ビビッド&ウィッチーズ!   作:ばんぶー

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第60話 あおい「回り回りてインパクト」

わかば「待たせたわね!到着よ!」

 

 

シャーリー「よう!片付けといたぜ」

 

 

 

戦闘空域にパレットスーツ装着者3人が到着する。作戦立案時ではパレット到着時点で塔以外の全てのネウロイの撃墜が果たされているのが理想だったのだが、わかば達の合流したタイミングは丁度最後の一体が倒されたところであった

 

 

 

ひまわり「無限沸きだと思ったのに、全部倒しちゃったの?」

 

 

ルッキーニ「なんか思ったより大したことなかったかも」

 

 

ペリーヌ「れいさんも例のカラスも顔を出さないとは何かきな臭いものを感じますわね」

 

 

健次郎『うむ。しかし、叩けばホコリも出ると言うじゃろう。警戒を解かずに攻撃を開始してくれ。』

 

 

 

使い方が正しいのかどうかは微妙だが、見つめていれば解決するという問題ではないのは確かだった。それに言われずともビビッドチームは高めに高めた戦意を解き放つのをずっと我慢して戦闘機の尾翼に捕まっていたのだから様子を見る気などさらさらなかった

 

 

あおい「もうやっちゃっていいんですか!?」

 

 

血走った目でネイキッドインパクトを生成しあおいは先陣を切る。塔のアローンが放つ底知れぬ威圧感などあおいには毛ほども影響しなかった。むしろ、塔のアローンが放つ気配が強ければ強い程あおいはそれに負けまいと胸の炎を滾らせる

 

 

その後を慌ててシャーリー、ルッキーニ、エイラとわかばが追いかけた。少し遅れてあろん子と宮藤が続く。狙撃手であるリーネとビットを攻撃の主軸に据えているひまわりはその場で待機し、ペリーヌは後衛2人の護衛として残った

 

 

 

 

シャーリー「おいおいおい待てあおい!」

 

 

わかば「そうよ!先陣を切るなら小回りの利く私かルッキーニ達に___」

 

 

シャーリー「おらよ!加速してやるからブッ飛んでいきな!」

 

 

わかば「シャーリーさん!!!!」

 

 

あろん子「いいわ、思いっきりやってしまいなさい!」

 

 

悠々と追いついたシャーリーがあおいの肩にポンと手を置き、自らの固有魔法を発動させた。あおいのパレットスーツの放つ青い輝きが強さを増し、彼女の飛行速度が格段に向上した

 

 

 

あおい「ありがとうございまぁぁぁあぁああああああ!!!!」

 

 

 

質量×速度=破壊力。想いの重さを魔法で加速。あおいは一筋の流星となって塔へ目掛け突っ込んでいく

 

 

 

目標の遥か先であるにもかかわらず、あおいは両の手で握りしめたハンマーを前に振り下ろす。それは宙を叩き、あおいの股下を通過する。あおいはその勢いを殺さず、お腹に力を込めてハンマーをさらに振り回し再び頭上まで持ち上げ、さらに勢いを乗せてもう一度縦に振り下ろした

 

 

ネイキッドインパクト後部の補助ブースターから青い炎が噴き出し、あおいの回転速度は一周毎にぐんぐん上がっていく。あおいが目標まで真っすぐ進めるようひまわりが遠隔でサポートしているので彼女は自分のハンマーの推力を上げることだけに集中できた

 

 

 

巨大な物体が高速で空気を押しのけるために発生する轟音が眼下に立ち並ぶ建物の窓にミシミシと悲鳴を上げさせる。ハンマーがなぞる軌道に青い光が残像となって円状のサークルを形成した。周囲から見れば青い車輪が爆音と衝撃波を放ちながら空中を走り回っているようだった

 

 

 

ひまわり「今ッ!」

 

 

あおい「ネイキッドォォォ!!!!フェリスホイール・インパクト!!!!!!!」

 

 

 

回転のタイミングはひまわりが調節し、ジャスト振り下ろすタイミングを合わせてくれる。そう信じているから、あおいは迷いなくひまわりの合図と共に全ての力を解き放った。遠心力とあおいの膂力が破壊の方程式の最適地を導き出す。強烈な一撃がアローンと真っすぐに衝突した

 

 

 

<<<ドゴォォォォォン!>>>

 

 

 

塔のアローンの装甲がクレーターめいてベコリとへこみ、アローンの全身に地割れめいた痛々しい亀裂が走る。あおいは叩きつけたハンマーを引き、大きく深呼吸した

 

 

 

