ビビッド&ウィッチーズ!   作:ばんぶー

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第73話 「鋼鉄の翼」

坂本「宮藤!この世界も随分物騒なことになってるな!どうなってるんだ!」

 

宮藤「友達が2人、喧嘩してます!黒い子が勝ったらこの世界が無くなります!」

 

バルクホルン「なんだと?」

 

エーリカ「メチャクチャじゃん!」

 

 

銃弾がネウロイを砕き、シールドがビームを受け止める。攻撃と防御を行う人間を適時ミーナが指示し、陣形を維持したまま最適な手順を組み上げる。囲まれないようぐねぐねと軌道を変えながらも一塊の陣形を崩さずネウロイの山を崩壊させていくその様は完璧に統制された隊であり、一つの兵器でもあった

 

 

その連携の起点を担っているのは広範囲の物体を感知できる固魔法を持つミーナと魔法で作られた羅針盤により周囲から発せられる様々な電波を探知できるサーニャ、更に物体を透視しネウロイの弱点を瞬時に見抜く坂本。3名の強力な補助魔法あってこそだが、一方で数の差を覆す火力を発揮できる魔女達の存在も肝だ

 

 

 

バルクホルン「全く、貴様らは帰ったら便所掃除だからな!」

 

シャーリー「ま、ちゃんと帰れたらやってやるよ!」

 

 

バルクホルンの固有魔法は〈怪力〉。強化された彼女の肉体は他のウィッチの数十倍とも言えるパワーを誇り___故に本来なら積載不可能な程の火器を片手で振り回す事が可能だ

 

 

リーネ「前方にネウロイが集中!」

 

ミーナ「バルクホルン大尉、道を作ってもらえるかしら?」

 

バルクホルン「了解した。派手にやらせてもらうぞ」

 

 

彼女は背にマウントしていた巨大な砲を前方に向ける

 

 

バルクホルン「ゴリアスD3、全弾発射!」

 

 

凡そ歩兵1人が立ち姿勢で運用する兵器ではないのだが、彼女はそれを片手で構え、装填された弾を全弾発射した。反動は全て腕力で抑え込む。飛び出した砲弾は煙の尾を引きながら飛翔し、隙間の無い壁のように展開していたネウロイの一体に直撃し爆発、瞬間的に広がる紅蓮の炎を纏った爆風がネウロイをまとめて吹き飛ばした

 

 

バルクホルン「いい火力だ。技術班を褒めてやらないとな」

 

 

弾丸を撃ち尽くしただの重りと化したロケットランチャーを放り捨てようとして___技術班達の『マジで本体はもって帰ってきて欲しいっす』という嘆願を思い出し、まあ体力に余裕がある限りは背負っておいてやろうかと思い直して再び背に固定し武器を機関銃に持ち換えた

 

 

エーリカ「あんな反動凄いのトゥルーデしか取り回せないでしょ」

 

バルクホルン「お前達は筋トレが足りんのだ。そんなことよりミーナ!こんなものはずっと続けてられないぞ!」

 

 

周囲を見渡せば、晴風や作戦に参加してくれている仲間達の攻撃もありネウロイは順調に撃破できている。この世界の状況も晴風乗員が整理して部隊全体に報告してくれたお陰で最低限の事は理解できている。その上で、ミーナは隊長として判断を迫られていた。いかに練度の高い彼女達ウィッチーズが揃ったと言っても無限にネウロイを相手取れる訳ではないのだ

 

 

 

ミーナ「ええ、解っています。坂本少佐、そっちはどう?」

 

坂本「大元締めになりそうなネウロイは見当たらん。恐らくは……」

 

 

チラっと目線を遥か上空に向ける。そこでは白と黒の光の塊が絶賛激しいぶつかり合いを繰り広げていた。勇猛果敢を芯に据えたような軍人である坂本だが、その修羅場に飛び込んでいくのは少々骨が折れそうだと言わざるを得ない。仲間の救援のみを最優先と考えた場合、すぐにでも離脱できるのであればそうすべきだと判断した。それは部隊長であるミーナも同意見である

