ビビッド&ウィッチーズ!   作:ばんぶー

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第41話 れい「いらっしゃいませ」

<ドガァン!>

 

 

 

わかば「ごようだごようだ!!神妙になさい!!」

 

 

あかね「この赤い髪が目に入らぬかー!!」

 

 

あおい「メンタルの切り替えが死ぬほど早い!さすがあかねちゃん!」

 

 

 

ビビッドチームは黒騎れいの住むアパートの部屋番号を割り出した。そうなればあとは突撃あるのみである。一色あかねと三枝わかばを筆頭にその一室へ乗り込んだ

 

 

ペリーヌ「・・・お留守のようですわね」

 

 

ひまわり「不在通知おいて出直そうか。」

 

 

ペリーヌ「それは良い考えですわね。きっとすぐにでも連絡をいれてくださると思いますわ」

 

 

 

ペリーヌが手を合わせて大げさにそう言うが、目が全く笑っていない。ひまわりは首をすくめて部屋を観察した。もっとも、たいして見るものもない

 

 

 

 

部屋には全く人の気配がない。それだけでなく、生活の温かみがまるで存在しなかった

 

 

 

ひまわりの住むアパートと違いワンルームの質素な部屋。家具は何一つ存在せず、フローリングの床の中央にやけくそ気味に投げ出された一枚の毛布の周りに、数本の空のペットボトルと菓子パンの空き袋が力なく転がっていた。それだけが、ここに誰かが住んでいたただ一つの証明である

 

 

ペリーヌ「・・・一時的な隠れ家、と形容するのが正しいのでしょうか?」

 

 

リーネ「れいちゃんの事を知ってる親族の方が見つかったというのも嘘だということでしょうか?」

 

 

あかね「うーん。あの時のれいちゃん、嘘は言ってなさそうだったんだけどね」

 

 

ペリーヌ「あかねさんの直感はある意味能力として昇華しているものではありますから、あなたがそう思うのでしたらそうなのかもしれませんね。しかし・・・」

 

 

 

打てる手は打った。しかし対話を行うことができない以上、状況が示すものが全てである。黒騎れいは意図的にその身を隠し、彼女の立場が悪くなる一方である現状を覆す手段は一切無くなってしまった

 

 

 

ひまわり「管理局と防衛軍の人達が島中を捜索してくれてる。今は待つしかないのかも」

 

 

あかね「そう・・・だね」

 

 

 

 

 

 

そのアパートを遠くから見つめるものが2人、居た。2人という表現はいささか微妙である。少なくとも1人は人の形をしていなかったし、もう片方も既に人間のカテゴリからも逸脱しつつある者であった

 

 

 

 

「どう動くのですか?」

 

 

「いつも答えの決まりきった質問ばかりね。あなたと話すのホントにつまらないわ」

 

 

 

風になびいてはためくマフラーを手で捕まえて、首に強く巻き付けた。彼女は長いマフラーがたなびく様が好きだったが、弓を引くのには少々邪魔であることは承知していた

 

 

 

「彼女達は敵の存在に気付き、領域に踏み込んだ。こそこそと立ち回れる時間が終わった以上、こっからは闇討ちではなく___戦争をするのよ」

 

 

 

 

これをもって壁は立たれた。黒騎れいは深い闇を孕んだ眼でこの世を見下ろしている。かつてあかね達と共に過ごしていた時にあった、14歳らしい温かな感情は一切感じ取れない。彼女が高い所に立つのを望むのは、獲物より高い所に陣取りたいという狩人としての好みだ

 

 

 

黒騎れいが取り出したるは黒き弓。空へ向けて躊躇いなく一矢を放った

 

 

 

 

輝きを纏う一撃が雲を散らし、天に穴を空ける。その穴からは、呼び寄せられた異界の者達が歓喜の金切り声を上げながらはい出してくる。

 

 

 

 

 

れい「一心不乱の大侵略を。」

 

 

 

低く呟くその言葉は、この世界全てに対しての宣戦布告。太陽は退き、暗黒の雲と雷鳴が戦いの舞台を相応しいものに染め上げる。れいは目を細めて視線を空から地上へ向け、あかね達がアパートのドアから転がるように飛び出してくるのを見つめた

 

 

 

 

あかね「・・・!」

 

 

宮藤「!」

 

 

 

そう、一色あかねの直感であれば。宮藤芳佳の心の敏感さであれば。空中のアローンがどれだけの脅威を放っていようと気付ける筈だ。自分達に向けられる矢のような視線に。

 

 

 

二人は再会の笑顔も失意の涙も見せず。自らの心に従って行動を起こす時に決まってするような、自身に満ちた凛々しい顔でまっすぐにこちらを見つめ返してきていた。

 

 

 

れい「・・・」

 

 

心の中を無理やりにも浄化してきそうな眼が今は不愉快だった。れいは踵を返し、ビルから飛び降りてその姿を隠した

 

 

 

 

わかば「あかね、見つけたのね!?」

 

 

ペリーヌ「シャーリーさん!」

 

 

シャーリー『追ってるよ!』

 

 

 

頭上を一機のストライカーが甲高い音を立てて飛び越えて行く。待機していたエイラとルッキーニもそれに少し遅れて続いた

 

 

要請するまでもなく健次郎が射出した輸送ロケットが2機近くの地面に突き刺さり、リーネとペリーヌは空へ舞い上がるべくそちらへ駆けていった。そしてあかね達も戦う意志を固め、オペレーションキーを強く握りしめる

 

 

宮藤「・・・」

 

 

しかし宮藤芳佳だけは、この場にあって空を飛ぶ手段を持たずにあった。いかに一色健次郎がこの世界きっての科学者であったとしてもストライカーユニットを新たに作り出すことだけは果たせずにいる現状、彼女がウィッチとしてネウロイやアローンと戦うことは不可能だった

 

 

 

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シャーリー「確かに宮藤が参戦してくれれば前線はぐっと楽だ。お前の強力なシールドは心強い。それに未熟なお前だからこそ、実戦経験を積むほどに強くなってる。できるだけ場数を踏んで欲しいってのは先輩として思うことでもあるさ。でも、宮藤は飛ばなくても役割を持てる固有魔法をもってるからな。私達の誰かとストライカーを交換してまで前線に出すより今の体制を維持した方が戦力に無駄がない」

 

 

 

エイラ「そうダナ。そうしろ。それに私の占いによれば、嫌でも立ち上がらないといけない時が迫ってる。ずっと傍観者ではいられない。時が来れば、躊躇わず行けよ。またフォローしてやる。」

 

 

 

 

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芳佳は走った。行く先はあてずっぽう、しかし自分が行くべきだという確信があるのだから走らざるを得なかった

 

 

 

あかね「芳佳ちゃん!」

 

 

宮藤「任せてっ!」

 

 

 

姿を消したれいのことも、芳佳になれば任せる事が出来る。となれば迷いなく、ビビッドチームの意識は空へと向けることができるのだ

 

 

 

わかば「まずは目の前の敵を!」

 

 

あおい「そういうことだね!」

 

 

ひまわり「んじゃ、音頭をよろしくー」

 

 

あかね「みんな、行こう!」

 

 

 

「「「「イグニッション!!!!」」」」

 

 

 

 

 

 




投稿ペース落ちてきてんじゃないのー!?がんばってがんばって!!できるできるできる!!!!
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