ビビッド&ウィッチーズ!   作:ばんぶー

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坂本「宮藤芳佳とはそういう女よ」

ミーナ「あなたに似てるわね……」

坂本「はっはっは!!!!!!!!」

ミーナ「笑い事じゃないのよ」

坂本「まあ、すまん」


第80話 「待てと言われたら走り出す女」

天城「博士!」

 

健次郎「天城くんか!ワシを肩に乗せとくれんか!」

 

天城「ええ!」

 

 

砂浜へ駆けよって来た天城はぬいぐるみを抱きかかえると自らの肩に乗せ、ウィッチ達に続いて砂浜を駆けた

 

 

健次郎「頼んでおいてなんじゃが、ワシと一緒に来ると言うことは___」

 

天城「皆まで言わないで下さい。私はビビッドチームの戦術顧問です!あなた方に付きますよ!」

 

健次郎「頼もしい限りじゃ!」

 

 

ひっ捕らえた朝倉は担いだミーナに続いて、健次郎は晴風に乗り込んだ

 

 

朝倉「私を拷問にかける気か!?無駄な事を___」

 

ミーナ「明石さん。任せていいわね?」

 

明石「ん、任せるにゃ。さくっとしめやかに全部話してもらうにゃ」

 

朝倉「なんだこの猫耳!?」

 

ネコミミ少女は多くは語らない。喚いて抵抗する朝倉の鳩尾に腹パンして黙らせると、明石と呼ばれた緑髪のネコミミ少女は動かない朝倉を引きずって歩き去って行った

 

 

取り調べは任せて、健次郎と天城はミーナに導かれるまま艦橋に入った。モニターの光が点滅する艦橋では少女達が慌ただしく動き回っている。艦長の岬が健次郎と天城に気付いて軽く頭を下げた

 

 

岬「健次郎博士、取り合えず進路は管理局に向ければいいんですよね?」

 

健次郎「うむ、そのように計らってくれ。誰か通信を管理局へ繋いでくれんか?」

 

「はい、繋がってます!」

 

すぐさま傍にいた少女が通信機を手渡してくれる。行動の速さに感服しつつそれを受け取り喋り出した

 

 

健次郎「こちら一色健次郎じゃ。柴条くんはおるか?」

 

『一色博士?何か御用でしょうか。局長は先程からずっと会議室で防衛軍副指令とお話されてますので、御用があれば後程折り返しさせますが……』

 

健次郎「何の会議か知らんが伝えておいてくれ。今から殴り込みをかけるとな」

 

『えっ。博士!?なんですか!?今なんかヤバイ事を___』

 

 

健次郎「通信終わりじゃ。岬くん、ご機嫌な航行を頼むよ」

 

岬「解りました。進路調整!ブルーアイランド管理局へ!」

 

 

 

________________

 

 

 

あかね『まだちゃんと話し合ってないから。会ってきます』

 

通信越しにあかねの声を聞いた芳佳は格納庫に並ぶストライカーを見渡し、そして後ろに立つ坂本美緒の方を振り返った

 

 

宮藤「私も行きます」

 

坂本「宮藤。まだ待機だ」

 

シャーリー「理由が欲しいならありますよ。あの子はネウロイを操った事があります。あれらについて私達より詳しい筈だ。でしょう?」

 

バルクホルン「リベリアン、よせ」

 

シャーリー「どうしたバルクホルン。なんかおかしいか?」

 

バルクホルン「これ以上無茶を重ねるとミーナの堪忍袋が耐えられん。私とハルトマンがお前達がいなくなった後どれ程気を揉んだか解らんのか?」

 

シャーリー「あー……」

 

バルクホルン「宮藤。お前の気持ちも解る。彼女は友達だったんだろ?だが、お前が無茶に飛び出して行ってはお前の身も危険だ」

 

 

バルクホルンは少し目線を落として宮藤と向き合った。そして出来るだけ優しい声でそう問いかけた

 

シャーリー「フフッ」

 

堅物で通っている彼女がらしくない宥めるような声を出していることがあまりにも面白すぎたので小さく吹き出したシャーリーに対し、バルクホルンは光の速さでローキックを決める。声も無く崩れ落ちたシャーリーをガン無視して再び芳佳に向き直った

 

バルクホルン「解るな?」

 

宮藤「ヒェッ……」

 

エーリカ「トゥルーデ。めっちゃ怖いよ。それじゃ脅しだよ」

 

バルクホルン「何がだ!?おほん。とにかくだ。気持ちは解る。だが、我慢しろ」

 

宮藤「……はい」

 

バルクホルン「こっちを見ろ宮藤。ストライカーの方を見るな」

 

エイラ「止めたってしょうがないだろ。いいじゃん、行っちゃおう。どうせネウロイ出てんだから、出撃は時間の問題だろ」

 

サーニャ「……エイラ」

 

エイラ「ン?」

 

 

サーニャはぐっと親指を立てた。エイラも微笑んで親指を立ててバルクホルンの方を向く。バルクホルンは優しくサーニャのおでこを拳で小突き、エイラの頭に拳骨を落とした

 

エイラ「ンアナアアアアアッ!?差別ッ!」

 

バルクホルン「全く……」

 

宮藤「バルクホルンさんの言う事も解ります。でも、それでも……私は止まれません。呼ばれてるんです、れいちゃんに。あの子は助けを求めてる」

 

 

完全に敵対しても尚、宮藤芳佳は助けを求める者に手を伸ばす。芳佳の心は、あの日人型ネウロイの気配を感じ取った時と同じようにれいの思いを感じ取っていた

 

真っすぐ見つめて来る芳佳から目を逸らさずにバルクホルンは呆れたように溜息をついた。というより彼女は立場上出撃命令を待っているだけで、芳佳の考えに反対したい訳ではない

 

それでもバルクホルンは、自らが兵士の立場である限り感情が命令より優先される事はあってはならないという信念を持っている。可能な限りその信念に忠実でありたいと考えていた。この状況に判断を下せるのは、現時点でストライクウィッチーズの指揮権を持つミーナだけだ

 

 

 

あかね『芳佳ちゃん、先行ってるからねー!』

 

宮藤「命令違反、任せて!私の反省文をしまう為の引き出しがミーナ中佐の部屋に作られたくらいだから!」

 

ミーナ「ちょっと宮藤さん?その反省文の山の成果は出てないようだけど?私に逆らう事を楽しんでないかしら?」

 

宮藤「___今のは冗談です!」

 

 

いつの間にか格納庫へやって来ていたミーナは凄まじい頭痛と胃痛に同時に襲われたが、溜息1つでそれらを打ち消した。彼女程苦労人の経験を積むと、部下の問題行動により蓄積したストレスを一瞬で忘却の彼方へ押し流すことなど朝飯前なのだ

 

 

ミーナ「取り調べた結果、彼らの下に喋るカラスが現れたようです。そこで色々吹き込まれたようね。……彼らはネウロイを利用してでも、我々を足止めするようです」

 

バルクホルン「なんだと?そこまでして……」

 

ミーナ「取引をしたそうよ。言う通りにすれば侵略を止めると」

 

バルクホルン「馬鹿げてるな。ネウロイに交渉が通じるものか」

 

リーネ「バルクホルンさん、どちらかというとアローンですから……」

 

バルクホルン「どちらも変わらん。そうだろう、少佐?」

 

坂本「ああ、変わらんさ。弱い者を踏みにじり、不幸を振りまく。我らウィッチが戦うべき相手だ。___さあ行くぞ皆!ネウロイがいるならば、そこが我らの戦場だ!」

 

 

 

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