

 

あかね「みんな行こう!」

 

 

あおい「うん!」

 

 

わかば「ええ!」

 

 

ひまわり「おっけー!」

 

 

 

あかねを先頭にビビッド戦士達は縁側を蹴って庭へ飛び出す。手に握ったオペレーションキーが戦意に応えて光を放ち、彼女達は地面に足をつけることなく色とりどりの戦闘スーツをはためかせて空へ飛びあがった

 

 

エイラ「よし、こっちも出るか」

 

 

シャーリー「エイラと私を編隊長として3・3のケッテ編隊に分けよう。宮藤リーネはエイラの下についてくれ。ペリーヌ、私とルッキーニと一緒だ。後からきた私達3人はあかね達の戦い方を実際に見てない。リーネとペリーヌは編隊長のサポートを頼む。見慣れてるだろうからな。」

 

 

宮藤「あのぉ・・・シャーリーさん。水を差すようで悪いんですが・・・あのですね」

 

 

シャーリー「お、どうした宮藤。いつも元気よくハイって言ってくれるのに」

 

 

宮藤「私ストライカーがですね。無くってですね」

 

 

シャーリー「マジで!?どうすっかなぁ。それなら私とルッキーニの2人、残った3人で組むしかないか」

 

 

エイラ「ミヤフジはまぁゆっくりしとけ。今回だけだぞ」

 

 

健次郎「おっとまずいことになったぞ。エネルギー反応がもう一体!今回の襲撃は2体じゃ!」

 

 

普段はテレビとして使用している居間に設置されている大型のモニターは、健次郎の手元のタブレットの操作一つで様々な情報を映し出すことができる。それを指差し興奮気味にマイクに向かって喋る健次郎の通信を受けたビビッド戦士達は、既に最初に出現していた1体目のアローンを視界に捉えていた

 

 

 

あかね『えぇ!?もう一体来ちゃったの!?どうしよ!』

 

 

ひまわり『前みたいに突然進化する可能性もあるし私達4人はこのまま1体に集中した方がいいと思う。』

 

 

シャーリー「もう1体は任せてもらうよ。それぐらいはやんないとタダメシ食わせてもらう訳にはいかないしな」

 

 

健次郎「シャーリーくん!この通信機を使ってくれ。操作感は君らが使っていたものと大体同じにしてある。あかね達との通信はもちろん、携帯電話としての使用も可能じゃ。」

 

 

シャーリー「ありがたく頂戴します。ではナビゲートは頼みます!」

 

 

 

博士から通信機を受け取ると、異次元の戦士達は庭にせり上がってきた健次郎特製格納庫へと入っていく。彼女達のストライカーは元の世界で使っていたのと限りなく近いカタパルトで固定されている。これはウィッチ達の要望を受けて健次郎と防衛軍技術班が知恵を絞って再現することに成功したものだ

 

 

 

ストライカーユニットは、内部に仕込まれた特殊装置<魔導エンジン>により魔法力を増幅、変換、調節を行うことで空中飛行を可能とする為の装備である。ペリーヌが危惧していたように魔法力だけでなく外部燃料を用いなければ完全な稼働は不可能だが、これに関しても防衛軍が使っている航空燃料に少し改良を加えたもので代用できることが判明し問題ではなくなった

 

 

 

シャーリー「出撃!」

 

 

 

ストライカーの先端に発生した光のプロペラが高速で風を切る音が格納庫に鳴り響く。出力された魔力にエーテルが反応し疑似的にレシプロのような羽が出現するのだ。魔法力による強化された身体であれば本来歩兵が携行するには大きすぎる程の機銃を装備することが可能となり、それにウィッチ各々が持つ固有の能力による上乗せをしたものがこのストライカーユニットを装備した時の彼女達の戦闘力となるのだ

 

 

 

 

 

_________________________________________________

 

 

 

 

シャーリー「こちらは異常なしだ。本部聞こえるか?誘導を開始してくれ」

 

 

 

健次郎『こちら本部。2体目のアローン・・・いや、1体目に出現したアローンをその特徴から<タートル>と、2体目を<ラビット>とそれぞれ呼称することにしよう。現在タートルは東側洋上5キロの地点に出現、そこから非常に遅い速度で示現エンジンへと侵攻中じゃ。こちらにはビビッドチームが対応する。ラビットは北側洋上にて出現。こちらは示現エンジンがあるブルーアイランド本島ではなく学園島へ向けて移動を開始しておる。ウィッチーズにはこれを撃破して欲しい』

