ビビッド&ウィッチーズ!   作:ばんぶー

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夏の暑さに負けないぜぇ!!!!!!


第63話 「ロマンティックな三角関係」

 

 

勢いよく光のゲートから飛び出してきた少女の身体は青、黄、緑と様々な色に変わりながらピカピカと発光していて、身体の輪郭は誰からもはっきりと視認できなかった。彼女の発する力が溢れ出しているのだが、その光は彼女自身を苦しめているものであった

 

 

 

「あばばばばばっ!!!か、身体が崩壊する!!!誰か助けてぇ!!!」

 

 

 

足がつった人がマジでパニくった時に出すような情けない悲鳴が上がった。救いのヒーローとして参上した筈の人間が放つ第一声としては最悪なものであった。だが助けを求めるものあらば即刻駆けつけるのが宮藤芳佳だ。状況は呑み込めないが、銃を背中にマウントして手を空け治癒魔法を使う準備をする

 

 

 

宮藤「とにかく思いっきりやっちゃっていいんですよね!?」

 

 

健次郎「うむ!全力で治癒を頼む!」

 

 

宮藤「合点です!」

 

 

 

健次郎の認可を受けると、芳佳は発光している少女を背中から抱きしめ治癒魔法を発動させる。ストライカーを装着している状態の芳佳が発揮できる魔法力は身体1つの場合の何十倍にもなる。かつて示現力の干渉に阻まれあかねの腕を治すのに手こずっていたが、今は相手がどんな状況だろうと関係なしに癒していく。少女の身体の光に上から覆いかぶさるように青い光で描かれた魔法陣が展開され、対象の身体に力を注ぎ込んでいく

 

 

 

不安定な光の粒が青い光の魔力に吸い寄せられ、中心にいる光の少女の元へ集められていく。青い光が強くなる程、姿が安定していなかった光の少女の形が徐々に定まっていく。満を持して芳佳が身体を放す頃には、先ほどまで苦しんでいた不安定な存在は影も形も無かった。そこに立つのは、敵を討たんとする激しい怒りと、友を守りたいという穏やかな優しさの両方を併せ持った戦士

 

 

 

あろん子「示現力による生命の一体化。コアであるあかね抜きに成し得るとは驚きね」

 

 

 

「流れ流れて因果に惹かれ、出会った我ら三銃士!

 

目指したものは違えども、心に立てた誓いは1つ!あの子のハートを射止めてみせる!

 

オペレーションは、トリニティコンボ!力いっぱい戦います!」

 

 

 

強気につり上がった青い瞳をくわっと開き、声高々に名乗りを上げ、足を踏み下ろせば大気が揺れた

 

 

 

体格や顔立は二葉あおいをベースとしているが、後ろでポニーテールにくくられた長い髪の先端はグラデーションで緑色に染まっている。髪留め代わりの黄色いヘッドギアが頭部を保護し、腰に備えた二本の鞘を模した緑のサイドスカートが光を反射し誇らしげに輝く。全身には関節部分の可動域を損なわないようにしつつ鎧のような青い装甲が装着されていて、足は巨大なブーツが、腕は大きなグローブが装着され手足が一回り大きく拡張されているように見える

 

 

 

3人のドッキング形態の特徴を同時に組み合わせた姿は、ちぐはぐなようで絶妙なバランスを保っていた

 

 

 

トリニティ「さっきのは忘れて!もう大丈夫!名乗りも決まったし、大船に乗ったつもりでいてね!」

 

 

あろん子「ほんとに大丈夫なの?全然安定しているようには見えないのだけれど」

 

 

トリニティ「いやいい感じだって。いい感じなんだけど、なんだろう。なんか吐きそう」

 

 

宮藤「大丈夫じゃないじゃないですか!?」

 

 

トリニティ「なんだろなぁ。調子乗ってご飯をお腹いっぱい食べすぎたって感じ。テンションが上がりすぎてて頭がぐるぐるするし、妙に熱っぽいし……あああああ!なんか爆発しちゃいそう!!」

 

 

 

