ビビッド&ウィッチーズ!   作:ばんぶー

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第42話 あおい「インベーター・ゲーム」

 

わかば「今回はあからさまに多いわね。遂に団体戦といったところかしら!」

 

 

ひまわり「現時点で9体!小型サイズが7!でっかいのが2!」

 

 

あかね「丁度1人1体だね!」

 

 

 

ひまわりが素早く敵の数を報告する。現時点で、というのは空に空いた穴が未だ塞がらない事から追加の敵を予測してのことであった。案の定、ひまわりが状況報告を終えた時点で追加の一体が時空の穴から顔を出して来ていた

 

 

ひまわり「追加でもう一体出現!!」

 

 

あかね「おかわりは今のを全部食べてからでいいんだけど!?」

 

 

 

一発の銃声があかねの悲鳴を遮るように響いた。穴から這い出そうとしていた黒い侵略者の身体が弾け飛ぶ

 

 

 

リーネ「これで1人1体ですね?」

 

 

 

リーネは対戦車ライフルのボルトを引いて次弾を装弾しつつ事もなげに言い放った。出現する場所を派手にアピールしながら顔を出してくる敵など、彼女にとっては程度の低いエサでしかない

 

 

あおい「か・・・かっこいい!今のはかっこいいよリーネちゃん!」

 

 

わかば「絵にかいたようなスナイパー感を醸し出してくるわね!」

 

 

リーネ「いや、あの、別にかっこつけたわけじゃなくって!」

 

 

ペリーヌ「そこは胸を張っていればいいんですのよ。シャーリーさん、黒騎さんは?」

 

 

シャーリー「すまん見失った!前線に復帰するよ!」

 

 

 

かなり遠くまで追跡を行っていたシャーリーは名残惜しそうに建物の上空を旋回していたが、これ以上は無意味だと判断しとんぼ返りでペリーヌ達の方へ飛ぶ

 

 

 

ペリーヌ「かしこまりました。ちょこまかした敵はわたくし達ウィッチがお相手いたします!あかねさん、大物は任せてよろしいですわね!?」

 

 

あかね「オッケー!ぶっとばしちゃうよ!!」

 

 

空ですれ違いながら拳を軽くぶつけ合い心に滾る戦意を確かめ合うと、ビビッドチームとウィッチ達はそれぞれ散らばり標的に向かう。

 

 

 

柴条『小型のタイプから強い毒性を持つ特有の瘴気が発生していることが観測されています。存在するだけで人間の生活環境にとてつもない危害が発生します!地上に近づけないようにしつつ、早急に処理して下さい!』

 

 

 

 

健次郎『小型の形状は防衛軍が保有するジェット戦闘機に酷似しておる。シャーリーくん達の情報通りであればネロイは人間の兵器等を模倣する傾向がある。毒性を備える事も鑑みるに、小型タイプはネウロイに分類されるものである可能性が高い!アローンとは違い、示現エンジン以外の物も狙ってくるぞ!』

 

 

 

 

シャーリー「OK!エイラ、リーネとペリーヌを指揮して避難を行っている住民の防衛に当たってくれ!」

 

 

エイラ「おいおい、そっちはサボりか?」

 

 

シャーリー「冗談よせ、私とルッキーニがオフェンスをやってやるってことさ!」

 

 

ルッキーニ「おっしゃー!!」

 

 

 

シャーリーの加速魔法を受けたルッキーニが超高速飛行でネウロイの一体目掛けて飛翔する。ルッキーニは自らの固有魔法を発動させる。溢れる魔法力が高熱を帯びたエネルギーシールドを発現させ、その小さき身体に装甲のように纏い弾丸めいた勢いでネウロイに真っすぐ突っ込む。そして勢いのままぶ厚い装甲を貫いた。

 

 

そのまま飛び去ってしまわないようにブレーキをかけて減速するルッキーニを狙おうとしていたネウロイの射線を塞ぐようにシャーリーが割って入る。シールドを張ってビームを受け止めている間にルッキーニが体勢を立て直し離脱し、それを確認したシャーリーは身を翻して距離を詰めながら射撃を行う。銃弾がネウロイの装甲に鋭く突き刺さり、耐えきれなくなったネウロイの身体が爆散する

 

 

シャーリー「撃破2だ!」

 

 

ルッキーニ「どんどんやっちゃうよー!!」

 

 

2人のウィッチはぐるぐると8の字を描くように飛行しながらネウロイ達を引き付け、ビビッドチームから引き離す。彼女達が大型に集中できるようにという配慮だ

 

 

 

 

あかね「よーしそれじゃこっちも・・・!」

 

