ビビッド&ウィッチーズ!   作:ばんぶー

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第36話 あおい「秘密のお茶会」

あおい「というわけで。秘密の暴露会を始めます!」

 

ルッキーニ「わーい!!」

 

宮藤「あのぉ、私達もいないとだめかな?」

 

あおい「苦しみは群れで分け合えって有名なアニメで聞いたことあるんです。」

 

リーネ「苦しいと解ってることならやめにしたほうが・・・」

 

 

わかば「あおい変な方向に吹っ切れちゃったわね。恐ろしいわ」

 

 

ペリーヌ「あら、随分嬉しそうに見えますが?」

 

 

わかば「また1人強大なライバルが誕生したことに喜びを禁じ得ないのよ」

 

 

 

お風呂から上がったビビッドチームの面々は寝室に並べられた布団の上で輪になって集まっていた。あおいの提案で、チームの親睦を深めるためのお楽しみ会を開こうという流れになったのだ。お楽しみといっても、みんなが普段言いにくい隠し事をなにか一つ話してみようという少しスリリングな議題を設定されているのだが

 

 

シャーリー「私達もここに居ていいのかい?」

 

わかば「あなた方も既に仲間だと思っているのですが、違いましたか?」

 

シャーリー「OK。とっておきの話を考えるよ」

 

 

 

もも「皆さんお菓子食べるなら新聞紙の上で食べてくださいね。食べカスが畳に落ちると掃除が大変ですから」

 

 

 

本来こんな時間のお菓子などももが許すことはないのだが(たまに彼女も誘惑に勝てない時があるが)、お客さんをもてなすのが趣味になりつつあるももはとっておきのイチオシお菓子とジュースを棚から引っ張りだして部屋の中央に並べていた。

 

 

 

あかねがその中の一つを手に掴み、そして当たり前のようにジャージのポケットからマヨネーズのビンを取り出して真剣な表情で厳かに語り始めた

 

 

 

 

あかね「じゃあ私から暴露するね。実は・・・寝る前に食べるお菓子が最高に好きなんだ!見ててね、ポテトチップスのコンソメパンチにマヨネーズをごってごてにかけて食べるとコクが___」

 

もも「没収!!誰か没収してください!!!」

 

宮藤「流石にこの時間帯にその量のマヨネーズはだめだよ!」

 

リーネ「あかねちゃんごめんなさいっ!」

 

 

周囲から一斉に掴みかかられてしまっては一色あかねといえど抵抗のしようがない。彼女は哀れにも両手にもった至高の一品を口にすることはできなかった

 

 

 

あかね「勇気をもって暴露したのにこんなの酷いよぉ!」

 

わかば「それ暴露にならないでしょ・・・。もうあかねはいいんじゃない?どうせこんなのしか出てこないでしょうし」

 

あかね「ひどいよぉ・・・」

 

 

心を折られたあかねはぐでーんとあおいの足の上に身体を投げ出してめそめそと泣き始めた。あおいは突然の事態にどぎまぎしつつも、あかねの髪を撫でながら深呼吸をしてなんとか気持ちを落ち着かせ再び話の輪に混ざった

 

 

ルッキーニ「あおい鼻血出てる。」

 

あおい「気にしないでください。持病です」

 

ひまわり「じゃあ次私がやる。先にやらないとスベるかもだし」

 

 

枕を胸に抱きかかえていたひまわりが軽い感じで手を挙げてみんなの視線を集めた

 

 

 

エイラ「一番ウケたやつが勝ちとかそういう話じゃなかっただろ?」

 

ひまわり「せっかくだしみんなの印象に残るような話をしようと思って。私がいじめられた時の話なんだけど」

 

 

 

場の空気が完全に凍った。確かに言いにくいことを言おうとはいったが、あおいはみんなに「自分を傷つけてしまうようなことは言わないでおこう」と再三言ってこの会を開いていた。ひまわりはそんな空気に変わってしまったのを見ても全く気にしない様子でにやっと笑って平気で話を再開した

 

 

 

ひまわり「最初にいっとくけど、これは私が自分を楽にするために話すんだ。笑いながら聞いてくれると嬉しいんだけど」

 

エイラ「ムチャ言うな・・・」

 

 

ひまわり「まあそうだよね。みんな優しいし。・・・まあ、色々あったんだ。別に囲んでぼっこぼこにされたりはしてないよ?精々無視されたり、物を隠されたりみたいな程度だったし。その時の担任の先生がすぐ気づいて対処してくれたから長くはやられなかったし」

 

 

 

しかし、そのほんの短い期間はひまわりから人への信頼を根こそぎ奪っていくには十分すぎる程の絶望を与えたのだ

 

 

 

四宮ひまわりは幼くして頭が冴えた。特にインターネットやプログラムにまつわることは興味津々で、小学校の勉強よりよっぽどのめり込んでいた。そんな彼女の腕を学校の友人たちは尊敬していたし、だからこそひまわりの友人達は彼女にとあるお願いをしたのだ