しちゃいそうと言いながら実際爆発していた。彼女の周囲を惑星のようにぐるぐると周回する光球が明滅を繰り返し、直視するのが難しい程輝きが強まったものが時たまパチンパチンと破裂音をたてて弾けている。芳佳の治癒魔法の補助で一時的に安定できているが、世界の法則を捻じ曲げて存在している彼女はこの次元を構成する物理法則そのものから猛烈な拒絶反応を受けながら尚実像を保っているのだ

 

 

 

ペリーヌ「身も蓋もない言い方ではありますが、爆発する前にアローンを倒していってもらえますこと!?」

 

 

トリニティ「それについちゃあお任せあれです!」

 

 

 

両の手の指を嚙合わせるように前でがっちりと組み合わせ、1つの巨大な拳と成す。足を開いて腰を息を大きく吸い、目標に対して集中力を高める

 

 

 

トリニティ「全部のエネルギーを一発に集める!」

 

 

シャーリー「一発だけか!?」

 

 

トリニティ「それもまともに機能するかは保証しないよ!こちとら勢いだけでやってるんですからね!」

 

 

 

彼女がエネルギーを集中させると拳を眩い光が纏い、一撃で敵を葬れる無双の武器へと進化していく

 

 

 

拳から鮮やかな銀色の棒が飛び出し、まっすぐと長さを増しながら50m程に伸びる。それを見た芳佳は長い剣か槍を想像した。しかしその予想は一瞬で覆される。トリニティの拳から飛び出した光の帯が棒に巻き付いてどんどんと太さを増していく。ただ太くなるだけでなく、先端部分は細く根本は太く、超巨大な円推の形へ変貌を遂げた

 

 

 

トリニティ「ブレードの切れ味!ハンマーの破壊力!コライダーの加速力!全部合わせて敵を穿つ!」

 

 

 

 

創り上げられたのは鈍く輝く銀色のドリルだ。構成する金属はこの世界に存在する物質ではなく、超高密度の示現エネルギーを練り上げてつくった未曾有の超合金。巨人のアローンに負けず劣らずのサイズのドリルを構えてもトリニティの重心はビクとも揺らがず、矛先を敵に真っすぐ向けている

 

 

 

ペリーヌ「あれって効率いいんですの?」

 

 

宮藤「よく解りませんけどメチャクチャかっこいいんですから多分正解なんですよ!!」

 

 

シャーリー「ロマンは全てを解決するからな」

 

 

エイラ「守ってやらないと撃ち落されるかもしれねーぞ。ヤツが本気になったみたいだ」

 

 

 

エイラが親指でくいっと指す方を見れば、巨人のアローンの様相が変わっていた。先程まではこちらの攻撃など意に介さずといった様子で、反撃のようなものを行うにしてもその身体と顔は真っすぐと次元エンジンの方角を見ていた

 

 

それが今、ようやくこちらを敵と見定めたようだ

 

 

両肩に生えた突起が赤い稲妻を走らせ、攻撃を放つための予備動作が完了している。能面のような顔の下側がぱっくりと横に割れてまるで口のように大きく開いた

 

 

エイラ「攻撃来るぞ!おいドリル準備まだか!?」

 

 

トリニティ「ちょちょっ!ほんのちょっとだけ時間ちょうだいっ!」

 

 

 

ドリルはゆっくりと回転を始めていた。トリニティの背後に翼のように展開された6個のネイキッドコライダーが青白い炎を噴出し、前進の為のパワーを用意する。手足と胴体に装着された装甲の表面に光のラインが走り、トリニティの全身を駆け巡るパワーの出力が上がっていく

 

 

 

宮藤「私が防ぐから、思う存分チャージして!」

 

 

リーネ「私も手伝うよ!」

 

 

ペリーヌ「あなた1人で頑張らずとも、わたくし達がいるでしょうに!」

 

 

 

 

巨人のアローンの射線を防ぐため飛び出した芳佳の周りにウィッチーズが並び、全員で両手を前方に突き出す。展開された6枚の防御シールドが芳佳のシールドに取り込まれるようにして巨大な1枚のシールドへと変化する

 

 

 