 

 

宮藤「……」

 

ミーナ「岬艦長、もう一度ジャンプするのにはどれくらいかかるの!?」

 

岬『ココちゃん、どうなの?___うん、うん。ミーナ中佐、最低でも3時間はかかります』

 

ミーナ「解りました。ではそれまで何とかするしかないわね」

 

宮藤「……」

 

 

宮藤芳佳は複雑な感情を抱えていた。離脱が行えず仲間達が危険な戦場に身を置かなければならない事を危惧していながら、あかね達の事に決着がつくまでここに居られる理由ができて喜んでいる自分もいることに罪悪感を感じていた

 

 

シャーリー「宮藤、変に考えるなよ。私達だっておんなじさ。この世界の抱えてる問題にケリがついてないのにって考えるのは当然だ。あいつら、友達なんだからさ」

 

宮藤「!……ありがとうございます。でも……」

 

ペリーヌ「今更、巻き込んだことを後悔するようなことはやめなさい!ミーナ隊長も仰っていたでしょう!みなアナタを助けたくてここに来ていると」

 

坂本「その通りだ。それにだな、宮藤。お前がこの世界に来た事、ただの不幸な出来事というだけではないと私達は考えている」

 

宮藤「どういうことですか?」

 

坂本「人型ネウロイの特殊性については我々の方でも何度も議題にあがっていた。この世界の置かれた状況、アローンという新たな存在。我々の世界を襲うネウロイとの関連性が考えられる以上、この世界で起きている事を無視する訳にはいかん」

 

 

坂本は朗々と語り、その後をミーナが継ぐ

 

 

ミーナ「あくまで安全を最優先。少しでも危険だと判断した場合は即座に我々の次元へ帰還することが前提ではありますが___この世界での情報収集も作戦の内です」

 

シャーリー「OK!じゃあさっさとネウロイを片してあかねの家でお茶会だな!」

 

坂本「そう!この作戦は我々の世界を覆う災厄を撃ち払うのに大きな意味を持つものだ!だから宮藤!気負うな!お前は正しい事をした!」

 

宮藤「……はいっ!」

 

 

彼女は無茶をした。理屈のない感情に従い基地を飛び出し、後先考えず次元の穴に飛び込んだ。それを助け出す為に多大なコストがかかったのは確かだが、それでも坂本は断じた。宮藤芳佳が自分を信じて行動したこの結果は、決して悪いものではないと

 

 

ミーナ「いや反省はしてね!?宮藤さん解ってる!?」

 

宮藤「私もう迷いません!正しいと思ったことだけを___全力でやりますっ!!!」

 

ミーナ「ちょっと……もうっ、美緒!」

 

坂本「はっはっは!怒るな怒るな。まあ、これでこそ宮藤!それでこそウィッチだ!」

 

バルクホルン「またミーナの胃薬の量が増えるな……」

 

ルッキーニ「でもでも、結局どうするの?防衛戦続けてていいのー?」

 

 

その時、彼女達は上空から煌びやかな銀色の光が降り注いでくることに気付いた。見れば、ネウロイが湧き続けていた空の裂け目に変化が起きていた

 

 

どこからか出現した超巨大な銀色の布めいたものが、裂け目をすっぽりと覆っていた。やわらかな質感で織られたビロードを思わせる光の布は裂け目をふわりと包み込みながら少しづつ圧縮されていき、最後はパチンと小さな音を響かせながら消失してしまった

 

 

健次郎『次元の裂け目が完全に消失した!あかね達がやったのか!』

 

リーネ「これでネウロイの増援は止められたってことですか!?」

 

健次郎『完全には止まった訳ではないかもしれんが、大幅な出現は止められるじゃろう!今の撃破ペースを維持してくれたならば殲滅が可能な筈じゃ!』

 

ミーナ「よし、各員攻撃に集中!一気にネウロイを殲滅します!」

 

 

「「「「了解!!」」」」

 

 

 

 

 

 




今月の更新ペースはヤバイわよ!!!!!覚悟しておいてくだしあ!!!!!(慢心
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