 

 

 

ひまわり「当時流行ってたSNSでうちの学校の生徒が集まるグループがあったんだけど、そこで匿名投稿機能を使っての名指しの悪口が絶えなくて。私の友達も被害にあってたんだ。で、誰がやってるのかを特定して欲しいって言われた私は正義感に燃えて・・・〈それ〉を達成したんだ。」

 

 

 

 

匿名機能にハッキングをかけ、そのSNS上のどのアカウントが書き込んだのかを全員に見えるようにしたのだ。その結果、犯人を特定することができた

 

 

 

ひまわり「一部じゃない。学校のほとんど全員だよ。今になれば当たり前だと思えるんだけど、匿名となれば周りの悪意に簡単に飲まれちゃう。リアルだと人に優しく接してくれる子も、あそこじゃ他人を罵る天才になってたよ」

 

 

 

翌日の教室は悲惨だった。自業自得の仲違いがあちらこちらで勃発していた。醜いクラスメイト達のケンカにうんざりしていたひまわりに最後にトドメを刺したのは、彼女に依頼してきた女の子達の態度だった

 

 

自分達まで悪者側であると暴かれた彼女達は、あろうことかひまわりが全員の匿名機能をオフにした事をクラスの全員に告発したのだ。罪悪感の行き場を求めていた幼いクラスメイト達はそのどす黒い感情を何もかもひまわりに押し付けた

 

 

 

ひまわりの心を真っ黒な失望に染めたその事件からもう何年も経っていた。〈友達〉というものに一度は見切りをつけたひまわりは、今自分の顔を見つめてくれている人達をゆっくりと見渡した

 

 

 

ひまわり「人には裏がある。だから信じるなんてことはするべきじゃないなんて捻くれたこともあるけど・・・。友達のことなら、それでも受け入れてあげたいって思うんだ。今はね」

 

 

 

ひまわりは暴露会をいい機会だと思っている。一色あかねは裏のない子だった。裏なんてものを隠せるほど器用な子ではないことはドッキングをしなくてもなんとなく理解できたことだ。しかしもしわかばやあおい、芳佳達に何か裏があったとしても、ひまわりはそれを受け入れた上で仲良くしたいと考えていたのだ

 

 

 

全てを話し終えたひまわりの手が少し震えていたのに気づいたわかばは、自分の手を伸ばしてひまわりの片方の手をぎゅっと握りしめた。そして恥ずかしがったひまわりがわめいているのを無視して自分の小さな秘密を語りだした

 

 

 

わかば「私の暴露をするわ。大したことじゃない。最近、初めて自分のお小遣いでファッション雑誌を買ってみた。自分じゃトレーニングウェアと制服と剣道着くらいしか着ないけど、どうにも他人に可愛い服を着せたりするのが好きみたいなの。最近気づいたことだけど」

 

 

そっけなく淡々と話す彼女だが珍しく頬を赤くしていた。三枝わかばはずっとそういうものに無頓着な女の子だったのだが、あかねと出会うことである意味ふっきれたわかばは自分がこれまで見てこなかった世界に目を向け、新たな境地に至ろうとしていたのだがその結果小さいながらも趣味のようなものを見つけてた

 

 

 

ひまわり「この前私に無理やりワンピースを着せたのもそれなの?」

 

わかば「磨けば光るのにそうしない人を見ていると私の心がざわめいてしょうがないわ。次はあかねとももちゃんがターゲットね」

 

あかね「次!次の人おねがいしまーす!」

 

わかば「絶対にあなたにスカートを履かせてみせるわ。あかね」

 

 

あおい「私いいですか!?実はあかねちゃんのことが好きなんです!!!!!!!」

 

ひまわり「知ってるけど」

 

リーネ「それ知らない人いるんですか?」

 

シャーリー「半日も見てればわかるよ」

 

エイラ「相性占いしてほしかったら金払ってくれよナ」

 

あおい「軽く流さないでください!?」

 

あかね「///」

 

ペリーヌ「あかねさんを羞恥心でノックアウトなさるおつもりですか?そういうのは2人きりの時にしてくださいまし。はいはい次次。」

 

 

 

 

きゃいきゃいと黄色い声が飛び交う夜のお茶会は熱を増し、初夏の夜は更けていく。各自が悩みだったり趣味だったりを語っていく。それはどれもこれも話し手自身にとっては重大なものであっても聞き手にとっては笑い話で終わってしまうようなものがほとんどだったが、話終わったものは皆すっきりした面持ちであった

 

 

 

ペリーヌが最近紅茶だけでなくコーヒーにも興味を持っている、という正直リアクションに困る内容を暴露し(シャーリーは新たなコーヒー党の仲間が見つかったことを小躍りする程喜んでいた)、ようやく最後の1人である宮藤芳佳の番になった

