ビビッド&ウィッチーズ!   作:ばんぶー

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第43話 あおい「らぶらぶハンマー流星群」

 

 

戦いが始まってから時間が経つにつれ風はどんどん強くなり、赤黒い色に染まった雲が凄まじい速さで空を流れている。しかし先ほどまでと違うことは、今その風はビビッドブルーを中心に渦のように吹いていることだ

 

 

 

彼女が一歩(空中であるにもかかわらず彼女は地に足を着けているかのように動いていた)足を前に出すと、彼女に引っ張られるように雲が動き空が形を変える

 

 

 

ビビッドブルー「どうにも戦場というものは美しさが足りないわね。私の晴れ舞台だというのに演出が足りないわ。盛り上がりに欠けるし、陰気で堅苦しいし、つまらない」

 

 

 

ぶつくさと愚痴を垂れながら髪をかき上げるその姿は、あかねの純粋さやあおいの奥ゆかしさのどちらも似つかない傲慢で高飛車な我儘お嬢様そのものといった風合いだ。ドッキング後は性格が不安定になるのを見越していた健次郎が咄嗟に彼女だけ通話回線から外したおかげで、その不謹慎極まりない発現は他のメンバーに聞かれずに済んでいた

 

 

 

アローン「___!」

 

 

 

今回出現したアローンは2体。全長はおよそ40m。形状は整った立方体。外界に面した6枚の面の中央に赤い結晶を備えており、時折火花を放ちながら攻撃を行うタイミングを計っているように見える

 

 

立法体アローンの一体が放ったビームがよそ見をしていたビビッドブルーに直撃した。ぎょっとした表情で固まるわかばとひまわりを他所に、ビビッドブルーは涼しい顔でそのまま赤い光の中から何事もないように歩いて出て来た。毛ほどのダメージも感じさせない堂々とした姿勢だ。実際彼女の美しい髪に焦げの一つもついていない。

 

 

 

 

ビビッドブルー「ビームってのもワンパターンだしね。ここは1つ、私が華を咲かせてやりましょうか!」

 

 

にこりと微笑むと、彼女は両手を軽く叩き合わせて小気味良い音を響かせたた。手の平にエネルギーの火花が散り、大がかりな攻撃の予兆を見せる

 

 

 

 

ビビッドブルー「ダブルビビッド・インパクト!」

 

 

 

両の手に普段あおいが戦闘で使用しているものより一回り大きいハンマーを2本、両手に出現させた。

 

 

少し作りも変わっており、いつも使うものは1つの塊に持ち手がついているタイプのハンマーなのだが、こちらは支柱の両側に大きなボックスのような塊2つをそれぞれ固定するような形をしている。どうみても身体のサイズと見合っていない大きな獲物を、彼女は新体操の選手がバトンを操るかのように片手でくるくると回転させる。

 

 

 

その視線は空に浮かぶ2体のアローンに向いている。あおいの攻撃を邪魔しようと動いたネウロイは、ビームを発射する前に横から飛来したルッキーニの銃弾を浴びて砕け散った

 

 

 

 

ビビッドブルー「振りかぶっての第一投ォー!ビビッドインパクトッ!ブーメラン!!!」

 

 

 

身体の半身を捻り下半身から伝わる動的エネルギーを上半身へ伝達。指先の先端まで神経を集中させ、右手に握った一本を全力で投擲。衝撃波をまき散らしながら超高速で射出されたビビッドインパクトが、野球ドームを更地にする程の凶悪な物理エネルギーを備えてアローンの装甲にぶち刺さる。

 

 

ビビッドブルー「スットライクゥー!」

 

 

楽しそうな彼女とは違い、なすすべなくその一撃を受けたアローンは金切り声のような音を響かせながら数百メートル程吹き飛ばされ、陸から追い出され海上まで追いやられた。美しい立方体だった身体の一部は欠け落ち、遠目から見ても分かる大きな亀裂が走って全面に走りそこから赤い光が漏れ出している

 

 

 

わかば「荒々しい・・・」

 

 

ビビッドブルー「わかばちゃんにだけは言われたくはないんだから!」

 

 

 

味方の小さな呟きも聞き逃さずムキになって言い返す。ビビッドブルーはお年頃なのだ。左手に残ったハンマーを指と手首を使ってくるくる回転させながら照準をもう一体のアローンに絞って投擲の構えをとっていたが、少し思案した後止めた

 

 

同じ技を二度使うのはつまらない。

 

 

そう考えた彼女はハンマーを腰だめに構えて、もう一体のアローンの方へ飛び掛かった

 

 

アローン「___!」

 

 

 

相方の敵討ち、などと考えるような存在ではないだろうが、アローンは自分へ向かってくる青い荒くれ者へ全力の迎撃を行った

 

 

 

ビビッドブルー「そんなんじゃヒリつかないわ!ビビッドエンジン臨界稼働開始!」

 

 

 

防御の姿勢など取らずとも、ビビッドブルーの纏うエネルギーフィールドはアローンのビームなど取るに足らないものだ。ドッキング形態であるビビッドブルーの飛行速度はグリーンには劣るものの従来のあおい単体とは比べ物にならない程速い。彼我の距離はまたたく間に詰まり彼女の間合いに入った

 

 

 

 

ビビッドブルー「インパクト、セーフティ解除!ファイナルオペレーション・スタンバイ!」

 

 

高らかに叫ぶ声に合わせてシステムが反応する。手にしたビビッドインパクトが青い光を放つ。両側にそなわったボックス部分の片方が展開。羽のように開いて、内部の機構が露出する。青白い霧のような蒸気が噴出し、空気が歪む。強烈なブースターがハンマーそのものを加速させているのだ

 

 

 

ハンマーにとりつけられた装置による加速。ビビッドブルーの腕力による加速。相まって、降り注ぐ隕石を撃ち返す程の一撃

 

 

ビビッドブルー「ファイナルオペレーション!!ビビッド・アルマゲドンホームラン!!!」

 

 

 

破壊のための一撃ではなく、吹き飛ばすための一撃。インパクトした瞬間、ハンマーの接地面が開いて広く展開しパワーが分散される。装甲に入ったヒビは薄いが、先ほど吹き飛ばされたアローンとは比べ物にならないほどの勢いですっ飛んで行った。向かう先は、遠くでボロボロの身体の修復を図るもう一体のアローン

 

 

ビビッドブルー「ごっつんこ☆」

 

 

 

<ズガァァァァン!!>

 

 

アローンをアローンが打ち抜くと同時に、まるで街中の大型ビルが軒並みバク転に挑戦するも失敗し地面に叩きつけられた時のような凄まじい轟音が街を襲った。海面が荒れ狂い、勢い余った波が島の海岸沿いを襲って砂浜を削る

 

 

 

 

2つのアローンは共に粉々に砕け散り、光の粒となって空気中に飛散した

 

 

 

ビビッドブルー「まっこと、他愛なしね!出直しなさいな黒いヤツ!」

 

 

 

ビシッと音が聞こえる程のキメポーズをとる彼女の背後で、最後のネウロイがシャーリーの銃撃で爆発し戦いの終わりを見事な演出で飾りたてた

 

 

 

 

 

 

 




寒いですね。伝染病にも気を付けましょう。ぼくも仕事なんていかずに小説書いていたいです
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