ビビッド&ウィッチーズ!   作:ばんぶー

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第61話 エイラ「這い寄る巨大な侵略者」

塔の残骸から立ち上がったのは、全長100m程の巨人。遠目から見ればそのシルエットはやせ細った長身の男性

を思わせた。肩と背骨から数本のまがまがしい突起が生えており、顔にあたる部分は1枚の板で覆われた能面のようになっている。全身を覆うのは勿論漆黒の装甲であり、そのアローンは底知れぬ不気味な雰囲気を放っていた

 

 

 

<オオオオォォォォォ__________ン>

 

 

 

 

突如鳴り響いた轟音にわかばは思わず耳を塞いで顔をしかめた。尋常ならざる音はアローンから放たれたものであることは明白だった

 

 

 

ルッキーニ「うにゃ……やばそう」

 

 

あおい「う、うん。なんかラスボスって感じだね……」

 

 

塔が放っていたのとは比べものにならない威圧感がわかば達に襲い掛かっていた。両手をだらりと下げたまま、ゆっくりとアローンが歩き出した。空にいるビビッドチームの事など気にも介さず、ソレはただ示現エンジンを真っすぐと狙っているのだ

 

 

 

エイラ「コイツ、私らは相手にならないって顔だな?いや顔ねーけど」

 

 

シャーリー「いい度胸してやがるな!流石でかいだけはあるってもんだ。お前ら、気合いれろよ!ビビったら負けだからな!」

 

 

わかば「はいッ!」

 

 

気圧された後輩達を見てエイラが軽口を、シャーリーが明るい声で激励を飛ばす。それを聞いてあおい達は武器を握る手に力を込め、再び気合を入れた。どれだけ強大な敵であっても必ず倒さなくてはならないのだ

 

 

ひまわり「あろん子。あれがどんなのか知ってるなら教えて。どんなことでもいいし」

 

 

あろん子「〈巨人〉のアローン。塔のアローンから産まれる、世界を滅ぼす役割を持った強力なアローンよ。捉えた示現の戦士の魂を吸い上げて顕現する巨人のアローンの持つ力には誰も太刀打ちできない。高次元の存在でありながらその時空の法則を捻じ曲げて無理矢理実体化した挙句、周囲のあらゆる物質の命を吸い上げながら無限に成長する怪物よ。本来なら誕生させた時点で負け確定のエグゾディアみたいなヤツね」

 

 

わかば「エグ……なに?」

 

 

あおい「は?なんですかそのサービス終了直前のインフレしきったエンドコンテンツ的なぶっ壊れボスは。ふざけてるんですか?」

 

 

あろん子「まあ落ち着いて。ハンマーを振り回されたら落ち着いて解説もできないじゃない。本来なら、と言ったでしょ?砕かれたから仕方なく出て来た早産の巨人、フルスペックではない筈よ。充分撃破の可能性があるはず」

 

 

宮藤「ということは、あとは頑張るだけですね」

 

 

 

宮藤の一言で作戦は決まった。死力を尽くし、戦う。敵が倒れるまで、立ち上がり武器を振り下ろすのだ。そうして世界を救う。彼女達は敵へ向き直った

 

 

 

巨人のアローンの咆哮が鳴り響く。空を覆っていた雲は全て消え去った。しかし青空は見えず、天は赤黒く染まっていた。終焉を迎える予兆だとでもいうのだろうか

 

 

そうはさせずとビビッドチームは攻撃を開始する

 

 

 

エイラ「あおい、わかば。こっちで隙を作るからタイミング見て大技を仕掛けてくれ。ひまわりとリーネは後衛だな。あろん子と宮藤は私と来い」

 

 

シャーリー「いくぞルッキーニ、ペリーヌ!ファイヤー稲妻フォーメーションだ!」

 

 

ルッキーニ「おっしゃあああああああああああ!!」

 

 

ペリーヌ「はぁ。」

 

 

シャーリー「ノリ悪すぎて冷静になったわ。普通に仕掛けるか」

 

 

ルッキーニ「うぃ」

 

 

 

2チームに分かれて、左右から挟み込むように巨人の背後から接近する。射程の長いリーネがいの一番に仕掛けた。相手の装甲の硬さを確かめる為放たれた狙撃ライフルの銃弾が3発、後頭部、首、背中の中央に命中する。しかしその弾丸は装甲に直撃するかと思われた瞬間まるで吸い込まれるように消失してしまい、アローンにダメージを与えることは叶わなかった

 

 

リーネ「!これは……」

 

 

 

シャーリー達が右から、エイラ達が左からそれぞれ銃弾の雨を浴びせる。頭のてっぺんから足首までまんべんなく攻撃をばらまき、弱点を探るように攻撃を行うがそのどれもが例に漏れず甲高い衝突音をたてる事無く黒い装甲に呑み込まれて消え去ってしまう

 

 

 

シャーリー「おいおい、こりゃまずいな!」

 

 

ペリーヌ「っ、銃撃がだめならば接近して固有魔法を使いますわ!援護を___」

 

 

エイラ「待て下がれペリーヌ!攻撃が来る!」

 

 

 

エイラが声を張り上げて警告した直後、巨人のアローンが頭をぐるりと回転させて右側にいるペリーヌ達の方へ顔を向けた。表情のない能面のような顔は底知れぬ狂気を秘めているような正体不明な感覚をウィッチ達に与える。巨人はゆっくりと右腕を持ち上げると、人差し指を一本立てて指差すような手の形を作り指先をウィッチ達の方へ突き出した

 

 

 

ペリーヌ「!」

 

 

エイラの警告に従い弾かれるようにその場から飛びのき軌道を変更する。ウィッチ達が先ほどまで飛んでいた場所を赤い閃光が走り抜けた。一瞬遅れてビームの軌道上の空気が焼けて破裂した音が鳴り響き、ビームの先にあった空の遥か先に赤い光の名残が尾を引いてどこまでも続いていた。放たれた攻撃が圧倒的な威力を誇っていることを証明した

 

 

 

 

宮藤「うわ……なんですかあれ!」

 

 

ひまわり「半端ないってあれ。今まで出現した強化アローンの大技並みの出力があるよ!基本的に防御はしないで!」

 

 

ルッキーニ「こっちの攻撃が通らないのはなんなのぉ!?」

 

 

健次郎『以前現れた強化アローンも似たような現象を起こしておる。強力すぎる示現エネルギーが周囲の時空を歪め、それによってこの次元に存在する物質が自らに干渉することを拒否できるのじゃ!』

 

 

ひまわり「前よりずっと強力。魔法力を通した銃弾がなんの影響も与えられてないから、私達が作り出す武器の直接攻撃も出力が足りないとまるで効果がない可能性がある」

 

 

あおい「じゃあどうするんです!?」

 

 

ひまわり「……とにかく、攻撃を続けるっきゃない。ヤツのデータを集めてくれたら、絶対打開策を見つけるから!」

 

 

 

エイラ「んじゃまあ、やれることは全部やりますか」

 

 

 

巨人のアローンが無機質な咆哮を上げ、大気が揺れる。ソレは自分の歩行を妨げる者達がいることに気が付いたようだ。肩に生えた大きなトゲを紅く輝かせ、戦闘体勢に移行したことが見て取れる。ビビッドチームの面々も圧倒的な脅威を持つ存在に気圧される事無く、勝機を信じて攻撃を開始した

 

 

 

 

 

 

 




2020年が・・・おわっていく!?うそだァー!!完結が・・・間に合わないッ!!!!
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