塔のアローンの身体が1回り膨らむ。反撃に備えてウィッチ達は銃を構え、わかばも剣も取り出すがアローンの装甲の亀裂からは青白い光が溢れ出す。離れていてもミシミシと固いものが裂けていく音が聞こえて来たかと思うと、次の瞬間アローンの身体が光をぶちまけながら弾け飛んだ 

 

 

 

 

あまりに強すぎる速度で衝突すれば、目標物を貫通してしまうのが普通である。しかしネイキッドインパクトはあおいの意志によって顕現する武器。その破壊力の伝わり方を自在に操ることがあおいには可能だ。だからこそ、インパクトの位置や目標の形状を問わずハンマーに宿る全てのパワーを全体に伝播させた後、目標の体内から外へ爆ぜるように作用させることで敵を粉々に打ち砕くことが出来るのだ!

 

 

 

 

ルッキーニ「うにゃぁぁぁあああああ!!」

 

 

わかば「うおおおおああああ!!」

 

 

高さ300mにも及ぶ塔を破壊してなお有り余るエネルギーがアローン内部から爆音と共に吹き出す。わかば達は吹っ飛ばされてペリーヌのいる場所まで押し戻された

 

 

 

舞い上がった砂塵が塔のアローンのあった場所を覆い隠した。シャーリーは油断なく目を離さないようにしながらひまわりの傍によって彼女の肩に手を置いて妙な胸騒ぎを振り払う為に話しかけた

 

 

 

 

シャーリー「やったか!?やったよな!」

 

 

ひまわり「アローンの反応が薄れてく。やったっちゃ、やったね」

 

 

シャーリー「なんだ渋ってるな。確かにちょっとスムーズに進みすぎな気はするけどさ」

 

 

ひまわり「れいもカラスも邪魔してこない。あおいの攻撃は確かに高威力だけど、最後のアローンの名を背負っておきながらワンパンで沈むなんて……」

 

 

リーネ「あおいさん。状況はどうなっていますか?こちらからでは砂ぼこりに邪魔されて視認できません」

 

 

リーネの通信が終わると同時に、あおいがネイキッドインパクトを手にしたまま煙を払いのけてこちらへ向けて離脱してきた。彼女は達成感のある表情を浮かべているが、しかしその声にはまだ緊張が含まれていた。彼女もまだ何かを感じているのだ

 

 

 

あおい「確かな手応えを感じました!やったはずです!」

 

 

リーネ「アローンの身体は崩壊していくのは見えました。……つまり、倒したということでいいのでは?」

 

 

ひまわり「いや、数値はまだ完全に消失してない。みんな気を付けて」

 

 

 

土煙の中から黒い巨大な〈腕〉が天へ向かって高く高く伸びあがった。立ち並ぶビルの屋上を追い抜いてなお伸びていくそれは太陽を握りつぶさんとばかりに拳を固く握り込み、背を向けているあおいに向かって全力で振り下ろされた

 

 

リーネ「あおいちゃん後ろ!!」

 

 

 

警告と同時にリーネは引き金を引く。寸分違わず拳に直撃し振り下ろしの勢いを少し弱めあおいが反応するまでの隙を作る。あおいも自らの背後に迫る脅威を本能的に感じ取り、振り向きざまに展開したままのネイキッドインパクトを叩きつけた

 

 

 

凄まじい衝突音が鳴り、腕とあおいは両者ともに弾き飛ばされる。あおいはそのまま武器を光の粒子へと戻し勢いを利用してその場から全力で離脱する。カバーの為に動いていたルッキーニが腕へ向けて弾丸を撃ちこむと、腕は再び土煙の中へ戻っていく

 

 

ルッキーニ「なんなのぉ!?」

 

 

あろん子「どういうこと……!塔は破壊された!だというのにアレは!!」

 

 

ルッキーニ「だからなんなのって!」

 

 

あろん子「塔から産まれる破壊の死者……世界を終了させるもの!巨人の、アローン!」

 

 

 

地響きが鳴る。大地が悲鳴を上げ、空が悲しみの黒に染まる。舞い上がった粉塵を押しのけるようにして、黒く巨大な身体をもつそれがゆっくりと二本の足で立ち上がった

 

 

 

 

踏み出す一歩は示現エンジンのある方へ。ソレは、この世界を終わらせる力を持つものであった

 

 





あかね「フェリスホイールって?」

あおい「アメリカにあった史上初の観覧車だよあかねちゃん」

あかね「あおいちゃんは何でも知ってるんだね」

あおい「wikiに書いてあったの。」

あかね「へー」


わかば「シリアス維持していこ!あかね!もうちょっとだけ寝てて!」
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