 

 

 

ペリーヌ「学園島へ?なぜでしょうか」

 

 

 

健次郎『ラビットの出現位置からは学園島が一番近い陸地になる。ラビットの破壊目標は示現エンジンではなく近くにいる人間の集団なのかもしれん。サイズも今までで出現したものの中で最も小型でじゃ。しかし移動速度の速さが問題じゃ』

 

 

 

健次郎はモニターの前で努めて冷静であったが、この事態の異常性には少し眉をひそめずにいられなかった。これまでにない複数体の同時出撃、示現エンジン以外を狙っての行動。この世界が大きな転機を___もちろん悪い方向に__迎えているのではないか、とい予感が脳裏をよぎる

 

 

 

健次郎『むっ!ラビットの移動速度が上昇しておる!急いでくれ、このままでは振り切られる!』

 

 

ルッキーニ「シャーリー!やっちゃえ!」

 

 

シャーリー「OK。こちらシャーリー!ちょっと飛ばすぜ!」

 

 

 

シャーリーは目を細めて遥か彼方にいるであろうアローンを見据える。彼女がウィッチである証、うさぎの使い魔の力の象徴の白く長い獣耳が風の抵抗を受け流すように彼女の頭の後ろに少し傾いた。彼女の身体を青白い光が覆い、ストライカーが細かく振動する。魔導エンジンに膨大な魔法力が流れ込んでいる証拠だ

 

 

 

 

さて、ストライカーユニットはただ空を飛ぶために存在するオシャレなブーツではない。当然戦闘面においてウィッチを様々な面からフォローする役割を持つ。大切なのは装着者の魔力の調節機能だ。使用者が攻撃に夢中になるあまり失速して飛行を維持できなくなったり、スピードの出しすぎでストライカーの耐久力が限界を越えたりしないようセーブする大切な機能だ

 

 

 

装着者であるウィッチは飛行時に受ける強い空気抵抗や撃破したネウロイの破片との衝突等様々なダメージが想定されるが、それを防ぐ為の防御膜をウィッチの魔力を利用して自動で出力するのもストライカーの機能の1つだ

 

 

 

装着者の魔力操作技術でこの辺りのバランスを上手く配分し、その時々で適切な魔力出力を切り替えていくことで高度な空中戦を行うことができる。しかし、それには限界がある。現時点でのストライカーユニットは単独での音速飛行には成功していないし、戦艦の主砲を装備して飛び回ることはできない。

 

 

だがそれはウィッチが普通に魔法力を発動させた時に限る

 

 

 

シャーリー「いくぜぇええええええ!!!」

 

 

 

彼女の固有魔法、超加速。その魔法の影響下ではあらゆる物質が限界を越えたスピードを得られる。なにより速く飛ぶことを夢見るシャーリーを常に世界の先頭に立たせてくれる素敵な魔法だ

 

 

 

衝撃波をまき散らして一気にトップスピードまで加速したシャーリーはぐんぐんアローンとの距離を詰め、一息つく間に前を行くアローンの隣に並んでみせると仲の良い友人に挨拶でもするかのようなのんきな調子でその黒い身体に向かって声をかけた

 

 

 

シャーリー「よう!そんなに急ぐと危ないぜ!」

 

 

そこでようやく自分が追い立てられていることに気付いたアローンは金切り声を発して迎撃の構えをとる。背中の赤い装甲部分から細いビーム光線をばらまくがシャーリーは更に速度を上げて前に移動してかわすと、上半身を捻って手にした機関銃で正面から銃撃を浴びせる

 

 

鼻先を削られて気分を害したのか、やっきになってシャーリーを追い始めた。ゆらゆらと左右に揺れ、アローンがついてこれる速度を維持しつつ攻撃をしっかり避け、仕留める気の無さそうな散発的な攻撃でアローンの注意を惹き続けた

 

 

シャーリー「さぁ、これもついてこれるよな?」

 

 

水平飛行から身体を起こし、上方へ跳ね上がる。背面飛行で大きく反り返り進行方向を180度後ろへ変えるシンプルなループ飛行だ。既にシャーリーのケツを追いかけることしか頭にないアローンも軌道をなぞるように飛行する。追いかけられる立場から追いかける側へとなったアローンは身体中にある赤い装甲にエネルギーをチャージし、速度を落としてこちらに背を向けるシャーリーにトドメを刺そうと狙いを定めた