 

 

 

宮藤「暴露、といいますか・・・。この前の事で思い出したんです。私がこの世界に来てしまうことになった記憶の話です」

 

エイラ「この流れでそんな重い話するのか?よせよ、もっと軽い話にしたほうがいいって。501のおっぱいランキングをノートにしたためてることとか話せよ」

 

宮藤「なんで知っ・・・!!げふん、私はそんなことしてません!撤回してくださいエイラさん!!」

 

エイラ「オマエの部屋の机の引き出し。一番下の段の奥に入ってる鍵つきの箱。」

 

宮藤「エイラさん。後でなにか食べたいものなんでもお作りしますからとりあえず黙っててもらえませんか?」

 

リーネ「・・・」

 

宮藤「リーネちゃん違うの!ほんとなんでもないの!!」

 

ペリーヌ「ああもういいからさっさと話しなさいな!結構大事なことなんですのよ!」

 

宮藤「すいません。ええっと、ランキングの選考基準についてでしたっけ?私は決して大きさだけが全てだと思っている訳ではありません。サイズでランキングを作るなら、誰がやったって同じ結果になるでしょう。だからとっても難しく、やりがいのある___」

 

ペリーヌ「トネール」バチバチッ

 

宮藤「冗談です!!はい!!ちゃんと私の話をしますから!!」

 

 

 

姿勢を正して、芳佳はゆっくりと記憶を辿り始めた。それは自分がここに来ることになったきっかけの話。

 

 

 

宮藤「私の世界に現れた人型ネウロイ。あの子と意志の疎通ができると確信した私は邪魔をする501の警備の人を片っ端から大人しくさせてストライカーで勝手に出撃したんですけど・・・」

 

 

わかば「ちょっと待って。もしかしてかなりヤバイことじゃないのこれ?」

 

 

ペリーヌ「1から10まで命令違反ですわ。ぶっちゃけ元の世界に戻ってからも本当に大変だと思いますわ」

 

 

 

 

 

人型ネウロイ、と呼称されるのは宮藤の世界で出現したイレギュラーな存在である。その時々で様々な形態をとるネウロイだったが、歴史上初めて人間と同サイズ同形態のネウロイが観測された

 

 

それは攻撃的な姿勢をとることもなく、迎撃にやってきたウィッチ達をあっさり翻弄するとそのままどこかへ飛び去った

 

 

 

宮藤「そうです。私はあの子にただならぬ気配を感じたんです。夜、あのネウロイに呼ばれたかのような気配を感じた私はストライカーを起動して基地を飛び出しました」

 

 

 

宮藤芳佳の奥底にあるお人よしと正義感を刺激する直感。それにスイッチが入った彼女を止められるものはいない。あらゆる鍵付きの扉を蹴り飛ばし、止めようとする整備兵に強烈な一撃を加えて勝手に出撃した彼女は確かに黒い身体を持つ彼女と対面を果たしていた

 

 

黒い能面のような人型ネウロイの表情から情報を読み取ることはどんなメンタリストだって難しいだろう。しかし、芳佳を待っていたネウロイに連れられ飛び込んだ雲の中で向かい合った時、なにかを自分に伝えたようとしていることが芳佳にはわかった

 

 

しかしそれがどういうものかを理解できる一歩手前で何かに首根っこを掴まれて異次元へのワープホールへ放り込まれたのだ

 

 

宮藤「つまりあの時、あの子以外にもう1人・・・。何かがいたんです。私の邪魔をする何かが」

 

 

 

その時の事を思い出したのか首をさすりながら芳佳は話終えた。その後はまあよく解っていない。気が付いたら海辺でれいと揃って寝転がって砂にまみれていた。ストライカーユニットはどこかでおっことしてきたのだろう

 

 

エイラ「なんだ、結局何もわからないままか?」

 

シャーリー「そうでもないさ。そのれいって子に話を聞こう。芳佳と同じように別次元から来た可能性があるだろ?」

 

ペリーヌ「彼女も記憶喪失ですわ。それに今は自分のご親族の方が見つかったようですし、こちらの世界の住人なのではないでしょうか。それはそれとして記憶が戻ったら事情を聞こうとは思っていますが。」

 

シャーリー「ああ、手詰まりだな」

 

エイラ「あとは私の占い頼りか?」

 

ルッキーニ「それはないでしょw」

 

エイラ「試しに占ってやろうかルッキーニ。今からお前は私に布団でぐるぐる巻きにされて廊下に放り出されるんだ!」

 

ルッキーニ「うぇーい怒ったー!!」

 

 

 

 

それからもしばらく話し込んでいたが、そろそろ日付が変わる時間になりそうな事に気付いたシャーリーが手を叩いて宴の終わりを宣言した

 

 

 

 

 

 




どんどんペースが上がってきた気がしないか?このままだと1日に何話も投稿できちゃいそうだ!!
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