 

あおい「あかねちゃん!!!!チューしてください!!!!!!!」

 

 

あかね「え!?いきなり!?チューって言葉にされると照れちゃうなぁ・・・。別にイヤってことじゃないからね!?大丈夫だよ!?」

 

 

あおいが纏う空気が黒いモノに変化していくのを察したあかねが慌ててフォローした。それを聞いて再び目に輝きを取り戻したあおいが信じられない程の速度であかねの傍に飛び寄った

 

 

あおい「開幕ぶっぱは正義!そういう文化なんだよあかねちゃん!」

 

 

あかね「でもドッキングは敵の強化の後でやるべきなんじゃないのかな?」

 

 

あおい「そんなお約束は日アサ以外では無視して大丈夫なんだよ!」

 

 

ひまわり「お約束を無視するのは私的にNGだけど、こういう状況なら一気にキメに行くのもいいかもしれないかも。敵が強くなる前に倒しちゃうのはぶっちゃけ合理的だし。」

 

 

あかね「確かに今回は2体だし、一気に攻めちゃったほうがいいかもだね。」

 

 

 

あおいの手を取って少し下がる。わかばが剣を構え、ひまわりは攻撃機を展開して2人を護るように配置する

 

 

あかね「あおいちゃん、いつもありがとうね。」

 

 

あおい「うん。私も、いつもそう思ってるよ。」

 

 

あかね「・・・あおいちゃんの気持ちに、やっと向き合える。ごめんね、遅くなっちゃった。」

 

 

あおい「ううん。私、自分の思いを伝えてるつもりで、あかねちゃんの答えを聞くのがずっと怖かった。私にとってあかねちゃんは1番大切な友達だけど、きっとあかねちゃんにとってそうじゃないかもって思ってたから。でも・・・」

 

 

一色あかねは友情に点数をつけたりしない。そんな器用な人付き合いはしない子なのだ。自分「も」あかねにとって1番の友達であった

 

 

 

 

あおいの唇があかねの額にそっと触れる。

 

 

 

満を持して、であろう。わかばがあかねの剣でありたいと願い、ひまわりは盾でありたいと願った。あおいは、あかねの隣に立つ強い人間でありたいと願っていた。あかねが笑顔でいられるために、邪魔をするものを全てなぎ倒さんとする盲目な程の熱い意志。一方通行な押し付けのようなその思いは、あかねに求められることで対等な想いへと昇華する

 

 

 

あかねは伸ばした手を握ったあおいを力強く引き寄せる。あおいは目を閉じて身を任せそのままあかねの中へ吸い込まれていった。発生したエネルギーフィールドが爆発的に広がり、いちゃいちゃしてないでさっさとドッキングしろよと心で思っていたわかばとひまわりを勢いよく押しのけた。

 

 

 

 

2人の心は1つとなって、強く激しく燃え上がる。情熱を燃料に稼働するエンジンが力強い鼓動を響かせ、大気を震わせ、飛び回るアローンを一瞬押さえつけるような凄まじい威圧感を発する

 

 

 

光のフィールドが晴れると、そこには気品漂う美しい女性が1人、自然体で佇んでいた。一見華奢に見える細見の身体ではあるものの、まさしく威圧感の発生源であるのは間違いない強烈な存在感と頼もしさを備えている

 

 

 

 

海の青さも空の蒼も、彼女の色には一段劣る。そんな鮮かブルーの髪を自由奔放に風になびかせ、彼女は天を指差し高らかに名乗りを上げる

 

 

 

 

ビビッドブルー「青空背負ったコバルトブルー!嫉妬も不安も乗り越えて、お待たせしました真骨頂!この身が備える剛力こそは、海より深い無限の愛!ビビッドブルーが、ぶちのめします!!」

 

 

びしっと効果音が聞こえる程のキメポーズをとると、その身体から強烈な衝撃波が飛び出し背後に接近してきていたネウロイを一体粉々に打ち砕いた。飛び散る破片が彼女の立ち姿を演出するかのように青い光をキラキラと反射する

 

 

 

 

 

 

わかば「変身しただけで1体倒したわよ!あおいはえげつないわね!」

 

 

ひまわり「うん・・・まあなんというか、えげつないね。」

 

 

ビビッドブルー「えげつないのはここからなんだから!見てなさいな!」

 

 

 

不敵に笑い、その両の手を大きく広げた。好き勝手飛び回る侵略者達を、今からその手で握りつぶす算段がついているような恍惚とした表情にも見える

 

 

主役の登場により、遂にこれまでと一線を画す規模の戦いの幕が切って落とされた

 

 

 

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