巨人のアローン「___________」

 

 

巨人のアローンの口から血を思わせる赤黒い光を放つビームが放たれた。今までのどのアローンが放ったものよりも凶悪な力を秘めており、触れる周囲の空気を腐らせながらウィッチーズの張るシールドへと襲い掛かった

 

 

 

<バチチチッ!!!!>

 

 

通過しようとするビームと阻まんとするシールドのせめぎ合いは僅か十数秒の出来事であったが、その僅かな時間を乗り切るためにウィッチーズは殆どの魔力をつぎ込む必要があった。完全体ではないとはいえ、世界を崩壊させる力を持つ巨人のアローンが繰り出した全力の一撃を防ぎ切った彼女達の実力は称えられるべきものであろう

 

 

 

所々ヒビの入った魔法陣がボロボロと崩れて消えた。そして巨人のアローンは目にする。ウィッチーズの後ろで悠々と回転する巨大なドリルを

 

 

 

 

トリニティ「パレットドリル、スタンバイ!」

 

 

 

 

充分エネルギーを溜めたドリルは既に標的を貫通する準備を整えていた。高速で回転する狂気の金属塊に切り裂かれる空気が悲鳴を上げる。酷く耳障りな高音が衝撃波を放ちドリルの放つ異常なエネルギー力場は周囲の空間すら歪めていた

 

 

ウィッチーズの何人かは自分の背後で聞こえるその音から、歯医者さんで自分の歯が無慈悲に削られた時の情景を思い出し若干の冷や汗を流していたのだがそれはそれとして

 

 

 

背中に装着したコライダーの推力を高めトリニティが前進を開始する。最初はゆっくりと、そして徐々に加速する

 

 

シャーリー「離脱だ離脱!!突っ込め三銃士!!!」

 

 

ルッキーニ「ブチ飛ばしたれー!!!」

 

 

 

 

「「「ブレードコライダー・インパクトォォォ!!」」」

 

 

ビームを最後まで受け切ったウィッチーズが道を譲るようにバラバラに散開し、その間を巨大なドリルが突き進む。巨人のアローンはもう一度ビームを発射するが、パワーを完全に開放したドリルの前ではただの眩しい光としての役割しかもてない。赤い閃光をかき分けるように驀進し、そのままビームの発射口でもある巨人のアローンの顔面へ思いっきりドリルを突き立てた

 

 

 

 

 

<ギャリギャリギャリギャリギャリギャリギャリギャリギャリギャリギャリギャリ!!!>

 

 

トリニティ「どらぁあああああ!!」

 

 

アローンの防御膜が機能していないことはドリルが固いものを削る音からもはっきりと解った。巨人のアローンは強固な装甲を有しており、例え防御膜を突破できるエネルギーを備えた武器があったとしても撃破は至難の業である。ただ、ドリルなのだ。美しい丸みを帯びている円錐の先端が一度さされば、後は回転する度に傷穴を広げながら前進する

 

 

トリニティ「このまま食い尽くしてやる!」

 

 

口から後頭部へ抜けるのではなくそのまま進路を下へ。食べ物が腹へ落ちていく順路を辿るようにドリルを回す

 

 

されるがままのアローンは少しの間周囲にビームを乱射するなどと無駄な抵抗をはかっていたがすぐに両手をダランと下に降ろし動かなくなった。トリニティはそのまま巨人のアローンの上半身を半分ほど掘り進んだが、その辺りでアローンの身体が形を保てなくなり粉々に砕け散った。トリニティはそのまま地面に突き刺さり、数m程地面を掘った辺りでドリルの回転を止めた。摩擦で真っ赤な光を帯びたドリルから白い煙が立ち昇る

 

 

 

トリニティ「これにて一件落着ね!」

 

 

穴から這い出した彼女は満足そうに微笑み、アローンの残骸から放出される色鮮やかな光の粒が西の空へ飛んでいくのを見て満足そうにそう言った

 

 

 

 




あれですね。ガオガイガーのヘルアンドヘブンみたいなことをやりたかったんですよね。途中でグレンラガンみたいなこともしたくなったんですよね
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