 

 

 

シャーリー「単純なやつだよお前さんは」

 

 

エイラ「それ撃て狙え!」

 

 

ルッキーニ「うにゃー!!」

 

 

 

 

自らの進む方向に待っていたのは武器をもたない弱い人間達がいる島だったはずだ。しかし今、アローンの前には安全装置を解除した怒れる魔女達が待ち構えていた。シャーリーがエイラ達とそのまますれ違い射線上からいなくなったのを確認したウィッチーズが放った弾丸の壁がアローンを迎え撃った

 

 

 

<ドガガガガガガ!!>

 

 

 

真正面から複数の火線を浴び、コアもろとも全身を打ち砕かれたアローンはそのまま爆散しキラキラした金属片を跡に残しながら海へ墜落した。水面に広がった小さな白い泡も波に飲まれて消え、<ラビット>と呼ばれたアローンはキレイさっぱり片付けられた

 

 

 

シャーリー「うさぎを追いかけたのがお前さんの敗因さ」

 

 

 

 

エイラ「うわなんかかっこつけてるやついるぞ」

 

 

ルッキーニ「ねえ芳佳、芳佳。なんていうんだっけ。中学何年生!みたいなやつ」

 

 

宮藤『中二病のことかな?』

 

 

 

シャーリー「ああもうロマンのないやつらだな!おーいあかね!こちらシャーリーだ!こっちは片付いたぞ!」

 

 

 

 

 

__________________________________

 

 

 

 

一方視点を変えて、ビビッドサイドもアローン撃破まであと一歩まで詰めていた

 

 

彼女達が対面しているアローンは<タートル>と名付けられた大型の浮遊アローン。動きは遅く、亀の甲羅のような大きな箱状の装甲から砲台の役割を持つ手足を出し入れする高火力要塞タイプだ。以前相手どったタイプ程の火力はなく、精々少し装甲が厚いのが面倒なだけの敵であった。もう一体のアローンをシャーリー達が担当してくれている以上、焦ることなく相手の攻撃手段を1つずつ削り比較的容易に撃破できるはずだった

 

 

 

しかし、またもや横やりが入る。どこからか飛来した光がアローンに突き刺さり状況は一気に緊張感を増した。明らかに装甲の厚みが増したことであおいの一撃でもほとんどダメージが通らなくなり、破壊した腕が再生して激しい攻撃によりこちらが攻撃する隙を生み出すのが難しい

 

 

 

ひまわり「こうなると・・・」

 

 

わかば「ドッキングか。どうする?遠距離ならひまわり?」

 

 

ひまわり「昨日の今日はちょっときつい。正直疲れが残ってるし、それにあの装甲わたしのビットのビームの通りが悪い。動きも遅いし・・・そうだ!あおいちゃんのドッキングならいいんじゃない?」

 

 

あおい「・・・!」

 

 

ひまわり「これまでのドッキングの仕様からすれば、私達の固有兵器をあかねの力で大きく強化できる。あおいちゃんとのドッキングなら一撃パワー特化。当てさえすれば多分どんな敵でも一撃で倒せるんじゃない?」

 

 

 

あかね「なるほど!よっし、あおいちゃ___」

 

 

 

ドッキングを提案しようとしていたあかねはその口をつぐんだ。戦闘中だというのに、その身が敵の射程圏内にあるというのに完全に固まってしまっていた

 

 

 

あおい「う、うん!」

 

 

 

振り向いたあかねを見てあおいは慌てて笑顔を取り繕った。ただそれだけのことが、一色あかねの心を締め付けるには充分なことだったのだ

 

 

 

 

 

わかば「あかね!?ど、どうしたの!?」

 

 

あかね「え、いや・・・」

 

 

 

 

あかねの直感は彼女の意志に関係なく作動する。さらにビビッドレッドに変身している状態のあかねは影響下にある他のパレットスーツ装着者とうっすらとだが精神が繋がっている状態なのだ。例えドッキングをしていなくても。その状態である今、あおいと一瞬目と目を合わせただけで彼女の思いが伝わってきた。彼女は___ドッキングを、心底嫌がっていた

 

 

 

 

 

 

 




張り切って書いてます。無理やり完結にもっていく気はありませんが、一つのモチベーションとして目標を今年中に完結を掲げています。でも・・・書いちゃう・・・!どんどん書きたいこと増えちゃう・・・!
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